アカデミー賞5冠「ANORA アノーラ」、受賞効果で興収急伸
2025年3月11日 21:00

アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞したショーン・ベイカー監督作「ANORA アノーラ」が、アカデミー賞効果で大きな興行的恩恵を受けている。
授賞式直後、北米では800以上のスクリーンを追加して上映規模を拡大し、週末3日間で推定186万ドルの興行収入を記録。これにより公開21週目というロングラン上映中の同作の累計興行収入は1845万ドルに達したと、米Deadlineが報じている。
インディペンデント映画としては極めて異例のロングランを続ける同作は、今週の全米興行成績ランキングで7位に食い込んだ。配給のネオンは、3月10日に行われたアカデミー賞での5冠達成を受け、戦略的に一気に上映規模を拡大。公開開始から数か月経過していても新たな観客を獲得する“アカデミー賞効果”の典型的な例となっている。
「ANORA アノーラ」は、ニューヨークのストリップダンサーである24歳のロシア系アメリカ人女性アニー(通称アノーラ)の人生を描く。クラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会い、二人は衝動的にラスベガスの教会で結婚。しかし、イヴァンの両親から結婚を反対され、自らの幸せを勝ち取ろうと奮闘するアノーラの姿が描かれる。
身分違いの恋というクラシックなシンデレラストーリーを現代のニューヨークで大胆にアレンジした本作で、タイトルロールのアノーラを演じた新星マイキー・マディソンは、初のアカデミー賞ノミネートで見事に主演女優賞を獲得。生き生きとした演技が高く評価された。
「タンジェリン」や「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」などの社会派作品で知られるベイカー監督は、昨年5月の2024年カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞後、アカデミー賞でも監督賞を含む5部門を制し、インディペンデント映画の第一人者としての地位を確立した。
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