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「劇場版TOKYO MER」シリーズのポテンシャルは?【コラム/細野真宏の試写室日記】

2025年8月2日 07:00

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映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。

また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。

更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)


今週末8月1日(金)から「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」が公開されました。

本作を見て感じたのは、大きく以下の2点でした。

1つ目は、個人的に“フジテレビ映画”的な建て付けを想起したこと。

2つ目は、「医療」×エンターテインメントという組み合わせは、なかなか描き方が難しい、ということ。

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まず、本作のベースには、2021年にTBS系列の日曜劇場で放送された連ドラ「TOKYO MAR 走る緊急救命室」があります。

連ドラの世界ではフジテレビ系列の「月9」枠が有名ですが、今やTBS系の「日曜劇場」枠の方が勢いがある状況です。

ただ、テレビ局の映画製作においては、「踊る大捜査線」シリーズを筆頭に、歴代興行収入ランキングでは「フジテレビ映画」に軍配が上がります。

「TOKYO MAR 走る緊急救命室」はオリジナル作品ですが、タイトルと内容的にはフジテレビのオリジナル作品である「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」と似ています。

また、フジテレビ映画で有名なヒット作に「海猿」シリーズがありますが、まさに「劇場版TOKYO MAR 走る緊急救命室」を見た際に“「コード・ブルー」×「海猿」のような作品”という印象を持ったのです。

加えて、今回の「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」では「踊る大捜査線」のようなテイストも感じられました。

フジテレビ映画が先行しているため、後発の作品では、こういう構図が見え隠れするのは仕方ないのでしょう。

既存作品の良さを上手く取り入れたりして、着実に多くのファンを得ているように思います。

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第1弾の「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」は2023年のゴールデンウィークに公開され、興行収入45.3億円の大ヒットを記録しました。

そこで、今回の第2弾公開に際して、“果たして「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」シリーズのポテンシャルはどのくらいあるのだろうか?”と疑問に思って考察してみました。

まず上限として考えられるのは、「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」の興行収入93億円なのでしょうか。

これは連ドラ自体のコアなファン層に大きく左右される気がするので、体感的には、ここまではハードルが高いのかもしれません。

次にベースとしてあり得るのが「海猿」シリーズと同等のポテンシャルという仮説。

海猿」は、第2弾で興行収入71億円を記録し、第3弾、第4弾で80.4億円、73.3億円を記録していて、ベースで70億円というのがあるのです。

作品の雰囲気としては、この辺りの興収に到達しても不思議には思いません。

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とは言え、これらのフジテレビ映画と「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」シリーズでは、大きな違いがあるように感じています。

それが、冒頭に述べた、2つ目の“「医療」×エンターテインメントというのは、なかなか実現が難しい”ということなのです。

わかりやすく言うと、先ほど挙げたフジテレビ映画の場合にはリアリティーを感じられる作りになっていると私は考えています。

TBS映画でも基本はそうなのでしょうが、本作のように「医療」を題材とする作品では難しさも感じました。

そもそも「コード・ブルー」のように、医者が患者の方に駆けつけるという発想はいいでしょう。

ただ、「MER」のように手術室を搭載した車両で現場に医師とともに移動したとしても、移動する車両で難易度の高いオペをするのはリスクが高すぎて非現実的すぎるのではないでしょうか?

例えば第1弾の序盤のシーンでは、炎上している飛行機から逃げようと、車両を走らせながら難易度の高いオペをしています。ですが、落石で急停車した際、取り返しのつかない状況にならないとおかしいのです(精巧な作業中に不可抗力でドンっと押されたら手元はメチャクチャになります)。

「死者ゼロ」という設定に縛られすぎると、「偶然すぎる」事態が続くのです。このようにフィクションすぎる作りになっている点が良くも悪くも本作の最大の特徴だと感じます。

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第2弾の本作では「火山の噴火」が大きな舞台となっていたりと、直近のライバルとなるのは来週公開の「ジュラシック・ワールド 復活の大地」なのかもしれません。というのも、どちらも広い意味で捉えると“ディザスター系の作品”で、観客層がかぶるように思えるからです。

個人的にリアリティーを感じられたのは“恐竜映画”の方というのは意外でしたが、単純にリアリティー要素が興行収入にどのくらい影響を及ぼすのかは興味深い点です。

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さて、ここからは余談的な考察です。本作と似ている「コード・ブルー」の映画については医療映画のポテンシャルの上限として、ずっと気になっている案件です。

現時点では特に続編が決まったという情報はないようですが、体感的にも、そろそろ動きがあってもいいように考えています(雑談的に「コード・ブルー」のキーパーソンに「やりたいですよね?」と投げかけると、当然ながらそう考えている様子でした)。

遠くないタイミングで実現し、「TOKYO MER」シリーズとともに映画業界を牽引する日を待ちたいと思います。

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