【おしゃれな家を大公開】主人公の“好き”で埋め尽くされた城 “色彩の魔術師”アルモドバル映画の真髄をとらえた映像
2025年1月28日 09:00

ペドロ・アルモドバル監督の初の長編英語作品で、第81回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した最新作「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」の本編映像が、このほど公開された。
本作は、病に侵され安楽死を望む女性と彼女に寄り添う親友の最期の数日間を描く物語。ウェス・アンダーソン監督作品やジム・ジャームッシュ監督作品の常連として知られ、「フィクサー」でアカデミー助演女優賞に輝いたティルダ・スウィントンと、「アリスのままで」でのアカデミー主演女優賞に加え、世界三大映画祭すべてで女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが親友同士を演じ、繊細で美しい友情を体現している。
カラフルな色使いと洗練された衣装が目を引く映像を用いて、ひたむきに生きる人々の姿を真摯に捉えた人間ドラマを描いてきたアルモドバル監督。本作でも“色彩の魔術師”アルモドバル監督のこだわりがちりばめられ、まるで絵画のように美しい映像が全編に渡って紡がれている。

本編映像は、スウィントン扮する主人公マーサの自宅を映した内容だ。一時的に病院を退院したマーサの家を訪れるイングリッドを、体調の良さそうなマーサが出迎える。キッチンにはたくさんのフルーツが用意されており「全部あなたのためよ。残らず食べて」と冗談を飛ばすマーサに、イングリッドは「何とか頑張るわ。果物は大好きよ」と元気よく返答。ふたりの長年の友情と信頼が垣間見える映像となっている。
映像の中で目に留まるカラフルでスタイリッシュなマーサの部屋のインテリアを手がけたのは、スペインを拠点に活躍し、15年以上アルモドバル作品を手がけてきた常連セットデコレーターのカルロッタ・カサド。若かりし日にニューヨークのカルチャー誌「ペーパー・マガジン」誌で働いた後、戦場ジャーナリストとして世界を飛び回ったマーサというキャラクターの人生を考慮し、カサドはアルモドバル監督とディスカッションを繰り返した。
実際の戦場ジャーナリストの家や、監督の友人が住むニューヨークのアパートメントを参考に、センスが光るインテリア雑貨や美術品を世界各国から集めてきたという設定のもと、素晴らしい内装を作り上げていった。まさに自由奔放なマーサの“好き”で埋め尽くされたニューヨークの城となっている。
“死”をテーマとした物語ながら重苦しさは感じられず、ライトに楽しめる作品に仕上がっているのは、明るい色で彩られた温かみを感じるインテリアによる功績が大きい。壁に飾られた絵画や写真、凝ったデザインのフルーツボウルまで、映像を華やかに彩るインテリアの数々にも注目してほしい。
「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」は、1月31日公開。
(C)2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C)El Deseo. Photo by Iglesias Mas.
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