「ストレンジャー・シングス」ジョー・キーリー×マヤ・ホーク×ナタリア・ダイアー×チャーリー・ヒートンが振り返る“10年分の集大成”【インタビュー】

2025年11月30日 12:00

（左から）チャーリー・ヒートン、ナタリア・ダイアー、ジョー・キーリー、マヤ・ホーク

“最後の冒険”が遂にはじまった――。

Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス　未知の世界」最終章となるシーズン5のVOL1（第1～4話）が、11月27日から配信スタート（VOL2：第5～7話／12月26日午前10時～、フィナーレ（第8話）：1月1日午前10時～世界独占配信）。

このほど、スティーブ役のジョー・キーリー、ロビン役のマヤ・ホーク、ナンシー役のナタリア・ダイアー、ジョナサン役のチャーリー・ヒートンが、オンラインインタビューに応じた。“ホーキンスの仲間”として過ごした日々を振り返りながら、“最後の「ストレンジャー・シングス」”について語ってくれた。

――本日は取材に応じていただきありがとうございます！

4人：ありがとう！

――シーズン5がいよいよ配信となりました。日本のファンに注目してほしいポイントを教えてください。

ジョー：これというのは思いつかないんだけど、僕たち……（笑）こんな答え、ありえないよね。何も思いつかないなんて（笑）。

ナタリア：ジョーが言おうとしたのは、私たち全員が全身全霊を注いだ作品だということ。

マヤ：私たちの全身全霊に注目して欲しいってこと？（笑）

ナタリア：そうじゃなくて、今シーズンは、みんなが本当に頑張ったってこと。どれも私たちが愛して、大事に築き上げてきたキャラクターたちばかりだから、見どころ満載よ。アクションもたっぷりあるし、人間関係もいろいろな展開があって、みんなに喜んでもらえるはず。

チャーリー：10年間取り組んできた作品で、その10年分の物語の集大成なんだ。そんな経験は滅多にできるものじゃない。どんな作品でも、それだけ長く続く作品とは滅多に巡り会えない。

マヤ：注目ポイントでしょ？　セットが今回はとにかく凄いから！

ナタリア：その通りね。

マヤ：しかも、今の時代、AIだったり、ポストプロダクションで作り込まれることが多い中、当然この作品も素晴らしい職人がポストプロダクションで活躍してくれているけど、セットを含む、プラクティカル・エフェクトが今作は本当に大掛かりだった！

ジョー：その細部へのこだわりも桁違いだったね。

マヤ：スクリーン上で私たちが凄く広い空間にいると思ったら、実際それくらい広い空間で撮ったの！　私たちがこの世のものとは思えないような場所を歩いているシーンでも、そういう空間を実際に歩いて撮ったの。それくらい細部までこだわったセットに是非注目してもらいたいし、人間の手で作られた本物だってことを覚えておいて欲しい。

――2016年から始まったホーキンスを巡る物語が、遂に終わりを迎えます。最終シーズンの物語を知った時、どのような感想を抱いたのでしょうか？

ジョー：みんなで一緒に本読みをしたんだ。全員が集まった読み合わせがあって、その時に初めてみんな脚本に目を通した。他のシーズンでは、脚本が事前に送られて、読み合わせの前に読むことができたんだけど、今回は違った。僕が覚えている限り、あの読み合わせの席で初めて読んだはずだ。

マヤ：しかも、その時に初めて誰と一緒に撮影を1年間共にするかもわかるのよね。それもまた、脚本を初めて読んだ時に考えることだったりする。「この人とこの先1年間一緒に時間を過ごすんだ」って。

ナタリア：学校に行ってた頃のクラス替えみたいな感じじゃない？　「誰と同じクラスか」って。

マヤ：その通り！

――脚本を読んだ時の感想は？

チャーリー：第1話と最終話のどっちの脚本のことを聞いてる？

ナタリア：それによって全然違うから。

マヤ：全話を一度に読んだわけじゃないの。最初に第4話までもらって、あとで残りの4話分をもらったの。

チャーリー：でも最終話の脚本のことを聞いているんだよね？

――えぇ、そうなります。

チャーリー：最終話の脚本の時は、全然違ったよ。

他の3人：そうそう。

チャーリー：その場の雰囲気も特別だったし、みんなで一緒に読み合わせをしたんだけど、10年演じてきたキャクラターたちとこの物語にお別れを言う瞬間でもあったんだ。しかも、ダファー兄弟が本当に美しい締めくくりのシーンを書いてくれて、感慨深いものがあった。

マヤ：私たち自身がお互いに別れを言う場面でもあった。

ナタリア：私自身は、自分がどれだけナンシーをはじめ、全部のキャラクターのことを愛しているかを再確認したし、全員がハッピーエンドを迎えることを強く願った。それくらい心に突き刺さる瞬間だったわ。

マヤ：私は、「最後の読み合わせでは絶対に泣かない」って決めていたんだけど、その最後の読み合わせに向かう車の中で泣いたの。セイディー（・シンク）と一緒の車で移動してたんだけど、二人でテイラー・スウィフトの「ロング・リヴ」を聴いてたの。その曲に「I had the time of my life fighting dragons with you（あなたと一緒にドラゴンと闘うことができて最高に楽しかった）」という歌詞があって、それを聴いた瞬間二人とも号泣しちゃって。その時に「今日という日の最高の始まりになった」と思ったわ。

