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ハンガリーを代表する映画監督メーサーロシュ・マールタの特集第2章が開催 日本劇場初公開作品を上映

2025年8月7日 11:00

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「日記 子供たちへ」
「日記 子供たちへ」
(c) National Film Institute Hungary - Film Archive

ハンガリーを代表する映画監督のメーサーロシュ・マールタ。そのデビュー作から代表連作まで、新たにレストアされた7作品を日本で劇場初公開する「メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章」が、11月14日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショーが決定。本予告(https://youtu.be/JptRCgdGnbk)と本ポスタービジュアルが披露された。

アダプション ある母と娘の記録」(75)で女性監督として初めてベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞し、アニエス・バルダアンナ・カリーナイザベル・ユペールら錚々たる映画人から支持されるメーサーロシュ・マールタ。2023年に開催され好評を博した第一弾特集上映に続き、日本で劇場初公開となる作品を新たにレストア/HDデジタルリマスターした珠玉の作品群が一挙上映される。

今回のラインナップは、マールタ監督自身の初期~中期作品を中心にした7作品。冷戦下の恐怖政治を生き抜いたメーサーロシュ自身の記憶が刻まれたパーソナルな一大叙事詩「日記」三部作や、孤児として育った女性が両親を追い求めるデビュー作「エルジ」、中年の危機に瀕した未亡人の息苦しさをシスターフッド的に描破した「月が沈むとき」、階級格差が男女の結び付きを蝕む「リダンス」など彼女の作家性が際立つ初期作品のほか、アンナ・カリーナが出演し、血の繋がらない男と少女の、親子のような親密さにカメラが向けられた中期の傑作「ジャスト・ライク・アット・ホーム」など、メーサーロシュの目を通して“家族”の形、有様が問い直される。

本予告は、今回の上映作品の見どころを切り取ったもの。マールタ監督の代表作「日記」三部作では監督自身の分身とも言える女性ユリの“叫び“を、「エルジ」では両親に捨てられた少女エルジが母親と対峙する様子を、「月が沈むとき」では、夫の死後、自分の所在なさに苦しんでいた未亡人が“父親そっくり“な息子にまた苦しめられながらも諦めずに向き合う姿を、「リダンス」では、工場勤務の身分を隠して結婚しようとする女性が恋人の母親から詰め寄られるシーンを、「ジャスト・ライク・アット・ホーム」では、アンナがおかしな三角関係に巻き込まれる様子など、自身も激動の人生を生き抜いたメーサーロシュの揺るぎない作家性が際立つ映像となっている。

本ポスタービジュアルは、「日記 愛する人たちへ」からモスクワへ旅立つユリの姿と、「ジャスト・ライク・アット・ホーム」からアンナ・カリーナの姿を捉えている。

本ポスタービジュアル
本ポスタービジュアル
(c) National Film Institute Hungary - Film Archive

上映作品の概要は以下のとおり。上映スケジュールは、決定次第公式サイト(https://meszarosmarta-feature.com/)で発表される。


■「エルジ
画像3(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
児童養護施設で育ったエルジは、24年ぶりに小村で暮らす実の母を訪ねる。再婚していた母は、娘の来訪に戸惑い、彼女を姪と偽って新しい家族に引き合わせた。家族関係の修復も曖昧なまま街へ戻ったエルジは、行きずりの男と交際しながら、鬱々と日々を過ごす。ある日、素性の知れぬ中年男性がエルジの前に現れ、「君の両親は死んだ」と告げる。長編デビュー作であり、のちに繰り返し描かれる“養子”をテーマとした自伝的作品。

画像4(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
政治家の夫に先立たれたエディトは、保険金や邸宅の相続を頑なに拒む。父の名声が汚されることを恐れた息子は、母エディトを別荘に軟禁した。息子の婚約者も「看守」として手を貸すが、壊れていくエディトを見るうち、結婚という結び付きに違和感を募らせていく。「家」に囚われた女性の苦しみと、彼女に寄り添う女性の交流が描かれたシスターフッド映画。

■「リダンス
画像5(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
工場勤務のユトゥカは、ダンスパーティーで出会った大学生アンドラーシュと恋に落ちる。彼に拒絶されることを恐れたユトゥカは、自分も学生であることを装い、名前も偽る。やがてアンドラーシュはユトゥカの素性を知るが、両親には真実を告げられずにいる。両家合同の食事会。アンドラーシュ家の階級意識が剥き出しになっていく。アニエス・バルダがそのシャワーシーンに強く魅了されたという、労働者階級とインテリの格差を背景に女性の選択を描く静かな力作。撮影はジュゼッペ・トルナトーレ作品で知られるコルタイ・ラヨシュ。

画像6(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
アメリカからハンガリーへ帰国したアンドラーシュ。根無し草状態の彼は、放し飼いにされていた犬に惚れ込み、飼い主の少女から強引に買い取った。わだかまりを残したふたりは、やがて親子とも言い切れぬ親密な関係を育んでいく。アンドラーシュのかつての恋人アンナも、そんなふたりを気に掛けている。彼女はアンドラーシュに、愛を告白するが……。父への献辞で始まる本作は、メーサーロシュにとって非常に個人的な父との物語だといえる。アンナ・カリーナがふたりの関係に揺らぎを与える人物を好演。

1947年、ソ連からハンガリーへ帰国したユリは、共産党員の養母マグダの保護下で育つ。父は秘密警察に捕らわれ、母はこの世を去っていた。恐怖政治が布かれるこの国で、ユリは不安定な生活を強いられる。ある日、ユリはヤーノシュと名乗る男と出会う。彼は父と瓜二つの人物だった。「日記」三部作の第一部。冷戦下の自身の苦難を描き、1984年のカンヌで審査員グランプリを受賞。撮影は義理の息子ヤンチョー・ニカが担当した。

画像7(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
マグダの元を離れたユリは、織物工場で働いている。映画監督を志すユリは、モスクワの大学で映画制作を学ぶことになった。スターリンの死後、ユリは卒業制作として、労働者の実情を捉えたドキュメンタリー映画を完成させたものの、反-社会主義リアリズム的な内容から、再編集を命じられた。そしてユリは父がすでに死去したことを知らされる。「日記」三部作の第二部で1987年のベルリン映画祭で銀熊賞を受賞。モスクワ留学から1956年のハンガリー事件前夜までを描く。ユリが父と瓜二つの男に抱く愛情は複雑になり、ふたりの関係は次第にメロドラマ性を帯び始めていく。

画像8(c) National Film Institute Hungary - Film Archive
1956年10月23日、ブダペストで民衆が蜂起する。モスクワで足止めを食っていたユリは、12月に入りようやくハンガリーへの帰国を許された。ユリはカメラを手に、荒廃した街並みや犠牲者を見つめていく。その年の大晦日、ユリたちは一堂に会する。政治的立場を異にする者たちも、仮装や音楽、ダンスに耽る。しかし反動分子の弾圧はとどまるところを知らず……。「日記」三部作の最終作。1956年のハンガリー事件から民主化運動の挫折までを描き、戦争の余波と闘いの行方を問う。

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