「ショーン・ベイカー 初期傑作選」7月4日開催、長編デビュー作含む日本初公開4作品を上映
2025年6月13日 18:00

「ANORA アノーラ」(2024)で第77回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、第97回アカデミー賞作品賞含む最多5部門を受賞したショーン・ベイカー監督の初期作を上映する「ショーン・ベイカー 初期傑作選」が7月4日から開催される。
インディペンデント映画のもつ無限の可能性を世界へと示し続けてきたショーン・ベイカー。iPhoneでの全編撮影に挑戦した「タンジェリン」(15)で話題を呼び、貧困層の日常を6歳の少女の瞳を通して描く「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」(17)、元ポルノスターの男が再起を目指す姿を追った「レッド・ロケット」(21)、そして「ANORA アノーラ」(24)で第77回カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドールを受賞したほか、第97回アカデミー賞では作品賞含む最多5部門を制覇している。
ケン・ローチやダルデンヌ兄弟といった巨匠から大きな影響を受けながら、偏見や差別にさらされる立場にある人々を内側からありのままに描き出す独自のスタイルを確立し、移民、セクシュアルマイノリティ、セックスワーカーなどへと光をあてる。人々の境遇や暮らしに正面から向き合いながら常にユーモアも忘れないその姿勢は、初期監督作品から貫かれている。
本特集では、長編デビュー作「フォー・レター・ワーズ」から現在地へとベイカー監督が歩んだ軌跡を辿る、日本初公開の貴重な4作品を上映する。7月4日からYEBISU GARDEN CINEMAにて全国順次公開。
▼上映作品

ある真夏の夜のパーティーで酔っ払い、戯れ、いさかいを起こす若者たちを描いた長編デビュー作。アメリカ郊外に暮らす男子大学生の間で、特有の生々しい会話が飛び交う。リチャード・リンクレイター作品などを彷彿とさせる青春のポートレートに、ベイカーの鋭い観察眼が光る。

密入国業者への多額の借金を抱えながら、ニューヨークの中華料理屋で配達員として働く不法移民の青年の1日を捉えた長編第二作目。徹底した社会派リアリズムのスタイルで、マンハッタンに暮らす移民たちの厳しい日々を浮き彫りにする。

■「プリンス・オブ・ブロードウェイ」 Prince of Broadway|2008年|100分
監督:ショーン・ベイカー 脚本:ショーン・ベイカー、ダレン・ディーン
撮影:ショーン・ベイカー
出演:プリンス・アドゥ、カレン・カラグリアン、エイデン・ノエシ
監督:ショーン・ベイカー 脚本:ショーン・ベイカー、ダレン・ディーン
撮影:ショーン・ベイカー
出演:プリンス・アドゥ、カレン・カラグリアン、エイデン・ノエシ
ニューヨークのストリートで偽ブランド品を売って生計を立てるラッキーの元へ、かつての恋人が存在すら知らない”息子”を連れてきたことで全てが一変する。いきなり”パパ”になった黒人青年と幼い子供、それを取り巻く人間模様をチャーミングに描く。

■「スターレット」 Starlet|2012年|103分
監督:ショーン・ベイカー 脚本:ショーン・ベイカー、クリス・ベルゴーク
撮影:ラディウム・チャン
出演:ドリー・ヘミングウェイ、ベセドカ・ジョンソン、ジェームズ・ランソン、
カレン・カラグリアン
監督:ショーン・ベイカー 脚本:ショーン・ベイカー、クリス・ベルゴーク
撮影:ラディウム・チャン
出演:ドリー・ヘミングウェイ、ベセドカ・ジョンソン、ジェームズ・ランソン、
カレン・カラグリアン
女優志望のジェーンは、愛犬のチワワといつも一緒。ある日ガレージセールで購入したポットに大金が入っていることに気づく。ポットの持ち主である老婦人とジェーン、歳の離れた女性二人の心の交流を生き生きと描くユーモラスな感動作。※過去に「チワワは見ていた」のタイトルでソフト化済み
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