中村倫也、板垣李光人の“内面”に興味津々「今後が楽しみ。なんか面白い役を見てみたい」
2025年11月19日 22:00

戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した戦争漫画をアニメーション映画化した「ペリリュー 楽園のゲルニカ」東京プレミアが11月19日にユナイテッド・シネマ 豊洲で行われ、声優を務めた板垣李光人、中村倫也、そして本作の共同脚本を務めた原作者の武田一義氏も出席した。
太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリュー島を舞台に、死んだ仲間の最期を書き記す「功績係」を務める日本兵・田丸を主人公に、極限状態の中でも懸命に生きた若者たちの姿を描いた本作。満席の観客を前にした板垣は「僕自身、終戦80年という節目にこの作品に携われること、今を生きる人間として、役者としてもすごく光栄なことですし、そして自分がこの原作と出会って、ペリリュー島のこと、その島での戦いのことを知ったように、この映画を通じて、皆さんに知っていただけるんだなと。知るということの連鎖がここから始まっていくんだなと感じると、本当に胸がいっぱいです」と感慨深い様子でコメント。


続いて「素直に嬉しいですね。届けたくて、見てもらいたくて、みんなで作っていました」と笑顔を見せた中村は、「ただ題材が題材だけに、身の引き締まる思いというか、緊張感もあったんですけど、先ほどの上白石さんの歌声(入場時に流れていた上白石萌音の「奇跡のようなこと」)で僕はすっかり解けました。できれば今横になりたいくらいです」と冗談めかし、会場を笑顔で包み込んだ。
もともと田丸役のキャスティング候補として、プロデューサーから板垣の名前が挙がっていたといい、「板垣さんのお名前と顔は存じあげていたんですが、声が一瞬思い浮かばなくて。自宅に帰ってからYouTubeを見たんです」と振り返った武田氏。そこで見つけたのは板垣の「ナイトルーティン」動画だったということが明かされ、会場は大笑い。
田丸という役が、まじめに話していても、どこかちょっとホワンとしたような、癒し系の役柄ということで「その中の板垣さんが、本当に田丸っぽいなと思ったんです。すぐにプロデューサーに連絡して『お願いします! ぜひお願いします!』みたいなテンションで言ってしまいました」と明かし、会場の笑いを誘った。

一方、中村が演じた吉敷について武田氏は「元々の声がかっこいい方なら、どなたがやってもその方なりの吉敷になるだろうと思っていたんです」と前置きしつつも、「中村さんの吉敷は、僕が思っていた吉敷とは違っていてすごく良かった。勇敢な兵士というだけでなく、彼のバックボーンにある吉敷家の頼れるお兄ちゃん、田舎を出たことがない純朴な好青年という部分を、中村さんの声はすごく表現してくださって。戦場にいるかっこよくて勇敢な吉敷という青年とは別の側面があるということを、きちんと感じさせてくれた」とキャラクターに深みを与えた演技を称賛した。
普段は人見知りだという板垣だが、中村に対しては「小学生の時によく遊んでくれてた兄ちゃんに久しぶりに会った、みたいな感覚にさせてくれたんです」と切り出すと、「人見知りさせる暇もなく、一瞬で横にいるみたいな。気づいたら横にいらっしゃいました。田丸と吉敷として深い絆を築き上げていかないといけない中で、その壁のなさはすごくありがたかったです」と感謝の思いを述べた。


一方の板垣について、中村は「会う前から可愛い子だなとずっと思っていたんですが、やっぱりそうで。でも取材とかも経ていくうちに、ちゃんと一癖あるところもあって。いいなと思ってます」とニヤリ。「文章とか書いてほしい。それを読んで『やっぱ君もそうかい』と言いたい」と付け加えるなど、板垣の内面に興味津々の様子。そんなふたりの会話を聞いた武田氏から、板垣が江戸川乱歩の短編を愛読していることを知らされると、「だからか」と納得したようにうなずいた中村。「だから今後が楽しみなんです。年上だから偉そうに言わせてもらいますけど。なんか面白い役を見てみたい。声優で、2人役のやつとか見てみたいですね」と会場の関係者に向けてアピールするひと幕もあった。
そして最後に板垣は「少し怖い、目を背けたくなるという思いがあるかもしれませんが、僕はぜひとも、それを大切にしていただきたいんです」と会場に語りかけると、「この作品で描かれる歴史や惨状を“正しく恐れる”という感覚をぜひ大切にしてほしい。そして、この映画が皆さんの“知ること”のきっかけとなって、その“知ること”の連鎖に協力いただけたら嬉しいです」と平和への願いを訴えかけた。
「ペリリュー 楽園のゲルニカ」は12月5日全国公開。
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