ケイト・ウィンスレット、チューリッヒ映画祭でゴールデン・アイコン賞受賞 「キャリア最高の演技」と評される、リー・ミラーに扮した新作「LEE」語る
2024年10月9日 17:15

今年20周年を迎えたスイスのチューリッヒ映画祭で、ケイト・ウィンスレットが本映画祭のランドマークであるゴールデン・アイコン賞を授与されるとともに、20世紀を代表する女性写真家のひとり、エリザベス(通称リー)・ミラーに扮した話題の新作「LEE」が披露された。

授賞式に登壇したウィンスレットは、チューリッヒに到着するなり15度の気温のなか湖で20分泳いだことを告白。「泳ぎながらなんて美しい街なのかと感激しました。そしてみなさんにこれほど歓迎され、こんな賞を頂けることをとても光栄に思います」と挨拶。続けて「ここでトリビュートの映像を観ながら、こんなに長い間この仕事を続けていたのか、こんなにたくさんの役を演じてきたのかと、我ながら驚きました(笑)。でもみなさんがどうか飽きないことを願っています。わたしはこの仕事を愛していて、演じることが大好きで、映画作りが大好きだからです。(中略)このような機会にインディペンデント映画として作られた『LEE』をお見せできるのをとても嬉しく思います。わたしたちは写真家リー・ミラーの語られることのなかった顔、年齢を経てから女性フォトグラファーとして前線に赴き、戦争の被害者たちの姿を収めたパワフルな女性の姿を描きました。この役にはかつてなかったほどにインスパイアされました」と語り大きな拍手に包まれた。

ウィンスレットはさらにマスタークラスも開催し、自身がプロデューサーも兼ね、ほぼ9年の歳月を費やした本作の制作プロセスと個人的な思いを語った。
「発端はまったく偶然で、知人と休暇を過ごしたときに、ここはリーが訪れたことのある家で、彼女もこのテーブルでご飯を食べた、と教えられたこと。それから彼女のことに興味を持ち調べ始めるとともに、そういえばリーの話はまだ映画になっていないと気づいたんです。その後、息子さんのアントニー・ペンローズさん(映画のベースになった『リー・ミラー 自分を愛したヴィーナス』の著者)に会い、書庫にしまわれた作品群を見せてもらったり、長年交友を深めるなかで映画化が決定的になりました」
その美貌でマン・レイのミューズとして知られ、その後ファッション写真家に転身、第2次世界大戦を機に報道写真の分野で活躍したリーだが、「報道写真家の時代は彼女が決定的に変化したとき。彼女の写真は戦争のヒーローを撮るのではなく、カーテンの向こうに隠れた被害者たちを映し出した。それがとてもユニークだし、女性の視点を感じます。これは戦争についての映画ではない。多くの人が共感できる、女性についての映画です」とコメントした。

映画はクラシックな伝記映画の体裁をそなえながら、ウィンスレットの幅広い演技力に裏打ちされたパフォーマンスに圧倒される。「彼女のキャリア最高の演技」という評価もあり、アカデミー賞へのノミネートはほぼ確実と言えそうだ。(佐藤久理子)
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