誰にも言えない病癖、階下の夫婦を覗く主人公 江戸川乱歩の小説原案「白昼夢」予告、ポスター、場面写真公開
2025年9月15日 20:00

江戸川乱歩没後60周年記念作品「RAMPO WORLD」と題して乱歩の作品を原案に設定を現代に変え、オリジナル解釈を加えた3作品が10月公開される。10月31日から公開される「白昼夢」の予告編、ポスター、場面写真が披露された。
「RAMPO WORLD」は、「3つのグノシエンヌ」(10月3日公開)、「蟲」(10月17日公開)、「白昼夢」(10月31日公開)で展開され、「白昼夢」の原案となったのは、主人公の男が妻を殺し、その遺体を蝋人形として飾ったと告白する、夢と現実の境界が揺らぐ物語「白昼夢」(1925年「新青年」掲載)、そして湖畔の旅館の大浴場に“のぞき装置”を仕掛けた主人公が、そこで起きた殺人事件の一部始終を目撃するも、死体が忽然と姿を消すという謎を描いた「湖畔亭事件」(1926年「サンデー毎日」連載)。この二作に脚色を加え、山城達郎監督が一つの作品として現代に新たに蘇らせた。
塾講師の渡会(見津賢)には、誰にも言えないある病癖があった。それは、人前で決して見せることのない顔を覗き見た時、この上ない快感を得るというものだった。そんな渡会が住むマンションの階下に、真柄夫妻が越して来たのは今年の春のことだった。渡会は、夫妻が済む部屋に覗き穴を作り、その生活を覗き見るのが日課となっていた。妻の華恵は大学の准教授となり出世する一方で、夫の太郎は非常勤講師として働いているようだが、夫婦仲は悪くないようだった。しかしある日、渡会がいつものように階下の様子を覗き見る中で、華恵の知らなかった太郎の秘密が明らかになる。
予告編は、カチカチとピントを合わせるような機械音が響く中、ある病癖を持つ渡会が階下の真柄夫妻の日常を覗き見するシーンから始まる。華恵と太郎の穏やかな日常が続くかと思いきや、渡会は太郎のある秘密を知ってしまう…そして、渡会と華恵の関係が静かに動き出す。これは、白昼の悪夢か。それとも、現実か――。見たことのないような、夢と現実が交錯する甘美な世界観が垣間見える。
「RAMPO WORLD」/「3つのグノシエンヌ」(10月3日公開)、「蟲」(10月17日公開)、「白昼夢」(10月31日公開)はシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか順次公開。
■見津賢
本作で主演を務めました見津賢です。
はじめて脚本を読ませていただいた時に、面白い題材で、観る人はどんな印象を抱くんだろうかと予想ができない危うさみたいなものを感じました。そこから主人公や作品について山城監督達と話し合いながらブラッシュアップをしていきました。実際に撮影を終えてもはっきりとした答えは出ないままでした。でもそれが乱歩の世界観に近いのかと気付かされたのです。乱歩二作品の題材を織り交ぜ現代に落とし込んだこの「白昼夢」で起こる化学反応のような何かを、観た皆さんがどう感じるのか、まるで非現実なることが起こる夢の中にいる感覚を味わっていただけるのではないでしょうか。
「あれは白昼の悪夢だったのか、それとも現実の出来事だったのか。」
江戸川乱歩の「白昼夢」は、この印象的な一文から始まります。わずか数ページの“掌握小説”でありながら、乱歩独特の妖しさと不穏さが凝縮された作品です。今回、映画化するにあたり、「白昼夢」の世界観に、長編小説「湖畔亭事件」の“覗くことに執着する男”という人物を組み合わせ、主人公の内面に深く踏み込みながら、現代を舞台に再構築しました。
乱歩が描いた人間の“性(さが)”は、100 年経った今もなお強烈で、鋭く私たちの心に刺さります。見津賢さん、上脇結友さん、宮田佳典さんという魅力的な俳優陣と共に、“覗く男”と“覗かれる夫婦”という特殊な関係性の人物たちを丁寧に掘り下げていきました。
その先にある真実は果たして――「白昼の悪夢か、現実か」 ぜひ劇場でお確かめください。
(C)2025「白昼夢」パートナーズ
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