竹野内豊、戦争体験者の言葉を受け「後世に伝えていく事が義務」と決意 映画「雪風」大ヒット御礼舞台挨拶に登壇
2025年8月28日 14:30

映画「雪風 YUKIKAZE」(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が、8月27日に東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、主演を務めた竹野内豊、奥平大兼、田中麗奈が登壇した。
80年前、数々の激戦を最前線で戦い抜いた駆逐艦「雪風」は、僚艦が大破炎上していく中、絶えず不死身ともいえる戦いぶりを見せ、いつしか“幸運艦”と呼ばれるようになる。主力である甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」ただ一艦のみだった。本作は、その勇姿を史実に基づいたフィクションとして描く。「雪風」艦長・寺澤一利役を竹野内が演じ、先任伍長・早瀬幸平役で玉木宏、若き水雷員・井上役で奥平が共演した。
©2025 Yukikaze Partners.竹野内は「皆さんに伝えたいことがこの映画にたくさんあります」と切り出し、「一つだけ申し上げたいことは、80年という節目に『雪風』を描いた作品が世に送り出されること、そして戦争を伝える人が徐々にいなくなっている中でかつてこういう事実があったと伝える事は大きな意味があったのではないかと思います」と挨拶。
奥平は「映画が公開して少し時間が経ちまして友人や年代が上の方から映画見たよと言っていただくことが多くて、すごく嬉しいなと思っております」と周囲からの反響を語った。
竹野内扮する寺澤艦長の妻を演じた田中は、「出演したシーン数はあまり多くないのですが、今回地方のキャンペーンなどで直接映画の反応を感じることができたので幸せなことだと思います。全国の皆様から映画を観た感想が私の方にも届いておりまして、これからも皆様に広げていければいいなと思っております」と感謝を述べた。
竹野内は、「この映画を観て“助け舟”という言葉の真の意味を感じまして。本当の意味での“助け舟”をたくさんの方が求めている時代にこの作品を作れて良かったなと思います」と万感の表情。
©2025 Yukikaze Partners.田中は「私は福岡県出身で、キャンペーンでも福岡に行かせていただいたのですが、福岡の親戚からお客さんたくさん入っていたよとか、小学生が真剣に観ていたよと教えもらってそれがすごく嬉しかったですね。小学生から観られる戦争映画って中々ないと思いますので、制作の想いが伝わったんだな」と喜んだ。
イベントでは、10代のときに駆逐艦「初霜」に電信員として乗艦していた経験を持つ故・今井桂さんのコメント映像も上映された。今井さんは「大和」の沖縄特攻(坊ノ岬海戦)に出撃し、激戦を潜り抜けて佐世保に帰還。その後は宮崎の陸戦隊で終戦を迎えた。
竹野内は、「今井さんの“壮絶な戦いであの時は何が何だかわからなかった”というお話を聞いて思い出したのですが、前に別の戦争映画をやった時に戦争を体験された方にお話をうかがったことがあって、“戦争というのは敵の弾で命を失うと思うだろ。違うんだよ。みんな怖いから一斉に撃ち始める。味方の弾でも死んでしまうこともあった。それが戦争の恐ろしさだ”と教えていただいた」と打ち明けた。そして、「戦争を体験した人じゃないとその壮絶さは分からないと思いますし、二度と繰り返してはいけないなと思います。そのためにこの映画をご覧いただけたらいいなと思います」と戦争に対する想いを明かした。
©2025 Yukikaze Partners.奥平は、「今年22歳で初めて戦争映画に携わらせていただきましたが、また戦争を題材にした作品に携わる機会があるかもしれないので、この『雪風 YUKIKAZE』から学んだ事、受け継いだ気持ちを年を重ねても無くさずに残していきたいと強く思いました」と決意を表明。
田中も、「ご自身の辛かった事を思い出すことは身を削る想いだったかと思います。今井さんの想いに感謝しております。このメッセージを受け取ったからには次の世代に伝えていく義務があるんだなと改めて感じました」と、戦争体験者である今井さんから託された思いを受け止めた。
最後に竹野内は、「私たちは今井さんのように実体験された方のお話を聞くことができなくなっています。時と共に戦争という現実味が薄れてきてしまっていると思います。私たちがバトンを受け取って、私たちが後世に伝えていくことが義務ではないのかなと思います」と真摯に語った。
映画「雪風 YUKIKAZE」は全国公開中。今井氏のコメント全文は以下の通り。
その迫力と偉大さに頭の中が真っ白になるほどの感激を致しました。
これを製作した方々に心から御礼を申し上げます。
密閉された部屋の中ですから外の一般の空気は全く分かりません。
ただ居住区から通信室に通う階段の内には
救助した中にはっきりと戦死したというのか負傷したのか、
そこの判別は私には分かりませんが、
通路にいくつかの死体といいますか人が横たわっているような状態は見ました。
大変激烈な戦闘でしたので、私自身も転倒して
何が何だか判断に苦しむような状態が続きました。
もう二度とこのような戦争は起こしたくはないと思います。
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