綾野剛主演「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」を楽しむポイントとポテンシャル【コラム/細野真宏の試写室日記】
2025年6月28日 07:00

今週末6月27日(金)から「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」が公開されました。
本作は実話であり、タイトルが示すように、ウソで固められた状況“でっちあげ”から抜け出そうとする男性教師が描かれます。しかも、週刊文春が実名報道を行うなど、世論を大きく動かす状況を生み出していました。
本作では、週刊文春は週刊春報と名前が変えられたりしています。ですが、美術セットが凝っていて、他誌も含め、週刊誌の表紙や中吊りポスターなどを実際のデザインや色に寄せています。
ちなみに今では週刊文春というと圧倒的な存在感がありますが、実は本作で描かれる事件が起こった2003年時点ではそうでもなかったのです。
今のようにダントツ1位の売上を誇っているわけではなく、週刊ポストや週刊現代にも及ばなかった時代でした。
このように週刊誌の状況も、20年の間に大きな変化が起こっているのです。
この辺りの背景や、本作の美術セットのこだわりも含めて見ると、当時を感じやすくなります。

綾野剛が演じる主人公の男性教師は実名報道をされた上に「殺人教師」という大きなレッテルを貼られます。
「殺人教師」というイメージがついてしまっている中、体罰などを受けたという児童と両親が原告となって裁判を起こすのですが、賛同する弁護士が増え500人を超えるような規模の弁護団ができていたのです。
本作は、その弁護団と、弁護士を見つけられていない男性教師が裁判所へ向かうシーンから始まります。
そして、すぐに柴咲コウが演じる被害者の母親が宣誓をして、供述を始めます。
そのため、そこから暫くは“「被害者の母親」から述べられたシーンを映像化している”ということには注意が必要なのです。

次に、終盤における裁判の結果については、少し分かりにくいかもしれません。
これを理解しやすくするには、裁判の設定を理解しておくことが重要になります。
ここではネタバレを防ぐために最小限の解説にとどめますが、実は訴えられているのは、綾野剛が演じる教師だけでなく、それが起こったとされる「市」も訴えられているのです。
裁判のシーンでは、被告の男性教師側の場面しか分からないので、判決で「市」が出てくると唐突感が出てしまうのです。
ただ、映画を注意深く見ていると、冒頭のシーンでは、報道記者が中継で「教師とムカイシを訴えた〜」というように、一応は説明をしているのです。

そこで押さえておきたいのは、この事案が発生した「市」の設定です。
本作では、架空の「向井市」というところで起こったことになっています。つまり「ムカイシ」という言葉を瞬時に「向井市」と変換をすることで、遅延なく物語を楽しむことができるようになるのです。


面白い映画で重要になる「ダイナミックな法廷劇」は、設定に無理が生じる場合が多く、なかなか上手くはいかないのですが、本作の強みは何といっても「実話」ということでしょう。
どのようにして「不可能に思えるほど外堀を埋められた状況」から脱することが可能になるのでしょうか?
この実話ならではの設定の面白さは、なかなか生み出すことが困難なので、それが本作の最大の強みとなります。
口コミが広がれば興行収入10億円を突破できるポテンシャルはありますが、果たしてどのくらいまで口コミが広がっていくのかーー注目したいと思います。
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