ナタリア：だって、一度泣き出したら止まらないから。我慢していたのに、一気に涙腺崩壊しちゃうのよね。

――では、本シーズンの撮影において、もっとも印象に残っている撮影を、理由と共に教えてください。

ジョー：ネタバレにならないようにしなきゃいけないから、答えるのが難しいんだけど、自分にとっては、いくつかあって。特にこの4人で一緒に撮ったシーンというのは、この先何度も振り返るであろう大切な瞬間になると思う。一つだけ選ぶのは難しいよ。素晴らしい思い出がたくさん詰まった作品だからね。

マヤ：内容が話せないから、答えるのが難しい。

ナタリア：たくさんあるし。

チャーリー：今シーズンに関して言えることは、役者として、唯一無二の経験をしたってことかな。

――撮影の中で、大変だったことを教えていただけますか？

ジョー：このシーズンは撮影に1年かかったから、長期にわたる撮影を耐え抜くことかな。キャストが多くて、いろんな物語が並行して進んでいるから、俳優陣は毎日撮影があるわけじゃないけど、スタッフは1年間、1日12時間、週6日、ずっと働きっぱなしで、このとてつもなく大掛かりな作品に取り組んでいるわけだ。複数の撮影チームもいて、同時進行でセットの組み立ても行われている。同時に14箇所のサウンドステージを使って撮影が行なわれたから、巨大な撮影現場だよ。だから、肉体的にそれを耐え抜いたというのもそうだし、集中力を切らすことなく、自分が演じるキャラクターが、その時にどういう状況なのか、というのを常に頭の中に入れておくのも大変だった。キャスト同士が支えになってくれた。ダファー兄弟もそう。周りに頼れる人が多くいてくれてよかった。「このシーン、何をするんだっけ？」「どういう流れでこうなったんだっけ？」ってみんなで確認することがしょっちゅうあった。

ナタリア：そうやってエネルギーを保ってたのよね。

――キーリーさん、ホークさんにお聞きします。シーズン3から始まったお二人の「コンビネーション」が、「ストレンジャー・シングス未知の世界」においては、一服の清涼剤のように、物語へのワクワク感を高めてくれています。最終シーズンにおいて、互いの出演シーンで「好き」なところはどこになりますか？

マヤ：一つ願いが叶うなら……、って、これも言ったらネタバレになっちゃうからダメだわ。

ジョー：確かに、他のシーンが大変だった分、自分にとっても二人のシーンは一服の清涼剤になったよ。

マヤ：私もそう。私はあなた（ジョー）とのシーンが本当に大好きだった。

ジョー：僕もそう。

マヤ：最初のオーディションの時から、ジョーとの相性を確かめるために、一緒に本読みをやる機会があったんだけど、その本読みを終えて部屋を出た時、「絶対にこの人と一緒に仕事がしたい」と思った。私はまだキャスティングされてなくて、ただのオーディションだったのに、彼のおかげで自分をより面白く、賢く、上手く見せることができた。彼と一緒にオーディションをやってなかったら、この役を手に入れられてなかったと思う。だから今でも、2人のシーンがあると、コメディだったり、リラックスすることだったり、人を引っ張るリーダーとは何かについて学んでいる気がする。感謝の気持ちでいっぱいよ。

ジョー：優しい言葉をありがとう。僕も同じ気持ちだよ。きみとシーンを共にして、自分のキャラクターの違う面を引き出してもらったと思っている。それは、僕たちのキャラクターがこんなクールな形でぶつかり合うことがなければ、存在しなかったかもしれない。今作に携わった中で、特別な位置を占めてるよ。

――本当はダイアーさん、ヒートンさんにもお話を伺いたかったのですが……どうやら時間になってしまったようです。本日はありがとうございました！

4人：ありがとう！

【「ストレンジャー・シングス　未知の世界」概要】

1980年代の小さな町ホーキンスに突然出現した“裏側の世界”という異世界の脅威に、オタク気質な少年少女とその家族や仲間が力を合わせて立ち向かう、ミステリー・アドベンチャー＆青春物語。

舞台は平和で小さな町ホーキンス。ある日、別次元の恐ろしい“裏側の世界”の扉が開き、町じゅうで超常現象が頻発し、ついには邪悪な怪物が襲来する。そんな中、映画やゲームが大好きなちょっと冴えない仲良し4人組マイク（演:フィン・ボルフハルト）、ウィル（演:ノア・シュナップ）、ルーカス（演:ケイレブ・マクラフリン）、ダスティン（演:ゲイテン・マタラッツォ）は、超常パワーをもつ謎の少女イレブン（演:ミリー・ボビー・ブラウン）と出会い、友情と勇気を武器に脅威へ立ち向かっていく。

シーズン4では、混沌と恐怖で人々を支配しようとする「裏側の世界」のヴェクナの計画を阻止するべく、ホーキンスの仲間たちがグループに分かれて決死の作戦を決行。最終的にヴェクナに一矢報いたものの、完全には倒せず「裏側の世界」の浸食が加速してしまう…という衝撃の展開で幕を閉じた。

本シーズンでは、最強の敵・ヴェクナが“裏側の世界”から襲来。最大の脅威を前に、ホーキンスの仲間たちが力を合わせて、ヴェクナ討伐作戦に挑んでいく。