野本梢監督「藍反射」が第38回TIFFウィメンズ・エンパワーメント部門に公式出品
2025年10月2日 19:30

気象キャスターの千種ゆり子が企画・プロデュース、「愛のくだらない」の野本梢が脚本・監督・編集を務めた長編映画「藍反射」が、第38回東京国際映画祭「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に公式出品作品として正式招待された。これにあわせメインビジュアルやストーリーなどが解禁。各界著名人からコメントも寄せられている。
26歳で難治性不妊症と診断された千種が、「同じように人知れず悩む人の背中を押したい」という強い思いのもと企画した本作。脚本・監督に第14回田辺・弁慶映画祭で「愛のくだらない」が弁慶グランプリと映画.com賞をダブル受賞した野本、エグゼクティブプロデューサーに稲村久美子を迎え、「わたしかもしれない(仮)」という仮タイトルで製作を続け、先日正式タイトル「藍反射」(らんはんしゃ)を公表したところだった。
本作が焦点を当てるのは、「不妊治療=40歳前後の夫婦」という一般的なイメージにおける若年層の現実。20代の未婚女性が突然の診断に直面し、身体の悩みを誰にも相談できないまま、周囲との関係に悩み、自分を見つめ直していく姿を描く。これまで20代の未婚女性の不妊治療に焦点を当てた映画は数少ない。

「女性なのに男性ホルモンが多い」――そう診断を受け、次第に理想のひとつだった“母になること”に固執し始める主人公・はるかを、主演作「溶ける」が第70回カンヌ国際映画祭シネファンダシオンに正式出品された道田里羽が演じる。また、身体の変化を感じながらも恋人に依存し“母になること”を望む中学生・優佳里を演じるのは、100人以上のオーディションを経て、「ジオラマボーイ・ジオラマガール」などに出演する新人・滝澤エリカ。

元乃木坂46でタレントの山崎怜奈、スポーツキャスターの陣内貴美子、映画評論家の松崎健夫から期待のコメントが寄せられ、「静かな強さを持った作品」「自分の心と体に向き合うきっかけを静かに教えてくれる」など、本作が持つ普遍的なメッセージへの共感の声が集まっている。本作は「あなたのすぐ隣で起きているかもしれない」、そして「もしかしたら“わたしかもしれない”」、そんなとても身近な物語。
「ウィメンズ・エンパワーメント部門」は、女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする作品に焦点を当てた、去年から新設された部門。映画祭開催中に角川シネマ有楽町(11/2、16:50~)、丸の内ピカデリー(11/4、12:45~)にて本作が世界初上映される。
誰にも言えずに抱える身体や心の不安、そのひとつひとつにそっと寄り添いながら、誰もが決して他人事とは思えない温度感で繊細に描こうとしている。そんなやさしさと静かな強さを持った作品でした。自分自身や大切な人の身体を大切にするとはどういうことか、向き合うきっかけになってほしいと思いました。
私自身も不妊治療を経験し、子どもを授かることは叶いませんでした。だからこそ、はるかの葛藤や戸惑いに深く共感しました。決して他人事ではない。自分の心と体に向き合う時間の大切さや誰かを思いやるきっかけを静かに教えてくれる作品でした。
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