石井孝明 : ウィキペディア(Wikipedia)

石井 孝明(いしい たかあき、1971年 - )は、日本の経済・環境ジャーナリスト石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」>プロフィールワイアードビジョン(現:ワイアード)。ウェブサイト「with ENERGY」(ウィズエネ)https://withenergy.jp/about、「journal of Protect Japan」を運営しているhttp://protectjapan.jphttps://x.com/ishiitakaaki。

経歴

東京都生まれ。麻布中学校・高等学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業。時事通信社記者、フィナンシャルジャパン副編集長(2012年休刊、発行元も2013年倒産)、編集プロダクション(社名不明)経営などを経て、フリーランスのジャーナリストとして地球温暖化やエネルギー政策、グリーン経済、金融について取材、執筆活動をしている。

活動

エネルギー・環境問題を専門とする。2012年から2016年まで池田信夫が主宰する「アゴラ研究所」のフェロー(執筆者)として、アゴラ研究所のweb上の仮想シンクタンクであるエネルギーサイトGEPR(グローバルエネルギー・ポリシーリサーチ)にて、エネルギー問題を扱ったhttps://twitter.com/agora_japan/status/875557739631525889。また福島第一原発事故後は、従来のエネルギー分野に加え、時事、歴史についての寄稿もおこなっている。

京都議定書について

2004年の著作『京都議定書は実現できるのか:CO2規制社会のゆくえ』では京都議定書を「敗北」と捉え、省エネである原子力を推進する日本は既に世界一の省エネ先進国にもかかわらず、京都議定書の議長国として諸外国に不当なCO2削減義務を背負わされ、米国が京都議定書から離脱するなど諸外国が義務を果たさない中、真面目に義務を果たす日本だけが損をすると指摘。更に、市民団体などによって日本のエネルギー政策が歪められていると主張した。2011年の福島第一原子力発電所事故、さらに2015年のパリ協定の時点でも、石井のエネルギー政策や原発に対する見解は2004年当時から全く変わっていない検証・京都議定書-「敗北」を乗り越えるために グローバルエネルギー・ポリシーリサーチ。

原発について

環境保護の観点から、原発には概して肯定的である。2011年の共著作『気分のエコでは救えない!』ではデータに基づいた原発の優位性を述べ、かつ雰囲気だけで脱原発や自然エネルギーの導入を叫ぶ人々を批判した『気分のエコでは救えない!』(2011年)。日本の電力政策が転換期を迎える契機になった2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」と記す)後も、電力業界の業界紙であるエネルギーフォーラムに執筆するなどして脱原発を進める原子力規制委員会への批判と、電力業界の正常化に向けた提言を行っている。

福島第一原発事故について

福島第一原発事故に関し、放射能による健康被害の可能性は無いとの立場である。当時の菅直人首相や政府の対応は、必要のない避難によるストレスとそれに伴う災害関連死を引き起こし、1900人以上の犠牲者を出したと主張、批判した川内原発、停止の必要なし-リスク認識の誤り – Global Energy Policy Research。また、原発の再稼働に関しては、「福島事故の8分の1程度の大事故の発生率を100万炉年に1の割合にする」と言う原子力規制委員会の規制「目標」を前提に、安全の絶対的確証はないとしながらも、怖がるほどの原発事故は「頻繁には」起きないとして、九州電力川内原発の停止を求める一部の国民を批判した。

中国と原発について

中国主導下のアジアインフラ投資銀行が低性能だが安価な中国製原発の輸出により、輸出先の国々の経済支配を目論んでいると主張し、日本が自国の原子力産業への冷遇を続ければ、中国に対する優位性が失われる虞があるとの見方が原子力関係者から出ているとしている。また、中国の原子力技術は日本や欧米よりも劣り、安全性にも問題があるとの懸念を示した日米が警戒するAIIBの悪しき野望 原子炉輸出で経済支配に重大懸念 石井孝明氏 - 政治・社会 - ZAKZAK。

クルド人問題について

2023年から、クルド人の問題行為により、埼玉県川口市や蕨市の住民の日常生活が脅かされている状態等について取材をし、記事を配信している。これは外国人嫌悪を煽るものであるとして(一社)日本クルド文化協会事務局長、他11人の関係者から民事で提訴されている差別的な投稿で名誉を傷つけられた…川口のクルド人たちが石井孝明氏に慰謝料など500万円を求めて提訴東京新聞2024年3月19日。

