世界初!エンド・クレジットはQRコード 「けものがいる」グザビエ・ドラン声の出演シーン本編映像
2025年4月15日 12:00

第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたレア・セドゥ主演、ベルトラン・ボネロ監督作「けものがいる」。共同プロデューサーを務めたグザビエ・ドランが声の出演をした本編映像が公開された。なお、本作のエンド・クレジットはQRコードがスクリーンに表示され、観客が手持ちのデバイスで読み取る仕様となっている。この世界初の試みについて、またドランについてのボネロ監督のコメントも披露された。
本作は「SAINT LAURENT サンローラン」「メゾン ある娼館の記憶」などで知られる鬼才ボネロ監督が、イギリスの文豪ヘンリー・ジェームズの傑作中編小説「密林の獣」を自由かつ大胆に翻案。近未来をクールに映像化した2044年、35ミリフィルムで撮影された1910年、実際の事件にインスパイアされた2014年と、3つのコンセプトの世界観を驚くべき手腕で緻密に構築した。
2044年、AI中心の社会で人間の感情は不必要とされ、有意義な仕事を得るには<感情の消去>をしなければならなかった。孤独な女性ガブリエルは<感情の消去>に疑問を抱きながらも、仕事に就くために浄化を決意する。そしてトラウマとなった前世の1910年、2014年へ遡り、それぞれの時代で青年ルイと出会い惹かれていくが、「何かが起きる」という強い恐れに苛まれる。主人公ガブリエルをレア・セドゥ。また相手のルイ役には当初ギャスパー・ウリエルが決定していたが、2022年1月に不慮の事故で急逝したことで、「1917 命をかけた伝令」のジョージ・マッケイにルイ役が託された。
ドランが本作共同プロデューサーに加わることになった経緯を「私と彼は長い付き合いで、お互いに評価し合っている関係です。何か一緒にしたいとずっと思っていました。本作はカナダとフランスの共同制作になったので、彼に声をかけました。ですので、それは友情から始まったと言えます。彼は「Mommy マミー」で、私は「SAINT LAURENT サンローラン」でカンヌ国際映画祭に参加していたときに初めて会ったと思います。また私はケベック州に住んだこともあります」ドランの出身地であるカナダのケベック州にボネロ監督が住んでいたこともあり、友情を深めたという。

ドランが声の出演をしているのは、進化を遂げたAIが管理する2044年のパリで、レア・セドゥ演じるガブリエルが、有意義な職に就くためにDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受ける場面で、ドランは面接官で指導役のAIの声を演じている。出演の経緯についてボネロ監督は「本作では彼にオファーする役柄はなかったが、オンラインでセッションを重ねているときに、「感情のない声」が必要だという話をしたら、最初は「僕はそんな声は無理だ!」と彼は言っていたのですが、結果的には引き受けてくれました」と話す。

QRコードのエンド・クレジットについては「世界初」だそうで、物語の最後に突然現れるQRコードはヴェネチア国際映画祭の上映時も大きな話題となった。「映画に見合ったものになっているのではないだろうか。一般的に言って、エンディング・クレジットが流れる 時間は感動的な瞬間だ。音楽があり、それに沿うようにして俳優やクルーの名前が現れては消えてゆく。観客は次々と立ち上がって、ふたたび外の光を見いだす準備をする。この映画は、感情が追放された世界を描いているのだから、エンディング・クレジットの時間から感情が排されているのは理にかなっていると思う」また「エンド・クレジットは本編の一部でもある」と語った。QRコードを読み取るとクレジットだけでなく、特典映像も含まれている。ぜひ映画館でエンド・クレジットまで計算されたボネロ監督の世界観に没入してほしい。映画は4月25日から公開。
(C)Carole Bethuel
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