一色伸幸 : ウィキペディア(Wikipedia)

一色 伸幸(いっしき のぶゆき、1960年2月24日 - )は、日本の脚本家、小説家。東京都葛飾区亀有出身。神奈川県鎌倉市在住。グランドスラム所属。

来歴

鎌倉学園高校卒業、青山学院大学文学部英米文学科中退。自主映画製作を経て、松竹シナリオ研究所の一期生としてシナリオを学んだ後、野村芳太郎監督、浦山桐郎監督らに師事し、1982年、火曜サスペンス劇場『松本清張の脊梁』で脚本家デビュー。1987年、『私をスキーに連れてって』などの大ヒットで名を高め、アイディア豊富な喜劇や青春映画を得意とする売れっ子となった。以降、各ジャンルで多彩な作品を発表している。

1993年から1994年にかけ、うつ病を患い、うつ病患者の内面を、2007年のエッセイ「うつから帰って参りました」、2008年の小説『配達されたい私たち』(後にドラマ、舞台化)で表現している。

劇中歌の作詞を好み、「紙のドレスを燃やす夜〜香港大夜総会〜」の「ホンコンフラワー」、「彼女が死んじゃった。」の「とんちたいそう」や「555」、「LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと」の「GIGつもり」などを書いている。

趣味は旅行とスクーバダイビング。バンド「FLYING KIDS」のファンで、小説『幸せであるように』は同バンドの同名曲をモチーフにしている。映画化されなかった同名のシナリオもあり、同楽曲が挿入歌になるはずだった月刊シナリオ 一色伸幸特集。

俳優の一色洋平は実の息子である。

主な作品

映画

  • 1984年:主婦と性生活
  • 1986年:BE FREE!
  • 1987年:恐怖のヤッちゃん
  • 1987年:私をスキーに連れてって
  • 1988年:木村家の人びと
  • 1988年:ほんの5g
  • 1988年:山田村ワルツ
  • 1989年:彼女が水着にきがえたら
  • 1990年:病院へ行こう
  • 1991年:波の数だけ抱きしめて
  • 1992年:病は気から 病院へ行こう2
  • 1992年:七人のおたく
  • 1993年:僕らはみんな生きている
  • 1993年:卒業旅行 ニホンから来ました
  • 1994年:熱帯楽園倶楽部
  • 1997年:香港大夜総会 タッチ&マギー
  • 1998年:ショムニ
  • 1999年:お受験
  • 2004年:アマレット
  • 2006年:TAKI183
  • 2016年:LIVE!LOVE!SING!生きて愛して歌うこと 劇場版

テレビ

  • 1982年:松本清張の脊梁
  • 1984年:私鉄沿線97分署(テレビ朝日/連続)
  • 1985年:ハーフポテトな俺たち(日本テレビ/連続)
  • 1986年:このままじゃ、ボクの将来知れたもの(日本テレビ/連続)
  • 1986年:姥ざかり(フジテレビ)
  • 1987年:同級生は13歳(フジテレビ/連続)
  • 1988年:涙日記(TBS/連続)
  • 1989年:恋をしましょう(日本テレビ)
  • 1990年:それでも僕は母になりたい(日本テレビ)
  • 1990年:ネットワーク・ベイビー(NHK)
  • 1992年:地球をダメにする50のかんたんな方法(NHK)
  • 1993年:山田が街にやって来た How to speak JAPANESE(NHKとイギリスPicture Palaceの共同制作)
  • 2001年:zap Entertainment! おれ、ぼく、あたし。(WOWOW)
  • 2001年:zap Entertainment!2 人情、どたばた、ブラック。(WOWOW)
  • 2004年:彼女が死んじゃった。(日本テレビ/連続)
  • 2005年:おとなの夏休み(日本テレビ/連続)
  • 2006年:歌で逢いましょう♪(GyaO/連続)
  • 2009年:救命病棟24時 第4期(フジテレビ/連続)
  • 2010年:Beautiful Love 〜君がいれば〜(BeeTV/連続)
  • 2013年:ラジオ(NHK)
  • 2013年:配達されたい私たち(WOWOW/連続)
  • 2013年:阿久悠を殺す(NHK)
  • 2015年:LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと (NHK)
  • 2015年:私は父が嫌いです(NHK)
  • 2016年:世界はひばりを待っている(NHK/連続)
  • 2019年:関西テレビ開局60周年特別ドラマ「BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸」(フジテレビ系)
  • 2021年:ペペロンチーノ(NHK)
  • 2022年 : NHKスペシャル「東京ブラックホール Ⅲ 1989-1990 魅惑と罪のバブルの宮殿」(ドラマ脚本/NHK)
  • 2024年:母の待つ里(NHK BS・NHK BSプレミアム4K/連続)

