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【第75回ベルリン国際映画祭】短編部門で水尻自子監督のアニメーションが銀熊賞、ジェネレーションKプラス部門の横浜聡子監督「海辺へ行く道」にスペシャル・メンション

2025年2月23日 08:00

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ベルリンで会見に応じた横浜聡子監督、和田大輔プロデューサー
ベルリンで会見に応じた横浜聡子監督、和田大輔プロデューサー
(C)Kuriko SATO

今年のベルリン国際映画祭は、長編コンペティション部門にこそ日本映画はなかったものの、蓋を開ければ2作品が賞に絡むめでたい結果となった。

ベルリナーレ短編部門に出品された水尻自子監督のアニメーション「普通の生活」が、銀熊審査員賞に輝き、ジェネレーションKプラス部門に出品された横浜聡子監督の「海辺へ行く道」が、スペシャル・メンションを授与された。

水尻の作品は、パステル調の色合いのなかで、人間の体や犬など、身近なものの肉体的接触を通して、観る者の感覚に優しく訴える作品。授賞式で日本からビデオメッセージを届けた水尻は、「素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。明確な物語やセリフがあるわけではなく、観た人それぞれが自由に解釈できる作品ですが、肉体の接触を通した説明できない感覚というのを描きたいと思いました」と解説した。

画像5(C)2025映画「海辺へ行く道」製作委員会

横浜監督の作品は、三好銀の人気漫画をライブ・フィクションとして映画化したもの。アーティスト移住支援を謳う瀬戸内海の海辺の街で暮らす、14歳の美術部員の少年(原田琥之佑)を主人公に、彼を取り巻くさまざまな人間模様をスケッチのように積み重ねて行く。原田はワールドプレミアには参加したものの授賞式までは残れず、横浜監督と和田大輔プロデューサーのふたりが賞を受け取った。

受賞後、日本のマスコミの取材に応じた横浜監督は、「受賞することは1ミリも頭に思い浮かんでいなくて、ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門に参加できただけで、何も望むものはないぐらい嬉しかったのですが、こんなご褒美がいただけるなんて奇跡だと思っています。この映画は誰かのために、と焦点を当てて作ったわけではないのですが、若い人に観てほしいという思いはどこかにずっとあったので、ここで自分が思っていた以上に若い子供たちに観てもらえてとても嬉しかったです。楽しんでもらえるかはらはらしていたのですが、みんなちゃんと最後まで観てくれました」と喜びをあらわにした。

横浜聡子監督
横浜聡子監督
(C)Kuriko SATO

和田プロデューサーは、「140分という長い映画が子供映画の部門に選ばれること自体がこれまであまりなかったようなので、それを楽しんで頂けて、賞まで頂けるとは夢にも思わなかったです。脚本の段階でこれ以上短くできるとは思えなかったので、短くするよりは体感できるようなものになったらいいなと思っていました。この部門を最初から狙っていたわけではないですが、一番出したいと思っていた部門なので嬉しいです。子供を対象に、彼らを育てるような部門がちゃんとあるところがとてもベルリンらしくて、素敵だなと思いました」と評価した。さらに横浜監督も、「ベルリンに来て初めて、世界からさまざまな監督たちが来ていて、日本にいるときには感じられない情熱やテンション、映画祭への思いというものをみなさんが持っているのを肌で感じることができました。わたしも頑張らなきゃと励まされました」と、映画祭の刺激的な体験を振り返った。

ちなみに同部門の最優秀賞は、辺境の小さな村で植物に癒される孤独な少年を描いた中国映画「The Botanist」にわたった。

パノラマ部門「ミックス・モダン」の藤原稔三監督ら
パノラマ部門「ミックス・モダン」の藤原稔三監督ら
(C)Kuriko SATO
「Underground」小田香監督
「Underground」小田香監督
(C)Kuriko SATO

賞には絡まなかったが、パノラマ部門の藤原稔三監督が、非行から更生して社会復帰を目指す若者たちを描いた「ミックス・モダン」と、小田香監督の沖縄を舞台に映像と音響が詩的に絡み合う小田香監督の実験的な「Underground アンダーグラウンド」も、それぞれ評価が高かった。さらにクラシック部門に出品された増村保造監督の4K修復版「清作の妻」も、ヨーロッパでとくに評価が定着している増村作品とあって人気を集めていた。(佐藤久理子)

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