「007」の製作に関する全ての権利、Amazonが獲得 ブロッコリ家が退く
2025年2月25日 21:00

世界的人気を誇るスパイ映画「007」シリーズの未来図が大きく動き出した。60年以上にわたり同作をコントロールしてきたアルバート・R・ブロッコリと家族である、バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソンの時代が終わりを告げ、Amazon MGMスタジオが製作に関する全ての権利を完全に掌握することが決定したと、米Deadlineが報じた。
両者の合意により、知的財産権は共同所有としながらも、今後の企画開発や製作における決定権は完全にAmazon MGM側へ移行。この権利移譲に際し、Amazonは10億ドル以上を追加で支払ったことが明らかになった。2021年のMGM買収(85億ドル)時、スタジオの企業価値35~40億ドルの中核を「007」シリーズが占めていたにもかかわらず、製作決定権を得られなかった経緯があった。
シリーズを象徴する転換点となったのが、両者の作品に対する姿勢の違いだ。Amazon側は収益最大化を目指し、スピンオフやTVシリーズ展開を望んだのに対し、バーバラ・ブロッコリと兄のマイケル・G・ウィルソンは映画の芸術性とブランド価値の維持を重視。この方針の相違が、最終的な決断を促す要因となった。
2月22日(現地時間)、英ロンドンでブロッコリから直接告げられた決定は、関係者の間で「家族の死のような衝撃」として受け止められた。1962年「007 ドクター・ノオ」でアルバート・R・ブロッコリが立ち上げ、その後も娘のバーバラと父親違いの兄マイケル・G・ウィルソンが手掛けてきたシリーズだけに、その重みは計り知れない。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」でダニエル・クレイグが勇退して以降、新たなジェームズ・ボンド役の選考は難航。新星アーロン・テイラー・ジョンソンとの面会は報じられたものの、本格的な選考には至っていなかった。
Amazon創業者のジェフ・ベゾスは早くもソーシャルメディアで次期ボンド役についてファンの意見を募るなど、新体制での企画始動を示唆。一方で「委員会方式での意思決定により、シリーズの魅力が失われる可能性」を懸念する声も伝えている。
ウィルソンは芸術活動と慈善事業に専念するため引退を表明。ブロッコリは「父から託された素晴らしい遺産を守り、発展させることに人生を捧げてきた。4人の才能あふれるジェームズ・ボンド役との仕事は誇りだった」と述べ、新たなプロジェクトへの挑戦を示唆した。
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