舞台

  • 1989年:前川麻子一人芝居 はたらく・くるぶし
  • 1993年:クックドゥードゥルドゥー -田所家の人々-
  • 1997年:紙のドレスを燃やす夜~香港大夜総会~
  • 2015年:配達されたい私たち(原作のみ)
  • 2023年:七人のおたく cult seven THE STAGE(原作のみ)

オーディオドラマ

漫画原作

  • 1993年:僕らはみんな生きている(作画 山本直樹/小学館)
  • 2000年:彼女が死んじゃった。(絵 おかざき真里/集英社)
  • 2018年:さよなら、うつ。(画 橘山聡/アスコム)

アニメ

  • 1984年:ミームいろいろ夢の旅(TBS)
  • 1984年:ふしぎなコアラブリンキー(フジテレビ)
  • 1985年:へーい!ブンブー(NHK)
  • 1986年:宇宙船サジタリウス(テレビ朝日)

ゲームシナリオ

  • 1994年:娯楽の殿堂 THEATRE WARS
  • 2002年:紅の海(脚本協力)

受賞歴

  • 1988年
    • くまもと映画祭ヤングシネマ脚本賞 『私をスキーに連れてって』
  • 1990年
    • 第17回放送文化基金賞奨励賞 『ネットワーク・ベイビー』
  • 1991年
    • 第14回日本アカデミー賞優秀脚本賞 『病院へ行こう』
  • 1993年
    • 第25回ヨコハマ映画祭脚本賞 『卒業旅行 ニホンから来ました』『僕らはみんな生きている』『病は気から 病院へ行こう2』
  • 1994年
    • 第17回日本アカデミー賞優秀脚本賞 『卒業旅行 ニホンから来ました』『僕らはみんな生きている』
    • おおさか映画祭 脚本賞 『僕らはみんな生きている』
  • 2012年
    • 第50回ギャラクシー賞年間優秀賞 『ラジオ』
  • 2013年
    • 第51回ギャラクシー賞奨励賞 『阿久悠を殺す』
    • 第6回東京ドラマアウォード優秀賞(単発ドラマ)『ラジオ』
    • 第16回菊島隆三賞『ラジオ』
    • 第68回文化庁芸術祭 テレビ・ドラマ部門 大賞『ラジオ』
  • 2014年
    • シカゴ国際映画祭2014 長編テレビ映画部門 金賞『ラジオ』
    • 国際エミー賞2014 テレビ映画部門 ノミネート『ラジオ』
    • 第52回ギャラクシー賞奨励賞 『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと』
  • 2018年
    • 第56回ギャラクシー賞奨励賞 『BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸』
  • 2021年
    • 第47回放送文化基金賞テレビドラマ部門最優秀賞 『ペペロンチーノ』
    • 第47回放送文化基金賞脚本賞 『ペペロンチーノ』
    • 第58回ギャラクシー賞奨励賞 『ペペロンチーノ』
    • 第14回東京ドラマアウォード ローカル・ドラマ賞『ペペロンチーノ』

著作

  • 『ネットワーク・ベイビー』太田出版 1990
  • 『熱帯楽園倶楽部』扶桑社文庫 1994
  • 『香港大夜総会 タッチ&マギー』日本テレビ 1997
  • 『お受験』角川文庫 1999
  • のち文春文庫
  •  のち角川文庫
  • 『シューボコ』電子書籍、2012年8月。
  • 『幸せであるように』幻冬舎文庫、2015年8月。ISBN 978-4-344-42367-1。
  • 『LIVE!LOVE!SING!生きて愛して歌うこと』河出書房新社、2015年12月。ISBN 978-4-309-02427-1。
  • 『さよなら、うつ。』(画・橘山聡)アスコム、2018年7月。ISBN 978-4-776-20991-1。

関連項目

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/11/27 11:31 UTC (変更履歴
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