金子雅和監督「光る川」を海外セールス担当者が世界の映画祭で紹介する理由【第2回沖縄環太平洋国際映画祭】
2025年2月28日 20:00

沖縄県・那覇市で開催中の第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭「コンペティション長編部門」部門で、金子雅和監督「光る川」が2月28日に上映された。本作の海外セールスを担当するロサンゼルスのESTスタジオのテンテン・ウェイ氏が本作を海外に紹介する理由を語った。
「アルビノの木」「リング・ワンダリング」で国内外から注目を集めた金子監督が、松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を原作に、岐阜県長良川流域の土地・民話・伝承からインスピレーションを受けて撮りあげた長編第3作。
1958年。少年ユウチャは大きな川の上流に位置する山間の集落で、林業に従事する父と病床の母、老いた祖母と暮らしている。自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化する台風による洪水に脅かされている。ある日、集落に紙芝居屋の男が現れ、集まった子どもたちを前に、古くから土地に伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋の物語を披露する。物語と現実の奇妙な符合を感じたユウチャは、お葉の魂を解放して洪水を防ごうと山奥の淵へ向かう。

ESTスタジオは、アメリカと東南アジアの劇場配給と、映画の海外セールスの2部門を展開していると自社の事業を紹介するウェイ氏。「光る川」を海外向けに取り上げた理由は「非常に独特な作品で、多くの日本的文化が含まれ、美しく撮影されています。私たちが扱っていたタイトルのほとんどは、アクション、ホラー、スリラーなどのジャンルで商業的なものです。私たちはより日本の作品を扱いたいと思っており、そして、日本には良質なアートハウス作品がたくさんあることがわかり、この『光る川』もその一つです。とても気に入ったのでラインナップに加えることにしました」と明かす。
現時点で本作の海外での公開は決まっていないものの、海外の映画祭に積極的にエントリーすることで、作品の魅力を広げる狙いだという。「ヨーロッパや中東などの映画祭が、この作品に興味を持っており、実際に私たちが予想していたよりもはるかに多くの反響を得ました。なぜなら、世界には非常に多くのアートハウス作品への需要があるからです」と語る。

海外のプレスや観客からの注目を集めるためには「映画から日本文化が凝縮して見えること」が重要だと言い、本作も「ロミオとジュリエット」のようなユニバーサルな悲恋を描きながらも、日本独特の文化を描き、質の高い作品を製作する監督、製作陣の努力が見えることもポイントだと話した。
今後のESTスタジオとしては、A24のようなブランド化を目標とし、日本を含むアジアのユニークな映画を選び、できれば劇場公開できるような展開を目指したいと語った。
「第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭」は、3月2日まで那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール、桜坂劇場などで開催。スケジュール、上映作品詳細は公式HP(https://www.cinema-at-sea.com/)で告知している。
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