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【来日インタビュー】キム・ゴウン×ノ・サンヒョンが語る、“違いを認めること”の大切さ 名ゼリフからもらった特別な力

2025年6月20日 15:00

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人生においてこんな相手に出会えたら最高だ!と思うような特別な絆を体現
人生においてこんな相手に出会えたら最高だ!と思うような特別な絆を体現

韓国で数々の賞を受賞した映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」が、公開中だ。スクリーンに広がるのは、泣き笑いで胸がいっぱいになるようなまぶしいほどの青春劇。一緒にいると自分らしくいられる人。そしてどんな時も、自分らしくいてほしいと願う人――。人生においてこんな相手に出会えたら最高だ!と思うような特別な絆を、話題作への出演が相次ぐキム・ゴウンノ・サンヒョンが伸びやかに体現している。

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映画.comでは、来日を果たしたキム・ゴウンノ・サンヒョンイ・オニ監督にインタビューを敢行。「あんたらしさが、何で弱みなの?」という名ゼリフからもらった力。「違い」を認めることの大切さなど、本作がもたらした宝物のような経験について語り合った。(取材・文/成田おり枝、撮影/間庭裕基


画像3(C)2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

原作は、世界三大文学賞のひとつである国際ブッカー賞や、ダブリン文学賞にノミネートされたパク・サンヨンのベストセラー小説。他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒ(キム・ゴウン)と、ゲイであることを隠し孤独に生きるフンス(ノ・サンヒョン)。正反対のふたりが出会い、同居したことから始まる、“自分らしい生き方”を見つける物語だ。


●これ以上にないハマり役! キム・ゴウンノ・サンヒョンは、運命的なキャスティング
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――全身からエネルギーを放出させるようなジェヒ。瞳にもナイーブさとひたむきさをにじませるフンス。キム・ゴウンさんとノ・サンヒョンさんが、最高のハマり役としてふたりの友情を体現しました。観客が大好きになるようなキャラクターとなりましたが、改めて今回のキャスティングが叶ったお気持ちを聞かせてください。
イ・オニ監督:私は、キャスティングというのは運命だと感じています。映画の準備をしながら、作品を完成させてくれる適任者はどこにいるのだろうと思っていましたが、それは“探す”という道のりではなく、探されるだろう、きっと見つかるはずだと確信していました。映画をご覧になった皆さんはおわかりになるように、ぴったりのキャスティングが叶いました。私もとても満足しています。

最初は屋外でのロケから撮影を始めたんですが、初めてジェヒの家で撮影をした時に、本当にふたりがその家に住んでいるような感覚に陥りました。私たち撮影スタッフは、誰もそこにいないのではないかと感じるくらいでしたね。その瞬間、この映画を撮ってよかったと心から思いました。

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――話題作への出演を重ねているキム・ゴウンさん、ノ・サンヒョンさんですが、本作に惹かれたのはどのような点でしたか。
ノ・サンヒョン:いただいた脚本を読んで、本当に面白いなと思いました。さらに人間の正直な部分をたくさん見ることができて、意味のある作品になるだろうなと。作品ごとに参加したいと思う理由はそれぞれ違ってくるものなので、一概には言えませんが、まずそのストーリーに面白さがあり、自分がその役を演じた時にどのように作品に貢献できるかというアイデアがいろいろと浮かんできた時に、「ぜひこの作品に参加してみたい」という気持ちが湧いてきます。今回は、キム・ゴウンさん、イ・オニ監督と一緒にお仕事ができることも光栄に感じました。
キム・ゴウン:出演作を決める時に、私は理由をひとつに絞らないようにしています。ノ・サンヒョンさんがおっしゃったように、誰と一緒にお仕事をするのかということも、とても大切なことです。その上で、本作はまず脚本がものすごく面白かった! いただいた時に一気に読むというのは難しい状況もありますが、本作の場合、その場に座った状態で身動きもせずにあっという間に読んでしまったんです。こんなに楽しい、面白い作品があるのであれば早く作られてほしいという気持ちが強かったです。
画像6(C)2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
――「トッケビ 君がくれた愛しい日々」や「破墓 パミョ」など、どのようなジャンルであっても、キム・ゴウンさんは作品の中で生き生きと躍動しています。その秘訣は何なのでしょうか。
キム・ゴウン:ありがとうございます。先ほど監督がキャスティングは運命だとおっしゃってくれましたが、俳優にとっても作品に出合えるのは運命だと思っています。その時期、その年齢の自分でこそ、うまく表現できる感情が描かれている作品に出合えることがある。今の自分の気持ちを考えること、そして時期や運が大事なのかなと思います。また私は、できる限り周りの意見に耳を傾けるようにしているんです。事務所の人たちなど私のことを知っている人たちに話を聞いて、モニタリングをしながら、さまざまな視点から作品を見つめることが必要。そうやって、今の自分ができることに出合えたらいいなと思っています。

