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【第38回東京国際映画祭】最優秀女優賞受賞の福地桃子&河瀨直美が会見 河瀨「樹木希林さんに捧げる」で会場沸かせる

2025年11月6日 06:30

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最優秀女優賞に輝いた福地桃子と河瀨直美
最優秀女優賞に輝いた福地桃子と河瀨直美
(C)2025 TIFF

11月5日に閉幕となった第38回東京国際映画祭のクロージングセレモニー終了後、東京ミッドタウン日比谷のLEXUS MEETS...では各部門の受賞者が出席する受賞者記者会見が行われた。

受賞者記者会見に先駆けて、コンペティション国際審査員による記者会見を実施。審査委員長を務めるジャーナリスト、作家、プログラマーのカルロ・シャトリアンは「今回の審査員のメンバーの背景はそれぞれ異なるわけですが、とても嬉しいことに、審査員としていろいろなことを決めていく際にも、その決定のすべてを共有することができた。一体感を持って仕事を全うすることができました」と満足げな表情。

画像2(C)2025 TIFF

続いて監督、プロデューサーのヴィヴィアン・チュウが「今回、選出された作品は非常に多岐にわたっており、今日の映画製作がどれほど多様であるかということも見ることができましたし、とても素晴らしいワクワクする体験となりました。残念なことに、賞を与えることができるのはほんの一部だけなんですが、とても素晴らしい体験でした」と続けると、編集者のマチュー・ラクローも「皆さんの意見はまったく同意見なんですが、今回このような場にお招きいただき、そしてこのように多くの作品を見ることができたことはとても特別なものに感じておりますし、そしてまたこの素晴らしい方々と共に映画を鑑賞し、会話を交わすことができたことは、大変うれしく思います」と語った。

さらに俳優のイ・ルンメイも「審査委員長のカルロさんのリーダーシップのもと、皆さんと映画について色々な議論を重ねて、私自身も映画に対する理解を深めることができました。このような機会をとても大切にしていて、私にとっても本当に良い経験となりました」と充実感をにじませると、俳優・監督の齊藤工も「この4名の方たちと映画の海を泳ぐ10日間となり、本当に夢のようでした。映画祭の方たちからも、こんなにも仲の良い、とても波長が合う5人になったというような評価を受けました。同時に皆さん、自分が映画から何を感じたかということを素直に主張してくれて、さらに調和を持ってくれている素晴らしい審査員の一員に混ぜていただけたなと思います」と晴れやかな顔を見せた。

そしてその後は各部門受賞者による記者会見を実施。最初のブロックはグランプリ&審査委員特別賞&最優秀芸術貢献賞の記者会見を実施。

画像3(C)2025 TIFF

東京グランプリ/東京都知事賞を受賞した「パレスチナ36」からは出演者のワーディ・エイラブーニが出席。監督からは「他の人になりきろうとするのではなく、あなた自身のままでいていい。あなたがこの状況にあるならどう感じるのか。そのシチュエーションを感じながら、想像しながら演じてみなさい」と言われたそうで、「自分の心が感じるままに演じさせていただきました」と述懐。「映画が公開された暁には、皆さんハッピーな気分になってほしいと思っています。ご覧いただいた通り、非常に見ていて痛ましい、辛い映画ではあるんですけれども、その終盤はハッピーエンドだとわたしは思っていますので、そのように感じ取っていただけたら」とメッセージを送った。

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そして最優秀女優賞を獲得したのは、「恒星の向こう側」の福地桃子河瀨直美。まずは福地が「これからどんな俳優になるのか、自分がどんな風に年を重ねていくのか分からない中で、日々の出会いで感じているものを、その瞬間でしか受け取れないものが映像に映っていく。その感覚を大事に、これからもやっていきたいなと思えた作品です」とその思いを語る。河瀬も「俳優として、今後もやっていく色気ムンムンです」と冗談めかしながらも、「受賞式の時にも言いましたが、わたしが俳優としてこの映画祭に参加するということも、そしてもちろん受賞するというのももちろん初めてのことで。ただこういう可能性もあるんだなと。なぜならずっと監督であり続けると同時に、映画という現場では俳優というのも可能性としてやれるものがあるんだなと」とコメント。さらに「東京国際映画祭は、わたしを調子に乗らせてしまったなというくらい、驚いたと同時に、懐の深い映画祭だなと思いました。樹木希林さんに捧げたいと思います」と付け加え、会場を沸かせた。

またアジアの未来作品賞に輝いた「光輪」のノ・ヨンワン監督は、同作の着想のきっかけについて「宅配ドライバーという仕事は、韓国社会において多くの人と人を繋いでくれる役割という存在です。つまり私たちの生活を便利にしてくれる仕事であるにも関わらず、私たちは普段その仕事に対してあまり意識はしていません。見えないところで、私たちの生活を支えてくれているという、その仕事そのものに惹かれたというのがまず一つの理由。そして韓国の映画界の状況は非常に厳しいものがあります。コロナ禍がきっかけで失業することになってしまったんです。ですからある種の自叙伝的な物語でもあるといえます。そしてわたしが社会を見つめる視点を映画に込めたいという思いもありました。社会から疎外された人たち、疎外されざるを得ない人にとって少しでも癒しになってくれればという思いを込めました」。

画像6(C)2025 TIFF

さらに観客賞を受賞した「金髪」の坂下雄一郎監督には、「校則」という日本的な文化が、海外の観客にどう映ったのか、という質問が。「自分は主に日本国内で映画をつくっているので、この映画祭で上映していただけることになり、確かに自分もこの日本独特な校則というルールを描いた作品を、受け入れてもらえるのかなとは思ったんですが、一応こういった賞をいただけたので、少しは伝わるものがあったのかなと思っています」と語った。

そして最後のブロックは最優秀監督賞、最優秀男優賞の受賞者が来場。最優秀監督賞を受賞した「春の木」のチャン・リュル監督は、客席が笑いに包まれていた本作について「笑いは国境を越える?」という質問が。それにはチャン監督も「言葉が登場する前に、笑いというものがすでにあったと思います。だから人間の身体の動き、アクションに対して、言葉が追いつかないんじゃないかと思うんです。言葉というのはコミュニケーションに有用なツールではありますが、言葉によって誤解が生まれたり、コミュニケーションがうまくいかないということもあると思うんです。ですから映画人としては、いわゆる言葉とコミュニケーション関係、あるいは人間と体との関係について、どのように表現するのか、常に努力が求められると思います」と返答した。

画像7(C)2025 TIFF

同じく「春の木」で最優秀男優賞を獲得したワン・チュアンジュンは「わたしは中国の上海出身なんですが、上海語の方言の中でよく使われている言葉があるんです。それは『他人から光を借りる』ということ、実際、わたしはこの映画の中で特別な演技をしたわけではなく共演した女優さんや監督、そしてスタッフの皆さんら、まわりのすべてから、いろんな光を借りながらこの役をつくり上げたわけなんです。だから結局、何もしていないんです」と語った。

そしてもうひとり、最優秀監督賞に輝いた「裏か表か?」のアレックス・C・ローも来場。同作の共同監督を務めたアレッシオ・リゴ・デ・リーギマッテオ・ゾッピスについて「二人はとてもキャラクターが違うというか、対象的な人たち。マッテオは非常に直感でパッと動く人。アレシオはその反対なんですが、そうしたふたりのクリエイティブのセンスを混ぜ合わせるとすごくうまくいくんです。ご覧いただいた通り、彼らはイタリアの民話がすごく大好きなんです。そのイタリアの民話を、どうやって新しい物語にしていくのかということが、今回の映画の挑戦だったわけです」と明かした。


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