キム・ヘス、筋肉の破裂を乗り越え撮影 チュ・ジフン、リュ・スンリョンらが登場【注目韓国ドラマ 記者会見レポ第1弾】
2024年11月25日 13:00
シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズで開催されたラインナップ発表イベント「ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC2024」で11月20~21日(現地時間)、ディズニープラスで配信される韓国ドラマの新作タイトルの記者会見が行われ、豪華ゲストが登壇。この記事では、チュ・ジフン、パク・ボヨンが共演した「照明店の客人たち」、キム・ヘス、チョン・ソンイルが共演した「トリガー ニュースの裏側」、リュ・スンリョン、ヤン・セジョン、イム・スジョンが共演した「パイン ならず者たち」のステージの模様をレポートする。
本作は、暗い路地裏の照明店を訪れるどこか変わった客人たちをめぐる、切なくも温かい人間愛を描いた感動のヒューマンミステリー。数々の賞レースを席巻した「ムービング」の制作陣が再集結している。
どこかもわからない、暗い街をさまよう人々。一部の記憶をなくした彼らがいたのは、”生と死の境目”の世界だった。なぜ彼らはこの場所に辿り着いたのか、そして元の世界に戻ることはできるのか――。やがて人々は、自身の過去、現在、未来の鍵を握る、ある路地裏の照明店へと引き寄せられていく。そのほか、オム・テグ(「遊んでくれる彼女」)、イ・ジョンウン(「Miss ナイト & Miss デイ」)が共演。「ムービング」でジョンウォン高校の教師チェ・イルファン役を務めたキム・ヒウォンが監督を務め、同じく「ムービング」のカンフルが、自身の原作をもとに脚本を執筆した。
“韓国ウェブトゥーン界の父”の異名をもち、「ムービング」に続き、本作でもディズニープラスとタッグを組むカンフル。「(『ムービング』同様)『照明店の客人たち』も特殊能力を扱うジャンルですが、韓国でホラーやスリラージャンルの作品が長編ドラマで展開されることが少ないので、視聴者の皆さんがどのように受け止めてくれるか気になります。ただ、ストーリーは面白いので自信があります」と、期待をあおった。
本作でチュ・ジフンは、謎めいた照明店の店主ウォニョン、パク・ボヨンは自身3度目となる看護師役を務めた。チュ・ジフンは「個人的にはカンフルさんの学生時代からファンで、物語を見て育ってきたので、カンフルさんの文章を演じながら呼吸を合わせました。キム・ヒウォン監督とは役者対役者としてお会いしましたが、とても現場に対して三人称的な視線を持っていてすごいと思いました」と、制作陣に感謝。パク・ボヨンは「クリップ映像を見た時にも、私たち俳優のケミストリーがとても良かったと思いました」「カンフルさん特有の人間に対する愛が込められていて、特に12月に見るのに良い作品なので、多くの関心を寄せていただけたらと思います」とアピールした。
そして記者からは、ディズニーとカンフルの協業による“カンフル・ユニバース”拡張について、質問が飛んだ。カンフルは、「ムービング」「照明店の客人たち」制作のなかで、ディズニーとの信頼関係を構築できたといい、「ディズニーが私と一緒に仕事をする理由はディズニーにしか分からないと思いますが、これから頑張っていきたいと思います」と、決意を述べる。別のプレゼンテーションでカンフルは、「ムービング」「照明店の客人たち」のリンクを問われ、ネタバレに配慮しつつ、「2作の共通点は背景が2018年であること」と、意味深に語っていた。
キム・ヒウォン監督は、「子どもの頃、世界中の子どもたちがディズニーの漫画や映画、ドラマを見てたくさん泣いたり笑ったりして、ディズニーを見て育ち、感情が動いたと思います。地球に住む全ての人間の感情は同じだと思いますが、カンフルさんの作品には人の心を動かす感情があります。私も、役者さんもその感情に動かされたようです。そしてその感情が作品に溶け込んでいます」と、カンフル作品の持つ普遍性を強調していた。
本作は、あるテレビ局の調査報道チームが奮闘する社会派ドラマ。舞台は、現代のソウル。自分たちのキャリアをかけ、広告主を恐れることなく、さまざまな物議を醸すニュース報道を発信してきた一流の調査報道チームは、ある事件のあまりにも際どい報道が原因で、職を失う瀬戸際に立たされる。番組、そして自分たちの職を守る唯一の方法は、忽然と姿を消した有名俳優をめぐる20年前の未解決事件を解決すること。与えられたタイムリミットのなか、チームの戦いが幕を開ける。
記者会見冒頭に行われたフォトセッションでは、スパンコールが輝くエレガントな黒いドレス姿のキム・ヘスを中心に、チョン・ソンイル、ユ・ソンドン監督が手をつないで登場し、チームワークの良さを見せつけた。調査報道番組のチーム長・ソリョン役を務めたキム・ヘスは、役どころについて、「捜査班長として非常にプロフェッショナルな面もあれば、自由な面もあり、正義を貫くクレイジーなキャラクターとでも言いましょうか。執拗に真実を追い求めますが、一方で頭のなかで、お花畑のような(理想の)世界を夢見る面白い役で、悪者がもっと悪いことをしないように救済するという信念で行動します」と解説した。
