フェルナンド・ゴンザレス : ウィキペディア(Wikipedia)

フェルナンド・フランシスコ・ゴンサレス・シウファルディFernando Francisco González Ciuffardi, 1980年7月29日 - )はチリの首都サンティアゴ出身の元男子プロテニス選手。2007年全豪オープン男子シングルス準優勝者であり、2004年アテネ五輪の男子ダブルスで金メダル、男子シングルス部門で銅メダル、北京五輪男子シングルスで銀メダルがある。シングルス自己最高ランキングは5位。ATPツアーでシングルス11勝、ダブルス3勝を挙げた。身長183cm、体重82kg。右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。

選手経歴

1999年 プロ転向

ジュニア時代に、1998年全仏オープンジュニア男子シングルスでライバルのフアン・カルロス・フェレーロを破って優勝し、翌1999年に19歳でプロ転向。

2000年 ツアー初優勝

翌2000年、全米男子クレーコート選手権でニコラス・マスーとのチリ勢決勝対決を制し、ツアー初優勝を飾った。ATPツアーにおいてチリ勢決勝対決が行われたのは、1982年以来18年ぶりの出来事だった。この年は順調にランキングを上げ、135位で終えた。

2002年 全米ベスト8

2002年は2大会で優勝を挙げ、同年の全米オープンでは4大大会にて自身初の準々決勝進出を果たす。準々決勝ではシェング・シャルケンに7-6, 3-6, 3-6, 7-6, 6-7のフルセットで敗れたが、世界ランキング18位で年を終える飛躍を見せた。

2003年 全仏ベスト8

2003年全仏オープンの準々決勝で、ジュニア時代からのライバルであるファン・カルロス・フェレーロに1-6, 6-3, 1-6, 7-5, 4-6で敗れた。この年は優勝が無く、35位で年を終えた。

2004年 アテネ五輪金・銅メダル獲得

2004年アテネ五輪で、チリ代表に選出され、ニコラス・マスーと組んだ男子ダブルスで金メダルを獲得した。決勝の相手はドイツのニコラス・キーファー/ライナー・シュットラー組で、試合は6-2, 4-6, 3-6, 7-6, 6-4のフルセットの末勝利。男子シングルスでもベスト4まで勝ち進み、3位決定戦でアメリカのテーラー・デントを6-4, 2-6, 16-14で下して銅メダルを獲得した。こうしてゴンサレスは、マスーと並んでチリの国民的英雄となった。2004年度は23位で終えた。

2005年 ウィンブルドンベスト8

2005年にゴンサレスは男子ツアーで3大会優勝を挙げ、ウィンブルドンでは初めて準々決勝に進出したがロジャー・フェデラーに5-7, 2-6, 6-7で敗退。また、全仏オープン男子ダブルスでマスーと組み、準決勝進出を果たした。2005年度を11位で終えた。

2007年 全豪準優勝 世界5位

2007年全豪オープンで、ゴンサレスは初の4大大会決勝進出を果たす。3回戦でレイトン・ヒューイット、4回戦でジェームズ・ブレーク、準々決勝でラファエル・ナダル、準決勝でトミー・ハースといった強豪を破る快進撃を見せ、決勝で過去9戦全敗だったロジャー・フェデラーに6-7, 4-6, 4-6で敗れて優勝を阻まれたが、チリの男子テニス選手が4大大会シングルス決勝に進出したのは、1998年全豪オープンの準優勝者マルセロ・リオス以来9年ぶりであった。この年は優勝こそ1大会に止まったものの、戦績は良好。年最終戦テニス・マスターズ・カップではラウンドロビンにて、10戦全敗だったロジャー・フェデラーに初めて勝利し、2007年度は7位で終えた。

2008年 北京五輪銀メダル獲得

2008年は全豪オープンの3回戦敗退により、世界ランキングで大きく後退したが、2大会で優勝。全仏オープンで5年ぶり2度目の準々決勝進出があり、フェデラーに6-2, 2-6, 3-6, 4-6で競り負けた。8月の北京五輪において、ゴンサレスは2大会連続で男子シングルスのメダルを獲得する。第12シードから決勝まで進出した彼は、金メダルをかけた決勝戦でラファエル・ナダルに3-6, 6-7, 3-6で敗れた。

2009年 全仏ベスト4

2009年全仏オープンでは初の準決勝に進み、4回戦で第1シードのラファエル・ナダルを破って勝ち進んだロビン・セーデリングと対戦。2セット先行されてから追い上げ、第5セットまで持ち込むものの、最終的に3-6, 5-7, 7-5, 6-4, 4-6で敗れ決勝進出ならず。

2012年 引退

ゴンサレスは2012年ソニー・エリクソン・オープン1回戦でニコラ・マユに5-7, 6-4, 6-7(3)で敗れた試合を最後に31歳で現役を引退した。

プレースタイル

ベースライン付近でプレーするストローカーである。中でも特筆すべきは、彼の強力なフォアハンドである。強い筋力によって体の鋭い回転に腕をついて行かせることで、大きなスイングによってフォアハンドで非常に威力の強いボールを打つことができる。ラファエル・ナダルに比べて高い打点に強いと言える。

