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【ネタバレあり】性の喜びとは?がテーマの「エマニュエル」 二村ヒトシが旧作「エマニエル夫人」と見比べ、映画.com編集部とトーク

2025年2月3日 22:00

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「エマニュエル」
「エマニュエル」
(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – PATHÉ FILMS

TOKYO FMほか全国38のFM局のオーディオコンテンツプラットフォームで、スマートフォンアプリとウェブサイトで楽しめるサービス「AuDee(オーディー)」 と映画.comのコラボ新番組「映画と愛とオトナノハナシ at 半蔵門」。作家でAV監督の二村ヒトシと映画.com編集部エビタニが映画トークをネタバレありで繰り広げる。

今回は1974年に映画化され日本でも大ヒットを記録したエマニエル・アルサンの官能小説「エマニエル夫人」を、「あのこと」でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したフランスのオドレイ・ディワン監督が、「燃ゆる女の肖像」のノエミ・メルラン主演で、舞台を現代に移し新たに映画化した「エマニュエル」を取り上げる。

ホテルの品質調査の仕事をするエマニュエルはオーナー企業から依頼を受け、香港の高級ホテルに滞在しながら査察をすることに。ホテルの裏側を調べはじめたエマニュエルは、怪しげな宿泊客や関係者たちと交流を重ねるなかで、自身の内なる欲望を解放させていく。

「非常に面白かった。古い『エマニエル夫人』(ジュスト・ジャカン監督)を見ていたからより面白かった」と感想を述べる二村。旧作の「エマニエル夫人」を観ていないというエビタニは「最初の飛行機でのセックスシーンに驚いた」そうで、その理由を「暗い顔で出てくるから、楽しくないだろうなと思った」と述べると、二村も「気持ち良さそうな顔していないですよね。そこから快楽を求めていくことが丁寧に描かれている」と、新しい「エマニュエル」の狙いを語る。

原作小説や、「エマニエル夫人」にも飛行機でのシーンは存在し、「元ネタの再現もしているようだけれども、まったく意味が変わっていて、そこが面白い。監督はリメイクとも言っていないし、まったく違う映画を作った意味がそこにある」と二村。

「性の喜びとは?が旧作も今作もテーマ。以前の作品は“夫人”ともあって、男目線の寝取られの話。夫人にエッチなことを男たちが教えていくという、現代の感覚では見られたものではないものだったけれど、50年前に映画館でエッチな作品をやる、というのもテーマだった。映画としては破綻しているし、変な映画だったけど、エッチなシーンの新しさや見事さ、(旧作主演の)シルビア・クリステルさんの何とも言えないエロさは素晴らしく、評価が難しい映画。今回のエマニュエルには男の影がなく、行く先々で男を調達するような旅する女で、仕事をする女。共通するテーマがあるとしたら、キリスト教の否定。ヨーロッパではできないことがアジアではできる」と比較する。

エビタニは自らの意思で男たちを誘うも、満足した様子のない今作のエマニュエルの行動を「承認欲求のセックスかなと思った。男がついてくることで満足していたのかな」と分析。また、香港の高級ホテルが舞台であることから「この世を支配しているのは白人の男。資本主義だった」という二村の意見に、「(エマニュエルら)女たちがマネージャーとして仕事していたけれど、ホテルから出るという行動で支配から抜け出せたのでは」と持論を語る。

二村は官能作品として評価する点は「不能の男に見られていることに興奮しながら見ず知らずのイケメンと関係をもってオーガズムに達する」シーンだといい、エビタニは「アジア系男性たちがかっこよかった。最後に出てくる彼を介さないと、ケイとコミュニケーションできないのが良かった」とエマニュエルが惹かれる謎めいたホテルの顧客のケイら、男性キャストの魅力を挙げる。

さらに、エマニュエルがケイの入った後の浴槽の湯を飲むシーンが印象に残ったというエビタニ。二村は本作を「女性が本当の快楽にたどり着くまでの話。女性が自分の意思でやって、エロいので説教くさくない」とまとめるも、「実際のセックスは人が入ったお湯を飲むよりもっと汚いことをやっているのに、なんでそれができてしまうのか。なぜ人間にはセックスが必要なのか?」と自問していた。

トーク全編はAuDee(https://audee.jp/voice/show/55260)で聞くことができる(無料配信中)。次回は俳優ジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・製作・主演を務めた「リアル・ペイン 心の旅」を取り上げる。


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