撮影中は、ハードな出来事が多かったようで、新人プロデューサーのハンドを演じたチョン・ソンイルは、「私の頭の上に生きたネズミが落ちてくるシーンがありました。私は落ちたと思って演技を続けたのですが、監督から無線で『まだ(頭にネズミが)ついているよ』と言われ、とても驚きましたが、そのシーンがうまくできていたので、そのまま生かしました」と、衝撃の裏話を披露する。
さらにキム・ヘスは、「最初のエピソードの撮影が寒い冬の日で、アクションシーンがたくさんあったのですが、走っていて右太ももの筋肉が破裂してしまったんです。足の怪我なので、私は演技には問題ないと思っていたのですが、大変でした。それで、再び現場をセットして撮影したのですが、そのシーンが結果的にダイナミックに演出でき、みんなが満足しているシーンにもなりました」と、同じくインパクトのあるエピソードを話していた。
続く「キム・ヘスさんとチョン・ソンイルさんは、本作での役が実際のご自身と、どれほどシンクロしていると感じますか?」という質問に、キム・ヘスは「自分自身ではなく、お互いの印象の話をするのはどうでしょうか?」と提案。そして「チョン・ソンイルさんはとても健康的で愉快で素直な人です。『ザ・グローリー 輝かしき復讐』での姿から、演技が完璧に変化し、別の姿を見ることができます。本当にさまざまな顔を持っていると思います」「実際のチョン・ソンイルさんは本当にスマートで純粋で、みんなを思いやるし、陽気です。演技をする時は、本当に宝石のように俳優としての輝きを放ちます。普段はシンプルな方ですが、どうやってこんな細かいところまで表現できるのかと思うほど驚くような面もあります。皆さんもチョン・ソンイルの新たな顔にご期待ください」と、最大の賛辞をおくる。
キム・ヘスの絶賛に、顔と耳を赤くしたチョン・ソンイルは、「ソリョンチーム長を通じて、これまでメディアで見たキム・ヘスさんの姿とは違う新しい姿を見ました。ソリョンチーム長は『狂った変人』というワードのように、実際のキム・ヘスさんの姿とは違いがあります。 しかし、推進力やチーム長としての突き進む力、正義感溢れる堂々とした姿は、普段の姿とマッチするところが多かったように思います。そういう面では、ありのままの姿が反映されたように思います」と、負けじと、キム・ヘスの素晴らしさを伝えていた。
本作は、韓国沖で貴重な財宝が発見されたことを機に、ならず者たちが激しい奪い合いを繰り広げるクライムアクション。1970年代の韓国にて、漁師が海の底で、何世代にもわたって失われていた財宝を発見する。彼らはその財宝の一部を持ち帰るが、やがてその財宝が深海に潜るものを待っているという噂が広まる。そんななか、憂鬱な生活から抜け出したいオ・ヒドン(ヤン・セジョン)は、叔父のオ・グァンソク(リュ・スンリョン)と手を組み、いち早く財宝を手に入れようとする。やがて、ふたりの計画を知った両家族の間に緊張が走る。ノワールの真骨頂を描き大ヒットを記録した「カジノ」シリーズのカン・ユンソンが監督を務める。
記者会見冒頭に行われたフォトセッションでは、登壇陣が、指ハートやルダハート(手を頬に添えてハートを作るポーズ)などを連発。リュ・スンリョンが、向けられた多数のカメラにルダハートを披露するたびに、会場から大きな歓声があがっていた。
会見の最初の話題は、70年代の韓国を表現する方法について。ヤン・セジョンは、「個人的には70年代に関する情報があまりないので、YouTubeを参考にしたりもしました」と述懐。財宝をめぐる騒動のなかで、オ・ヒドンに資金を貸す野心的な女性ヤン・ジョンソク役のイム・スジョンは、「70年代の韓国社会を多く映し出す作品なので、監督もとても気を遣っていて、特に衣装など、さまざまな要素に時代背景を盛り込むために努力しました。ヤン・ジョンソクというキャラクターは華やかでお金が好きな女性ですが、素敵で美しく華やかな外見を表現するために、衣装・メイク・ヘアチームと研究しながらキャラクターの外見を探りました」と明かした。
リュ・スンリョンとカン・ユンソン監督はそれぞれ、「ムービング」「カジノ」に続き本作で、ディズニーと2度目のタッグを組む。リュ・スンリョンは、「『カジノ』をとても面白く見て、監督の連絡先を知らなかったので、SNSでメッセージを送りました。すごく面白かったので、いつかぜひ監督と一緒に作品を作りたいと思っていたのですが、その後すぐに連絡が来たのが『パイン ならず者たち』でした。それで(「パイン」とかけて)「I'm fine」でした(笑)」と、茶目っ気たっぷりに、会場の笑いを誘っていた。
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