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第3回新潟国際アニメーション映画祭コンペ出品作「化け猫あんずちゃん」「バレンティス」「ペリカン・ブルー」「ペーパーカット」会見

2025年3月17日 17:00

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(左から)ジョバンニ・コロンブ監督、久野遥子監督、エリック・パワー監督、ラースロ・チャキ監督、通訳士
(左から)ジョバンニ・コロンブ監督、久野遥子監督、エリック・パワー監督、ラースロ・チャキ監督、通訳士

新潟市で開催中の第3回新潟国際アニメーション映画祭で、コンペティション部門に選出された4作品の監督会見が3月17日新潟日報メディアシップ日報ホールで行われ、「化け猫あんずちゃん久野遥子監督、「バレンティス」ジョバンニ・コロンブ監督、「ペーパーカット:インディー作家の僕の人生」エリック・パワー監督、「ペリカン・ブルー」ラースロ・チャキ監督が出席した。

今回のコンペティション部門では第1回、第2回を大きく上回る28の国・地域から69作品の応募があり、すでに日本で公開されている「化け猫あんずちゃん」「ルックバック」のほか、14カ国(共同製作含む)から12作品が選出された。

「化け猫あんずちゃん」
「化け猫あんずちゃん」
(C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

化け猫あんずちゃん」は、アニメーション作家の久野監督と、実写映画の山下敦弘監督のタッグでいましろたかしの同名コミックを日仏合作で映画化したもの。人間のように暮らす37歳の化け猫と11歳の少女の物語で、実写映像を元にアニメーション化する手法「ロトスコープ」を採用。森山未來が主人公あんずちゃんの声と動きを演じ、山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフ陣が動きや表情を抽出するという流れで、実写映像をアニメへと描き起こしていった。

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久野監督はロトスコープの特徴を説明し「人間くささのある夏の映画になっています」と作品を紹介。「ご飯がおいしく、楽しんでいます。上映後にはいろんな質問をしてくださって、新潟の方々の温かさと熱量を感じられた」と映画祭参加の感想を語る。日仏合作ということで、文化面など2国間で捉え方の違いなどがあったのかと問われると、具体例として少女かりんが地獄で母の遺骨を探す場面を挙げ、「フランス人の感覚だと亡くなった人の骨を見つめたり探したりすることがホラーのように捉えられてしまうと言われました」と両国のスタッフ間でのさまざまなディスカッションからわかったことがあったと明かした。

「バレンティス」
「バレンティス」

コロンブ監督の「バレンティス」は、ファシズムが支配する第二次世界大戦の直前の1940年、馬を盗んだ少年二人の物語。サルデーニャ出身のコロンブ監督は「サルデーニャ島には、独特の文化があり、イタリア本土と言葉も異なります。今回初めてサルデーニャの文化を基にした作品を作れたのがうれしいです。いい意味で不完全、欠点さがある手作りの作品と言えると思います」と自身初のアニメーション監督作を紹介する。

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上映後、観客から映画が悲しかったという感想を述べられたそうで、「少年が死ぬので悲しい話ですが、悲しみは悪いことではありません。人生の悲しさを映画として表すことにより、感情を昇華させることにもなります」と説明。アニメーションという手法を用いた理由は「現実を乗り越える方法として魅力を感じたから」と言い、「例えばあるシーンの中で人が消えたり現れたり実写ではできないような表現ができます。しかし実作業は終わりが見えないと思うほど大変でした」と振り返った。

「ペーパーカット:インディー作家の僕の人生」
「ペーパーカット:インディー作家の僕の人生」

パワー監督の「ペーパーカット:インディー作家の僕の人生」は、(切り絵)を用いたストップモーションを専門とするインディー映画作家としてキャリアを重ねる、パワー監督自身をモデルにした物語。パワー監督は本映画祭第1回のコンペティションにも参加しており、今回2度目の新潟滞在を喜ぶ。日本語での自己紹介に続き、「私の二つ目の家のように感じ、戻ってきた気持ちがいっぱい。より文化と美味しい食事を楽しんでいます」と挨拶。

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そして「アニメーション映画監督として制作の苦労を映画で表しました。この作品を一言で表すと『HOPE FOR』新しい世代に希望を持っていただき、発展してほしい気持ちを込めました」と作品のテーマを語る。劇中に「子連れ狼」が登場することについて問われると、「私の最初の作品でも登場させていますが、私が若いころに『子連れ狼』がアメリカで公開されて、時代劇にはまって大好きになりました。原作ももちろん読んでおります」と答えた。

「ペリカン・ブルー」
「ペリカン・ブルー」

チャキ監督の「ペリカン・ブルー」は、1990年代のハンガリーが舞台。偽造した国際列車の切符で若者たちに「外の世界」を自由に旅する機会を提供しようと決意する3人の男たちの物語。今回初来日となったチャキ監督は「初めての日本、初めての新潟。東京に比べて静かでとても日本らしい街だと感じました」とコメントし、「ハンガリーの社会や文化に基づいて作った作品ですが、皆さんに理解していただいたとわかってうれしく思いました」と上映後の反応を喜ぶ。

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本作は、アニメーションとドキュメンタリーを融合させた“アニメイテッドキュメンタリー”映画であると説明する。モデルとなった3人の個人情報を守るために、アニメーションという表現を選択したそうで、「アニメイテッドキュメンタリーという手法を皆さんに知っていただくことが未来につながっていくと思います」と新たな表現の発展を期待していた。

第3回新潟国際アニメーション映画祭は3月20日まで開催、チケットは好評発売中。最新情報は随時公式サイト(https://niaff.net)で告知している。

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