コーエン兄弟も会員だった、伝説のビデオショップのコレクションの行方を巡る「キムズビデオ」今夏公開決定
2025年3月27日 16:00

米ニューヨークに実在したシネフィルの聖地「キムズビデオ」の5万5000本に上る唯一無二のビデオコレクションの行方を巡るドキュメンタリー映画「キムズビデオ」が、今夏日本公開されることが決定した。併せて日本版のティーザービジュアルと監督のコメントが公開された。
1987年、韓国系移民のキム・ヨンマンがニューヨークに開業した「キムズビデオ」には、世界中から収集されたレアな映像作品が取り揃えられていた。入手ルートも、世界各地の映画祭や各国大使館経由など、大手レンタルビデオショップには真似のできない独自のものだった。その世界最高のレアビデオ・コレクションを目当てに、シネフィルたちが連日通い詰め、会員数は25万人に膨れ上がった。その会員の中には、若かりし頃のコーエン兄弟もおり、延滞金を600ドル滞納している逸話も本作に登場する。
さらに、トッド・フィリップス(「ハングオーバー」シリーズ、「ジョーカー」シリーズ)や、アレックス・ロス・ペリー(「ハースメル」「プーと大人になった僕」)、ショーン・プライス・ウィリアムズ(「スイート・イースト 不思議の国のリリアン」)ら、第一線で活躍するフィルムメイカーたちがキムズビデオの店員として働いており、その後の映画業界の発展に貢献したと言っても過言ではない理想郷だった。
その一方で、同ショップのコレクションは、本来アメリカでは見られない違法コピーなどの海賊版も多く、それがまた会員たちを興奮させていた。その海賊版の中には、ジャン=リュック・ゴダールの作品群も含まれ、ゴダールからレンタル差し止めの通告が届き、映画の権利元の訴えを受けたFBIに押収されるなど、多くの伝説が語り継がれている。
だが、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008年に惜しまれつつ閉店。キムズビデオの会員だったデビッド・レッドモンが、そのコレクションがその後どうなったのか捜索すると、ニューヨークから遥か遠いイタリア・シチリア島に移設されていることが判明。レッドモンがシチリア島に出向くと、ビデオテープにとってはあまりにも劣悪なホコリだらけの湿った所蔵庫で放置されていることが発覚する。そこでレッドモンは唯一無二なレアビデオ・コレクションを救い出すことを決意。アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の巨匠たちの“精霊”を召喚し、架空の映画撮影を装いながら前代未聞の奪還作戦を決行する。
日本版ティザービジュアルは、本作にとって象徴的なVHSテープをモチーフにし、そのラベルにはキムズビデオの創業者であるキム・ヨンマンの姿がデザインされている。懐かしさとミステリアスな雰囲気を感じさせるビジュアルに仕上がっている。
「キムズビデオ」は、今夏、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイントほかで全国順次公開。
日本公開に際しセイビン監督、レッドモン監督から届いたコメントは、以下のとおり。
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