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 22回 (11勝11敗)

class="wikitable"
大会グレード
グランドスラム (0-1)
オリンピック (0-1)
ATPワールドツアー・ファイナル (0-0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (0-2)
ATPワールドツアー・500シリーズ (0-1)
ATPワールドツアー・250シリーズ (11-6)

| valign=top align=left |

サーフェス別タイトル
ハード (2-6)
クレー (8-3)
芝 (0-0)
カーペット (1-2)

|}

結果No.決勝日大会サーフェス対戦相手スコア
優勝1.2000年5月7日USA オーランドクレーCHI ニコラス・マスー6–2, 6–3
優勝2.2002年2月17日CHI ビニャ・デル・マールクレーECU ニコラス・ラペンティ6–3, 6–7(5–7), 7–6(7–4)
優勝3.2002年9月29日ITA パレルモクレーARG ホセ・アカスソ5–7, 6–3, 6–1
準優勝1.2002年10月27日SUI バーゼルカーペット (室内)ARG ダビド・ナルバンディアン4–6, 3–6, 2–6
準優勝2.2003年8月3日USA ワシントンD.C.ハードGBR ティム・ヘンマン3–6, 4–6
準優勝3.2003年10月5日FRA メスハード (室内)FRA アルノー・クレマン3–6, 6–1, 3–6
優勝4.2004年2月15日CHI ビニャ・デル・マールクレーBRA グスタボ・クエルテン7–5, 6–4
準優勝4.2004年7月18日NED アメルスフォールトクレーNED マルティン・フェルケルク6–7(5–7), 6–4, 4–6
優勝5.2005年1月16日NZL オークランドハードBEL オリビエ・ロクス6–4, 6–2
準優勝5.2005年2月6日CHI ビニャ・デル・マールクレーARG ガストン・ガウディオ3–6, 4–6
優勝6.2005年7月24日NED アメルスフォールトクレーARG アグスティン・カレリ7–5, 6–3
優勝7.2005年10月30日SUI バーゼルカーペット (室内)CYP マルコス・バグダティス6–7(10–12), 6–3, 7–5, 6–4
準優勝6.2006年10月15日AUT ウィーンハード (室内)CRO イワン・リュビチッチ3–6, 4–6, 5–7
準優勝7.2006年10月22日ESP マドリードハード (室内)SUI ロジャー・フェデラー5–7, 1–6, 0–6
準優勝8.2006年10月29日SUI バーゼルカーペット (室内)SUI ロジャー・フェデラー3–6, 2–6, 6–7(3–7)
準優勝9.2007年1月28日AUS 全豪オープンハードSUI ロジャー・フェデラー6–7(2–7), 4–6, 4–6
準優勝10.2007年5月13日ITA ローマクレーESP ラファエル・ナダル2–6, 2–6
優勝8.2007年9月16日CHN 北京ハードESP トミー・ロブレド6–1, 3–6, 6–1
優勝9.2008年2月3日CHI ビニャ・デル・マールクレーARG フアン・モナコ不戦勝
優勝10.2008年5月4日GER ミュンヘンクレーITA シモーネ・ボレッリ7–6(7–4), 6–7(4–7), 6–3
準優勝11.2008年8月17日CHN 北京五輪ハードESP ラファエル・ナダル3–6, 6–7(2–7), 3–6
優勝11.2009年2月8日CHI ビニャ・デル・マールクレーARG ホセ・アカスソ6–1, 6–3

ダブルス: 4回 (3勝1敗)

結果No.決勝日大会サーフェスパートナー対戦相手スコア
優勝 1. 2004年8月21日 GRE アテネ五輪 ハード CHI ニコラス・マスー GER ニコラス・キーファーGER ライナー・シュットラー 6–2, 4–6, 3–6, 7–6(7), 6–4
優勝 2. 2005年4月10日 ESP バレンシア クレー ARG マルティン・ロドリゲス ARG ルカス・アルノルド・カー ARG マリアノ・フッド 6–4, 6–4
準優勝 1. 2005年7月24日 NED アメルスフォールト クレー CHI ニコラス・マスー PER ルイス・オルナARG マルティン・ガルシア 4–6, 4–6
優勝 3. 2005年10月31日 SUI バーゼル カーペット ARG アグスティン・カレリ AUS ステファン・フース RSA ウェスリー・ムーディ 7–5, 7–5

シングルス成績

大会 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 通算成績
全豪オープンA1R4R2R1R3R1RF3R4R4RA20–10
全仏オープンLQ2R3RQF1R3R2R1RQFSF2RA20–10
ウィンブルドンALQ2R1R3RQF3R3R2R3RA3R16–9
全米オープン2RLQQF3R1R3R3R1R4RQF1R1R18–11

大会最高成績

大会 成績
マスターズ・カップ RR 2005, 2007
インディアンウェルズ 4R 2005, 2007, 2009
マイアミ SF 2004
モンテカルロ SF 2006
マドリード F 2006
ローマ F 2007
カナダ SF 2006
シンシナティ SF 2002, 2006
上海 F 2015
パリ 3R 2009
ハンブルク QF 2003, 2007
オリンピック S 2008
デビスカップ QF 2006, 2010

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/10/25 02:17 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「フェルナンド・ゴンザレス」の人物情報へ