第87回アカデミー賞(2015年) 全部門ノミネート・監督賞

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第87回アカデミー賞 全部門ノミネート

監督賞

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メキシコを代表する映画監督。大学在学中の1984年、ラジオの音楽番組の司会者としてショウビズ界に足を踏み入れ、その後、映画音楽の作曲も手がける。長編映画初監督作「アモーレス・ペロス」(00)が、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞し、ショーン・ペンらハリウッドスターを起用した「21グラム」(03)も批評家から高く評価される。「バベル」(06)ではカンヌ国際映画祭の監督賞とエキュメニカル審査員賞を受賞し、アカデミー賞で作品賞と監督賞にノミネートされた。その後、同じメキシコ出身の映画監督アルフォンソ・キュアロンとギレルモ・デル・トロと共同で製作会社チャチャチャ・フィルムズを設立し、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ主演の「ルドandクルシ」(08)の製作総指揮を務める。ハビエル・バルデムを主演に迎えた「BIUTIFUL ビューティフル」(10)までは死生観を描いたシリアスな作品が多かったが、14年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」ではダークファタジーに挑戦して新境地を切り開き、アカデミー作品賞・監督賞・脚本賞の3部門で自身初のオスカーを獲得。続く「レヴェナント 蘇えりし者」(15)は、アカデミー作品賞・監督賞を含む最多12部門にノミネートされ、作品賞は逃したものの、2年連続の監督賞と、レオナルド・ディカプリオに悲願の主演男優賞をもたらした。2年連続での監督賞受賞は、ジョン・フォード(「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」)、ジョセフ・L・マンキウィッツ(「三人の妻への手紙」「イヴの総て」)に続き史上3人目の快挙。

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1988年に監督デビューし、2作目「Slacker(原題)」(91)がサンダンス映画祭で絶賛され注目を浴びる。続く「バッド・チューニング」(93)が米国内で大ヒット、イーサン・ホーク&ジュリー・デルピーを主演に迎えた「恋人までの距離(ディスタンス)」(95)ではベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞し、米インディペンデント界を代表する存在になる。初のメジャー作品「ニュートン・ボーイズ」(98)に続き、ジャック・ブラックを主演に迎えた「スクール・オブ・ロック」(03)が大ヒットを記録した。

再びインディペンデント界に戻って「恋人までの距離(ディスタンス)」の続編「ビフォア・サンセット」(04)と第3弾「ビフォア・ミッドナイト」(13)のメガホンをとり、両作でホークとデルピーとともにアカデミー脚色賞にノミネートされた。キャストたちが12年にわたりひとつのキャラクターを演じ続けた「6才のボクが、大人になるまで。」(14)では、ベルリン国際映画祭の最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞。アカデミー賞では、作品賞と監督賞に初ノミネートを果たし、脚本賞の候補にもなった。

その他の監督作に、実写映像をデジタル・ペインティング加工した「ウェイキング・ライフ」(01)、「スキャナー・ダークリー」(06)といった実験的な作品や、再びブラックと組んだ「バーニー みんなが愛した殺人者」(11)などがある。

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初監督作のドキュメンタリー映画「The Cruise(原題)」(98)がベルリン国際映画祭などで高い評価を得る。05年、米小説家トルーマン・カポーティ(「ティファニーで朝食を」「冷血」)の伝記映画「カポーティ」で劇場映画デビュー。同作の脚本は高校時代からの親友ダン・ファターマンが執筆したもので、アカデミー賞では作品賞・監督賞・脚色賞など5部門にノミネート。主演のフィリップ・シーモア・ホフマンにオスカーをもたらし、早くも手腕が認められる。監督第2作は、大リーグ球団のゼネラルマネージャーの奮闘を描いたノンフィクション小説の映画化「マネーボール」(11)で、当初監督する予定だったスティーブン・ソダーバーグに代わってメガホンをとった。

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米テキサス州ヒューストン出身。テキサス大学在学中にオーウェン・ウィルソンと出会い、共同で映画を制作。オーウェンとその兄ルーク・ウィルソンと作った短編「Bottle Rocket」がサンダンス映画祭で注目を浴び、その長編化「アンソニーのハッピー・モーテル」(96)で本格的に監督デビューする。

続く「天才マックスの世界」(98)でも高い評価を得、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(01)ではオーウェンとともにアカデミー脚本賞にノミネートされた。「グランド・ブダペスト・ホテル」(14)は同作品賞など9部門にノミネートされ、作曲賞、美術賞など4部門を受賞。

アカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた「ファンタスティック Mr. Fox」(09)以降、ストップモーションアニメも手がけ、「犬ヶ島」(18)でベルリン国際映画祭の最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞した。近年の監督作に「アステロイド・シティ」(23)など。全作品で製作・脚本も手がける。

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ノルウェー出身の映画監督。1967年生まれ。米ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツで学び、1990年代初めから母国ノルウェーでMVやCM、音楽番組などを監督する。03年に「Buddy(原題)」で長編映画デビューを果たし、続いて「Varg Veum Falne engler(英題:Fallen Angels)」(08)のメガホンをとる。ジョー・ネスボの小説を映画化したサスペンススリラー「ヘッドハンター」(11)は、ノルウェーで歴代1位の興収を記録した。初の英語作品となる「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(14)は、トロント国際映画祭の最高賞である観客賞を受賞したほか、ティルドゥム自身も米監督組合(DGA)賞にノミネートされた。現在は米ロサンゼルスを拠点に活動している。

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Photo:Getty Images/アフロ