在日クルド人による脅迫事件

2023年9月26日、川口市在住の30代クルド人男性が川口警察署を訪れ、「ジャーナリストがクルド人の悪口を言っている」「警察は発言をやめさせろ。さもなければ殺す。2週間後、ここに死体を持ってくる」などと話し、その場で脅迫容疑で逮捕された。石井は自身が運営するサイトにて「ジャーナリスト」は自分であるとし、逮捕の翌日には殺害予告だとして被害届を出したという。勾留請求は認められず、被疑者は2日後には釈放され、10月には不起訴処分となった。石井はSNSや自身のサイトにおいて、この件で警察官から引っ越しをすることも検討して欲しいと言われたことに「警察が日本国民である私の安全を守らず、外国人犯罪者を野放しにし、私に責任を押し付けるのはおかしい」と述べている。この事件が起きた背景について「外国人に対して日本の司法は及び腰ではないか」、終戦後の「外国人に親切にしなさい」という強い刷り込みもあり、外国人への対応に関する整備が全くなされていないのではないか、また日本政府が、なし崩し的に外国人の労働範囲の拡大政策をとるのは「非常に危険ではないか」と主張している。

批判・不祥事

  • 漫画「美味しんぼ」の東日本大震災における原発事故を反原発の視点で描いた「第604話 福島の真実その22」の中で、福島での被曝由来を思わせる鼻血描写に福島差別との批判が集まる中、石井はTwitter上で美味しんぼに対する猛批判を展開した。2014年5月7日、福島県や双葉町が版元である小学館に「風評被害」であると抗議文を送った流れを受け、石井が「(作者である)雁屋哲をリンチしましょう」とツイートしたところ一転、自身も猛批判にさらされた。批判を受けた石井はリンチの語感を誤解していたと釈明、当該のツイートを削除した。
  • Webサイト「agora-web」およびTwitter上にて、精神科医の香山リカに対して「精神疾患に罹患している。」「参加している運動が外国政府から資金が提供されている。」「組織暴力団や極左暴力集団と繋がりを有している」などと書き、誹謗中傷や名誉毀損を繰り返していたとして香山が石井を提訴。2017年2月20日、謝罪文を掲載することを条件として、民事訴訟法第267条に基づく裁判上の和解が成立した。石井は「私は、このような事実と異なる記事を作成し、「agora-web」上に掲載したことにより、香山リカさんの名誉を不当に傷付けたことについて、心より反省し、謝罪いたします」、「 平成28年から2.年にかけて、香山さんを貶めるために、以下の内容を含むツイートを繰り返し、Twitter上に投稿しました。しかし、当該内容はいずれも真実ではありません。」と13件の内容を列挙し、自身のブログにて謝罪した。この一連の騒動に関して著作家の山本一郎は、「ネットがネットだけのルールでやってこれた時代の終わり、ということを少しずつ肌で感じる季節でして、その意味では香山リカ女史もやっぱ時代の先頭走ってるなーと思った」と評した。
  • 2018年3月、辛淑玉が、石井からTwitter上で『「スリーパーセル」「工作員」などの言葉を使い外国人工作員のように見せかけ、辛の社会的地位低下を狙った誹謗中傷を受けた』として、慰謝料550万円の支払いを求める訴訟を起こした辛淑玉さん、ジャーナリスト石井孝明さん提訴「ツイッターでスパイという印象与えた」弁護士ドットコム。これに対し石井は自身のブログで、「訴訟は外国勢力を利用した『沖縄独立』という主張や活動を批判する石井個人へのスラップ訴訟であり、メディアや言論の自由を脅かすものだ」との見解を示した2018年03月16日 辛淑玉が私に行った司法記者会での提訴会見に対するコメント石井ブログ。同年12月25日、裁判所は石井に55万円の賠償を命じた辛淑玉氏を「工作員」と中傷、ジャーナリストに賠償命令朝日新聞2018年12月25日。
  • 2021年の「沖縄慰霊の日」に自衛隊幹部達の様子を取材していた阿部岳他、沖縄タイムスの記者達に対し、石井は「デマ、言葉尻攻撃、攻撃的な怒鳴る取材」とTwitterに投稿した。11月、誹謗中傷であり名誉毀損として阿部から提訴された。2022年12月23日、「石井は誹謗中傷を認め謝罪文を掲載する、阿部は提訴を取り下げる」との条件で和解が成立した。ところがこの直後に石井は和解の趣旨に反して「事件は相互の罵り合いの結果です。阿部氏がいきなり相手を裁判で訴えるのは異様な行動です」とツイート(削除済み)「それを許している社会、周りを変えたい」記者が闘った裁判の意義琉球放送。

