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板垣李光人、大学生に「毎日を大切に思えるきっかけになってほしい」と訴え【「ペリリュー 楽園のゲルニカ」試写会】

2025年11月18日 19:00

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ティーチインに登壇した板垣李光人と原作者・共同脚本の武田一義(写真右より)
ティーチインに登壇した板垣李光人と原作者・共同脚本の武田一義(写真右より)

戦争漫画の新たなる金字塔を劇場版アニメーションとして映画化する「ペリリュー 楽園のゲルニカ」のティーチイン付き試写会が、11月16日に茨城大学水戸キャンパスで行われ、主演の板垣李光人と原作者・共同脚本の武田一義が登壇。大学生たちと戦争について語り合った。

本作は太平洋戦争で、すでに日本の戦局が悪化していた昭和19年9月15日からはじまった「ペリリュー島の戦い」と、終戦を知らず2年間潜伏し最後まで生き残った34人の兵士たちを描いたアニメ作品。原作は、白泉社ヤングアニマル誌で連載され、かわいらしいタッチでありながら戦争が日常であるという狂気を圧倒的なリアリティで描き、第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した武田一義による漫画「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」(全11巻/外伝全4巻)。

原作書影
原作書影
(C)武田一義/白泉社

南国の美しい島で相次ぐ戦闘、飢えや渇き、伝染病――。家族や故郷を思いながら、若き兵士が次々と命を落としていく。そんな壮絶な世界を、心優しい漫画家志望の主人公・田丸均(たまる ひとし)と田丸とその相棒・吉敷佳助(よしき けいすけ)は懸命に生き抜こうとした。自決も許されない持久戦、生き残ったのは1万人中僅か34人だった地獄のような戦場、ペリリュー島で若者たちは何を思い、生きたのか。田丸の声を板垣李光人、吉敷の声を中村倫也が演じる。

試写会の会場となった茨城大学水戸キャンパスは、多くの若者を戦地に輩出した水戸歩兵二連隊の跡地。イベントには、茨城大学の学生のほか、近隣の中学校や高校の学生など約400人が来場。上映前に茨城大学で水戸歩兵第二連隊や、大学周辺の戦跡について研究している、茨城歴史探求チームの学生3グループ6人が登壇し、研究発表を行った。

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上映終了後、盛大な拍手で迎えられた板垣は「この大学はまさしく本作と縁の深い場所ということで、そんな場所で上映後にお話しさせていただけることを嬉しく思います」と笑顔を見せたが、「我々の世代は戦争経験者からお話を伺う機会も少なくなって、学校によっても戦争教育にばらつきがあると感じます。戦争が教科書の中のもの、物語などのフィクションとして捉えている部分がどうしてもあります」と素直に語り、「でも知ることから広がるものは大きいと思います。今日映画を観て初めてペリリュー島の出来事を知った方もいると思いますが、そこからどんどん自分の中の考え方を深めていただけたら嬉しいです」と来場者にメッセージを送った。

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また、武田の原作については「可愛らしい絵柄と内容の凄惨さと生々しい戦争の歴史。表情もデフォルメされていて、だからこそこちら側に想像の余地が生まれる。心情や置かれている状況で田丸均が何を考えているのか、想像ができる。読みやすいけれど現実を突きつけられる。そのギャップが魅力的だと思いました」と、その魅力を分析した。

板垣はアフレコ収録に入る前、実際にペリリュー島を訪問したというが、「劇中でも『楽園のような場所』というセリフがありますが、実際に海は青くて緑も綺麗です。でも一歩足を踏み入れると兵士の方がいた洞窟があったり、戦車も当時のまま錆びた状態で山道に現れたり」と島の情景を回想しながら「映像芝居と違ってマイクとモニターに向かってイマジネーションを働かせないといけないけれど、島の風土、気温、風、全てを感じる事でイメージを補う事が出来ました。実際に戦闘があった島に行く事で、田丸均を演じる事の重さを感じました」と、貴重な経験を振り返った。

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原作とともに共同脚本を務めた武田は、全11巻+外伝4巻という膨大な情報量の原作を映画にまとめる際に大切にしたことを問われ「どうしても2時間の映画という性質上カットしてしまう場面が出てきます。それでも大切にしたかったのは、なるべく登場人物を削りたくないということです。それぞれ異なる人たちがその戦争の場にいたんだということを描きたかった」と、本作のこだわりを明かした。

また、戦争をテーマにした本作に、どんな気持ちで臨んだか問われた板垣は、「現地(ペリリュー島)に行って亡くなった兵士や戦った兵士に対して想いを馳せるところから始めました。アフレコ収録中もその思いみたいなものは絶対に絶やさずに、作品と向き合っていたいと思いました。そして戦争経験者が後世に残そうとしてきたものをいかに正しく伝聞していくか。そこも大事にしながら今もプロモーション活動を行っています」と真摯に回答。これに板垣のアフレコ収録を見学したという武田が応じ、「変に作り込まず素の自分で、自分がその場にいたら?という素直な演技をしてくれた。それが本作の説得力になったと思います」と板垣を称賛した。

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最後は板垣が「発表を拝見して、また新たに知ることがありました。世代関係なく人としてお互いが人として知り合っていくことの大切さを改めて感じることができました。そして今から家に帰って“ただいま”と言える日々を大切に思う、この映画が幸せに生きていることが出来ている今を大切に思う一つのきっかけになってくれたら嬉しいです」と来場者に語り掛け、イベントを締めくくった。

ペリリュー 楽園のゲルニカ」は、12月5日から全国公開。

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