プリンス伝記映画、Netflixが公開断念 遺産管理団体が独自製作へ
2025年2月13日 10:00

伝説的ミュージシャン・プリンスを描いた9時間におよぶNetflixのドキュメンタリー映画が、遺産管理団体との対立により公開中止となることが決まった。英ガーディアンが報じている。
アカデミー賞受賞作品「OJ: Made in America(原題)」で知られるエズラ・エデルマン監督が5年の歳月をかけて完成させた作品。当初、銀行系の遺産管理団体から数千万ドル規模の契約で未発表音源へのアクセス権と編集権限を得て製作を進めていた。
しかし2022年、遺産管理が新たな団体に移管されると状況は一変。プリンスの元弁護士L・ロンデル・マクミランらが中心となった新団体は、作品内容を「センセーショナル」と批判。複数の事実誤認を指摘し、大幅な修正と再撮影を要求した。
ニューヨーク・タイムズ紙のサーシャ・ワイス記者は、完成作を「呪われた傑作」と評価。元恋人ジル・ジョーンズによる暴力被害の告白や、反ユダヤ的と指摘される歌詞、鎮痛剤への依存など、アーティストの複雑な素顔に迫る内容だったという。
映画に出演したミュージシャンで映画製作者のクエストラブは「天才であり、神々しく、性的で、欠点もあり、ひどいところもある。彼のすべてが描かれている」と証言している。
遺産管理団体は「プリンスの偉大さと複雑さを探求する新作ドキュメンタリーを製作する」と発表。SNSでは未公開音源保管庫の扉が開かれる映像とともに「新たな船出の時」とのメッセージを投稿し、勝利を宣言した。
この新作については、マクミランが「プリンスの遺産にとって大きな勝利だ」とコメント。「天才的ミュージシャンの複雑さを掘り下げる作品になる」と語っている。
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