著作

単著

  • 『京都議定書は実現できるのか:CO2規制社会のゆくえ』(2004年、平凡社新書、ISBN 978-4582852189)

共著

  • 杉山大志、星野優子、石井孝明『気分のエコでは救えない!―データから考える地球温暖化』(2011年、日刊工業新聞社、ISBN 978-4526066283)

寄稿

  • 「CO2による地球温暖化は本当に起きているのか(もうニュースにだまされない 身を守る科学知識-エネルギー・環境編)」『週刊東洋経済』2011年6月18日号
  • 石井孝明・山口光恒・麻木久仁子「婦人公論井戸端会議 代替エネルギーで日本はやっていけるの?」『婦人公論』2011年7月7日号
  • 「転換迫られる日本のエネルギー政策(特集 経済超入門-9つの解説)」『週刊東洋経済』2012年3月24日号
  • 「メディアが醸成する放射能ストレス(総力大特集 昏迷日本の処方箋)」『WiLL』2012年6月号
  • 「エネルギーと日本の未来(7)民主党政権がもたらす エネルギー亡国前夜」『WiLL』2012年9月号
  • 「反原発デモは「愚者の行進」(「原発ゼロ」でいいのか!-マス・ヒステリー)」『WiLL』(増刊)2012年11月号
  • 「『原発ゼロ』シナリオの二大リスク(「原発ゼロ」でいいのか!-原発ゼロ、日本はどうなる)」『WiLL』(増刊)2012年11月号
  • 「政治に翻弄される浜岡原発, 現地報告」『日本原子力学会誌』2012年11月号
  • 「『除染一ミリ』という民主政権の悪政(総力大特集 がんばれ、安倍総理!)」『WiLL』2013年7月号
  • 「福島原発の汚染水 健康に影響なし:心配なのは国民負担」エネルギーフォーラム、2013年10月号
  • 「『美味しんぼ』鼻血デマの実害」Will:マンスリーウイル 2014-07
  • 「東電福島第一原発の今:巨大負担を続けられるのか」『アトモス:日本原子力学会誌』2014-10
  • 「復興 チェルノブイリから福島へ 放射能より怖い「情報汚染」(総力大特集 安倍政権で「輝ける日本」へ)」Will:マンスリーウイル 2015-02
  • 「ENERGY 原子力事業をダメにする規制委員会の『ガラパゴス学者』」Will:マンスリーウイル 2015-07
  • 「『世界一』の厳格規制がもたらすリスク 次の原発事故を招くガラパゴス規制委(世界に学ばぬ安全規制は役人の自己保身 遅すぎる再稼働 原発規制は的外れ)」Wedge 2015-09
  • 「混乱続く日本原電敦賀2号機の地質問題:問われるべき規制委の行政活動の失態」エネルギーレビュー 2016-02https://cir.nii.ac.jp/crid/1521136280778880000
  • 「トウモロコシ、大豆畑の7割超を席巻 ITが変える米国「精密農業」「強い農家」を支えるモンサントの技術」Wedge 28 (11), 56-58, 2016-11
  • 「何が再エネの影をもたらしたのか」『WiLL』2017年7月号
  • 活況のバイオマス発電 疑わしき持続可能性 計画乱立、第2の太陽光バブルか」Wedge 29(10), 30-32, 2017-10
  • 廃炉にオールジャパンで挑む福島第一原発の今」Wedge, 2017-12

連載

  • ニューズウィーク「誤解だらけのエネルギー問題」(2015年8月 - 2016年7月、月1回から隔月で連載)

出演

インターネット配信

  • 日本文化チャンネル桜『日本よ、今…「闘論!倒論!討論!」』等、不定期にて出演中
  • 花田編集長の右向け右『川口クルド人と移民政策』2023年9月8日花田編集長の右向け右

注釈

出典

外部リンク

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