柳葉敏郎、12年ぶりの室井慎次を「断ろうと思いました」 いまは「感謝の気持ち」
2024年10月11日 20:13
映画版も大ヒットを記録したテレビドラマ「踊る大捜査線」シリーズの人気キャラクター、室井慎次を主人公に描く映画2部作の前編「室井慎次 敗れざる者」が10月11日、全国381館で封切られた。
東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで、初日舞台挨拶が行われ、室井慎次を演じる柳葉敏郎をはじめ、共演する福本莉子、齋藤潤、前山くうが、前山こうが、筧利夫、矢本悠馬、小沢仁志、飯島直子、本広克行監督が登壇。「踊る」の時間が再び動き出し、新たな伝説が始まる瞬間をファンと分かち合った。
柳葉はオファーを受け取った当初を振り返り、「断ろうと思いました。もう、室井がイヤだったからです」と本音。しかし、本広監督をはじめ、プロデューサーの亀山千広氏、脚本の君塚良一氏らとの打ち合わせを重ねるうちに「皆さんの室井に対する熱い思いが感じられた」といい、「覚悟を決めてやらせていただいた。いまは感謝という気持ちでいっぱいです」と笑みを浮かべた。
撮影の大半は柳葉の地元・秋田県で行われ、「そんなうれしいことはない」と喜びの声。ロケ地について「まあまあ、家(自宅)の目と鼻と口の先で(笑)。お世話になった母校でも撮影したり、うれしい反面、現場に足を向けるのが恥ずかしくて」と照れくさそうに語り、「お世話になった地元の方に、何か恩返しできればいいなと思った」と地元愛も披露した。
同じく12年ぶりにシリーズ復帰を果たす筧は、「大変光栄ですし、絶対に室井さんに恥をかかせるわけにはいかないので、毎日欠かさず練習をやりました」と感激しきり。柳葉との再会も、12年ぶりだったといい「リハやテイクを重ねるうちに、柳葉さんがどんどん室井慎次になっていくので、『やった、これだよ!』と心の中で叫んでいた」とファンの気持ちを代弁し、「前編後編、室井慎次がパンパンに詰まっておりますので、全身全霊で受け止めてください」とアピールした。
そんな“盟友”の言葉に、柳葉は「(筧演じる)新城との共演は、全シーン感動しっぱなし」としみじみ。「筧くんが新城として初登場した、ショッキングな印象もあったし、その後のやりとりで、それぞれ育んだものもあるので、まるで走馬灯のようで……。そこにも感謝の気持ちがある」と思いを語った。
一方、2000年生まれの福本は「素直に驚きました」とオファーを述懐。「しかも、あの日向真奈美の娘ということで、いままで演じたことのない二面性がある役で、周りからも怖い怖いと言われた。(小泉今日子が登場する)当時の映像を見て、話し方や動きを自分なりに研究した」と振り返ると、柳葉は「本当に怖かった~」とその役作りを絶賛した。
劇場版「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」(2012)まで、スピンオフ映画も含め、「踊る」シリーズ全6本でメガホンをとる本広監督は、「これは『踊る』じゃないんです。でも、『踊る』が伝えたい同じテーマが流れている」と説明。11月15日には、2部作後編「室井慎次 生き続ける者」が公開される予定で、「本当にマジで宣伝お願いします。後編もお願いします!」とファンに呼びかけた。
最後に柳葉は「コートを脱いだ室井のこと、皆さんにはどう映ったでしょうか?」と客席に問いかけ、「室井慎次 敗れざる者」については「こんな終わり方、ご不満かと思います」と釈明。「また『生き続ける者』でお会いしましょう」と再会を誓っていた。
初日舞台挨拶に出席したキャストと役名、役どころは以下の通り。
27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」という思いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らしていたがーー。
室井と一緒に穏やかに暮らしている少年。母親が殺された過去をもつ。
警視庁のキャリア組としてかつて室井とライバル関係にあり、共に数々の捜査を乗り越えて、次第に室井のよき理解者となっていった盟友。
集落の地域課・若手警官で、東京からやって来た室井に興奮気味に接する。
室井の故郷・秋田県にある石津牧場の主。東京からやって来た室井に対し、敵対的な態度を取る。
百男の妻。
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