アガサ・クリスティ
英南西部デボンシャー出身。12歳まで家庭で読み書き計算や音楽の教育を受ける。1905年から5年間、家族で渡仏し、この頃から文学にのめりこんで短編小説を書くようになる。14年に結婚。第1次世界大戦中は看護師として働き、18年の終戦後は夫とロンドンに転居した。
16年に書きあげた初の長編推理小説「スタイルズ荘の怪事件」で名探偵エルキュール・ポアロを生みだし、同作は20年に出版されベストセラーとなる。以降は「秘密機関」(22)や「ゴルフ場殺人事件」(23)などのミステリー小説を次々に発表し、人気作家として大成。しかし夫アーチーに愛人がいたことが発覚し、アガサは失踪事件を起こして28年に離婚する。
30年、考古学者のマックス・マローワンと再婚して世界各地を旅し、その旅先は「オリエント急行殺人事件」(34)をはじめとする小説の舞台となった。34年、オックスフォードシャーに転居。第2次世界大戦中はロンドンの薬局で働き、後に作品内で生かされる薬や毒の知識を得た。56年と71年の2度、大英帝国勲章を受章。74年まで執筆活動を続け、76年に老衰のため死去した。