「1980 僕たちの光州事件」キム・ギュリ、ペク・ソンヒョンらが語る、映画の裏側と思い「私たちの物語であり、私たちの歴史」
2025年3月31日 14:00

「KCIA南山の部長たち」「ソウルの春」「タクシー運転手 約束は海を越えて」に続き、韓国現代史の闇を市民の人々の視点で描く「1980 僕たちの光州事件」が4月4日公開する。全羅南道の路地裏に中華料理店を開いたチョルスの家族や隣人たちの物語で、1980年の光州の痛みを表現し、再現度の高い当時の光州とキャストたちによる演技が、事件の理不尽さをより鮮明に物語る本作、キム・ギュリ、ペク・ソンヒョンらが作品への思いを語った。
「KCIA 南山の部長たち」では長年独裁者の座に君臨したパク・チョンヒ大統領の暗殺事件を、「ソウルの春」ではその直後に起きたチョン・ドゥファンによる軍事クーデターを、それぞれ史実を基にしたフィクションとして傑作映画に仕立て上げ大ヒットに導いた韓国映画界。そんな中、忘れてはならないのが「ソウルの春」で権力の座を簒奪した軍事政権が引き起こした歴史的悲劇「光州事件」だ。
先の2作品と同じく大ヒットを記録した「タクシー運転手 約束は海を越えて」で描かれたのは、民主化を叫ぶ善良な市民たちを虐殺する軍人たちの姿を、世界に伝えなければという使命感に目覚めてゆくタクシードライバーとドイツ人記者のエモーショナルな姿だった。本作はその事件のど真ん中に生活をしていた「ごく普通の家族」の姿に焦点を当て、権力が市民の小さな幸福をいかにして踏みにじったのか、そして悲劇の中にあっても大切な人を守りたいと願う思いがいかに尊いものであるかを、時にユーモアを交えながらも切々と描いてゆく。

どんな状況に陥っても笑顔を絶やさなかったチョルスの母親役のキム・ギュリはこの映画に出演することになった経緯について、「実は台本をいただいた当時は、ラジオのDJをしていて、木浦に行って撮影するというのは負担だったのでしばらくの間放置していたのですが、台本を読んでみたら凄く面白いじゃないですか。それで出演を決めました」と語る。「最近映画の公開というものは簡単ではありません。でも『ソウルの春』が社会的なイシューとなり、好評を博したことが本作の公開を後押ししました。本作は『ソウルの春』の後を描いたものです。12.12を防げなかったから、5.18の民主化運動が起こってしまった。ですので、この作品も多くの人に興味を持っていただけました」と「ソウルの春」との関係性について述べ、「この映画が誰かに力を与えられる映画であったら嬉しい。チョルスの母親の為に誰かがたくさん涙を流してくれたら力になるし、慰めになるのではないかと思います」と作品の意義を語る。
酒飲みだが父親の中華料理屋で日々仕事に励むチョルスの叔父を演じたペク・ソンヒョンは、カン・スンヨン監督と「雲から抜けた月のように」を通して関係性を築き、ドラマ「ボイス4~112の奇跡~」の撮影中に「あなたを見て、『1980 僕たちの光州事件』の叔父さん役を書いたよ」と言われ、その言葉にとても感動し出演を決めたという。カン・スンヨン監督が美術監督としての30年のキャリアをすべて注ぎ込んだというセットについては、「木浦のセットを見に行ったんですが、やっぱり監督はその分野では大御所ですので、他とは全く違いました。実際に1980年に全羅南道の路地裏にあった中華料理店に訪れた感じでした」と絶賛。さらに「素晴らしいディテールであふれていたので、演技に没入できてよかったです」と敬意を表した。
メガホンをとったカン・スンヨン監督は本作が監督デビュー作。「美術監督をしながらたまに脚本を書いていて、偶然5.18について勉強することになりこの作品を書き上げました。この映画は小さな市民の物語です。私は戦士や英雄たちを見せたかったのではなく、民主的な蜂起に参加するしかなかった普通の人々を見せたかったのです」とコメントした。
「1980 僕たちの光州事件」は、4月4日から、シネマート新宿ほか全国公開。
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