●「キム・ゴウンさんの魅力を、直接的に実感することができました」
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――原作「大都会の愛し方」から、キャラクターやエピソードもより豊かに膨らんでいます。映画にする上で、どのようなことを大切にしたいと思っていましたか?
イ・オニ監督:短編小説を映画にするにあたって、物語の分量を増やす必要がありました。原作ではフンスから見た景色が描かれていますが、映画ではジェヒとフンスの物語にしたいというこだわりを込めて、ふたりのバランスを合わせようと心がけながら作っていきました。また短編の中ではフンスの気持ちが隠れているような側面もありましたので、観客にもっと彼の気持ちを伝えたいという思いもありました。
画像8(C)2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
――先ほど家の中のシーンでグッときたというお話がありましたが、ジェヒとフンスの取っ組み合いもおふたりの息が合っていて、とても面白いシーンになっていました。撮影をしながらもキム・ゴウンさんとノ・サンヒョンさんの巻き起こす化学反応にワクワクすることも多かったでしょうか。
イ・オニ監督:本当にそう思います。取っ組み合いのシーンは、まず本番前にメイキング用の映像を撮っていたんですね。あまりにも見事な取っ組み合いなので、見ていても本当に面白くて(笑)。おふたりは喧嘩が上手いなと思いました。ふたりの喧嘩を見ながら、こちらはとても幸せな気持ちになっていました。
――髪を引っ張るような激しい喧嘩なのに、なぜか幸せな気持ちになります。
ノ・サンヒョン:あのシーンでは、髪が抜けましたよ……。嘘です(笑)。
キム・ゴウン:あはは!
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――それくらい自分の本音をぶつけられる相手だということが、よくわかるシーンでした。キム・ゴウンさん、ノ・サンヒョンさんは、どのようにジェヒとフンスの関係性を作っていきましたか。お互いから引き出されたと感じることも多かったでしょうか。
ノ・サンヒョン:できるだけその瞬間、瞬間、自分の気持ちに任せて演技をしようと思っていましたが、初めてキム・ゴウンさんと一緒に撮影に臨んだ際に「あ、これはちゃんと息が合うな」という直感がありました。時間が経つにつれてさらに仲良くなり、とても自然な演技ができたように感じています。
――親密な関係性にある役柄として共演をして、キム・ゴウンさんの俳優としての魅力を実感したことはありますか。
ノ・サンヒョン:あまりにもたくさんありすぎて……。時間は大丈夫ですか?
キム・ゴウン:大丈夫よ! 落ち着いて話して(笑)。
ノ・サンヒョン:恥ずかしいです(笑)。皆さんご存知の通り、キム・ゴウンさんはものすごく表現力が豊かです。いろいろな才能にあふれた方で、今回はフンスを通して、そのことを直接的に経験、実感できてとてもうれしかったです。
キム・ゴウン:脚本には、ジェヒとフンスの生々しく、活気に満ちた関係性がすべて書かれていたので、演じる私としては、誰もが羨ましく思うような関係をどう表現するのかに集中していました。またキャスティングが決まってから撮影に入るまで、私たちふたりはできるだけ仲良くなれるような時間を作るようにしていました。現場に入ってから「もっと親しくなろう」と考えることがないよう、そういった時間を省く努力が必要だと感じていました。
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――キム・ゴウンさんも、ノ・サンヒョンさんの俳優としての魅力を実感したことはありますか。
キム・ゴウンノ・サンヒョンさんは、たくさんの魅力の持ち主だとわかりました。初めて共演する場合、どうしても役者同士が距離感や緊張感を味わうこともあるものだと思います。ノ・サンヒョンさんは、人見知りなタイプにも見えましたし、最初は口数もとても少なかったんですが、現場に入ってからはまったく距離を感じることはありませんでした。「こちらから話しかけなきゃ」と気を遣う必要もなく、ジェヒとフンスとしての演技に集中することができた。そのことに、本当に感謝しています。
ノ・サンヒョンさんは今回、商業映画の初主演を務めましたが、そういった時には大きなプレッシャーを感じることもあるはず。そして本人がプレッシャーを感じていると、相手役もプレッシャーを感じてしまったりするものなんですね。でもノ・サンヒョンさんからはいつも、自分の責任を果たそうという気持ちが感じられて、心強いなと思っていました。

●ジェヒとフンスから学んだ、「お互いの違いを認めること」
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――ジェヒとフンスは、アウティングのもたらす痛みや、今の時代にもはびこる女性として生きることの大変さなど、お互いを通して人生の裏側を知っていきます。皆さんがジェヒとフンスの人生を通して考えたこと、学んだことがあれば教えてください。
イ・オニ監督:自分自身、この映画を準備している時にいろいろなことを考えました。一番に感じたのは、「誰もがつらい思いを抱えながら生きている」ということ。人間は「こんなにつらい思いをしているのは私だけなんじゃないか」と思いがちなものですが、誰もがつらい思いを抱えながら、お互いを理解しようとする道のり、そしてお互いのことを理解し合うような関係性から力をもらって、前に進んでいけるのではないか。そんなことを考えながら、本作を作っていました。
ノ・サンヒョン:本作を撮影してからもう2年ぐらいが経ちますが、今でも時々、この作品のことや、撮影の日々を思い出します。「あんたらしさが、何で弱みなの?」というセリフを思い出すことも多く、そういった時には「この映画は、自分にこんなにも影響を及ぼしているんだな」と感じたりもします。弱ってしまった時、考え込んでしまった時に思い出し、自分に大きな力を与えてくれる。私にとって、そんなセリフになりました。ジェヒとフンスの関係はとても尊いもので、私が渇望するものでもあります。そう感じさせてくれるような作品に出会えて、本当にうれしいです。
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キム・ゴウン:本作が伝えたかったのは「違い」であり、 「人はそれぞれ違うんだ」ということについて語っている映画だと思っています。韓国社会が特別なのかはわかりませんが、現代社会においては、お互いの違いについて受け入れられないような状況があるような気がしていて。たとえばそれは性のアイデンティティにも言えることですが、自分とは違う考えを持っていたり、自分とは違う行動をすることについて、毛嫌いするようなところがある。

そういった生きづらさが描かれた本作を通して、「私は、お互いの違いを認められていただろうか」と考えました。振り返ってみると、お互いの違いを認められない瞬間の方が多かったような気がしています。本作に出演した者としても、これから生きていく中で「違いを認めること」について考え続けていきたいと思っています。

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