チェーンソーを抱く江口のりこに“涼”を感じる 「愛に乱暴」残暑お見舞いカード&エモいメイキング予告公開
2024年8月23日 11:00
原作は、「悪人」「さよなら渓谷」「怒り」など多くのベストセラーが映画化された吉田修一氏の同名小説。人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた著者が、本作では愛が孕むいびつな衝動と暴走を描く。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子(江口)は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。
“残暑お見舞いカード”に写し出されているのは、生い茂る緑の中で夏らしい黄色のワンピースを着てチェーンソーを抱きしめている桃子の姿。その姿に“ひんやりと肝を冷やす”仕上がりとなっている。
本作が撮影されたのは2023年8月。“命に関わる危険な暑さ”という注意喚起が日々呼びかけられる酷暑――この暑さがもたらした狂気が、本作の重要なエッセンスとして本編を彩っている。桃子からの“残暑お見舞い”のボイスメッセージから幕を開ける映像は、暑さに負けない笑顔で乗り切った撮影時の様子と、次々とフィルム番号を記すカチンコを順番にリレーしていく森ガキ組のキャスト&スタッフたちのシーンで構成されている。
本編とは違ったリラックスした笑顔を見せる江口のほか、風吹ジュンや馬場ふみか、斉藤陽一郎らキャスト陣の様子も交え、原作者・吉田氏、森ガキ監督の熱いコメントも挿入。映画製作の過酷さ、それでも大人たちが夢を追う映画という魔術のすばらしさを感じさせるエモーショナルな内容となっている。
森ガキ監督は猛暑での撮影について「浅野忠信さんの記事の中で相米慎二監督の夏の現場についてふれていて、『真夏の暑さのおかげでいいものが撮れる』といった発言を読みました。桃子だけでなく照子や真守も含め、人間のおかしさみたいなものが、この暑さのおかげで出てきた気がします」と振り返っている。
「愛に乱暴」は、8月30日から全国公開。
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