「テミスの不確かな法廷」松山ケンイチ主演でドラマ化 発達障害を抱えた裁判官が、⾃らの特性と格闘しながら難解な事件に挑む
2025年11月6日 07:00

松山ケンイチが、2026年1月6日からスタートするNHKドラマ10「テミスの不確かな法廷」(毎週火曜午後10時/全8回)に主演することがわかった。原作は、直島翔氏のリーガルミステリー。発達障害抱えた裁判官が、⾃らの特性と格闘しながら難解な事件に挑む。
任官7年目の裁判官・安堂清春(松山)。東京から前橋地方裁判所第一支部へと異動してきた彼は、一見、穏やかな裁判官に見える。だが、その内側には絶対に打ち明けられない秘密があった。
幼い頃、衝動性や落ち着きのなさから ASD(自閉スペクトラム症)と ADHD(注意欠如多動症)と診断された安堂。以来、自らの特性を隠し、“普通”を装って生きてきた。それでも、ふとした言動が前橋地裁第一支部の面々を戸惑わせ、法廷内外で混乱を巻き起こしてしまう。
そんな安堂の元に、複雑な人間模様が絡み合う難解な事件が舞い込んでくる。市長を襲った青年。親友をこん睡状態に追い込んだ高校生。そして「父は法律に殺された」と訴える娘。やがて、安堂の特性からくる“こだわり”が、誰も気づかなかった事件の矛盾をあぶり出す。それと同時に、安堂は自身の衝動とも格闘しながら公判に挑まなければならない。
連続テレビ小説「虎に翼」では厳しさと温かさを併せ持つ最高裁長官・桂場、ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」では癖のある弁護士・松風を演じた松山が、本作では⾃らの特性とも格闘する安堂を演じ、主演を務める。
脚本は「イチケイのカラス」シリーズ、 「ブルーモーメント」「絶対零度」シリーズなどで知られる浜田秀哉。チーフ演出はドラマ10「宙わたる教室」で定時制高校の生徒たちの心の機微を丁寧に描き出した吉川久岳が務める。
松山、原作・直島氏のコメントは以下の通り。
主人公の安堂は普段何気ない事柄からもとても繊細に沢山の情報を捉えて吸収している一方で、コミュニケーションのテンプレートに対応するのが困難だったりと、とても特徴的なキャラクター だと思いました。本作品は、このような人間が周りにどんな影響を与えていくのかをとても温かく優しい目線で描かれているように感じました。
安堂は自分の特性を活かせる仕事として裁判官を選択しましたがそれは自分の一部分の特性で、他の部分はまだまだ未知数です。その未知数な部分が様々な人々との関わりでどう変化していくのか、それとも変化しないのか楽しみです。
台本を読み進めていくと、特性の部分で違いは沢山あるけれど感性を持った人間として僕と安堂は何が違うんだろうと考えるようになりました。凸凹は誰しもがあるけれど、その裏には様々な心の傷があるように思います。その傷がどれだけ大きかったのか、安堂の鋭いきめ細かな感性にこの番組に関わる全ての人たちと一緒に寄り添っていくことで人間について新たな発見や気付きがある 作品にできればと思います。
人には不可思議な面があります。例えば大谷翔平選手はトマトが苦手です。裁判官・安堂清春は理解されがたい特性を数多く持っています。極度の偏食に毎日の忘れ物、落ち着きがなく、人の気持ちが分からない……それでも社会にまざって懸命に生きようとします。彼の名は「青春」にさんずいをふって清春としました。周囲との違いから涙に濡れる異能の裁判官を松山さんが演じると聞いて、とても安心しました。優れた脚本と演出のもと新たに誕生する清春を心待ちにしています。