“今年一番の意地悪な映画”を表現 「メイ・ディセンバー」Q-TAが手掛けたオルタナティブビジュアル
2024年7月11日 16:00

「キャロル」のトッド・ヘインズ最新作「メイ・ディセンバー ゆれる真実」から、コラージュアーティストのQ-TA氏が描くオルタナティブビジュアルが公開された。
本作は、全米にかつてない程の衝撃を与えた、90年代に実際に起きた13歳少年と36歳女性のスキャンダル(メイ・ディセンバー事件)の真相を、様々な角度から見つめる心理ドラマ。
“メイ・ディセンバー事件”から23年後。事件の映画化が決定し、主演女優が当事者たちのもとを訪れたことで、当時の真相と現在の本心が浮かび上がる。2人の関係は純愛だったのか、支配だったのか、それとも――。
主人公(女優)による身勝手な憶測、当事者の移ろう心……周囲の人々の証言が絡み合い、全く先が読めないことなどから、「今年いちばん、意地悪な映画」と評されている。
そんな本作をオルタナティブビジュアルとして表現したのは、広告、CM、アパレルブランドとのビジュアルコラボレーション等、幅広い分野でデザインを手がけ、国内外で注目されているコラージュアーティストのQ-TA氏。
Q-TA氏は、本作の“美しいのに恐ろしい”という二面性に着目。劇中で重要なモチーフとなっている鏡を中心に全体を形どるのは、互いに向き合い、心を覗き合う女たち。隠された目やフェンスは、相手を見つめているつもりでも、全てを覗き見ることはできない事を暗示している。
手を添えて外向きに差し出される作られた花と、人物の心に根をはり、下へと伸びていく枯れてゆく花の対比は、一見美しく見えているものも、実はどこか腐っていたり傷を負っていたりする……という人の心のメタファーとして捉えることもできる。よく観察してみると、オオカバマダラ(蝶)の幼虫も描かれていることも、本作を鑑賞するうえで、重要な役割を持っていそうだ。
Q-TA氏は「観る確度によって想像が膨らむように描いた。劇中で、真実が常に揺れ続けるように、このオルタナティブビジュアルの解釈も、観る人によってそれぞれの解釈が出来得るし、“近づくほどに、真実は見えなくなる”のかもしれない」と語っている。
このビジュアルは、劇場パンフレットの表紙に使用されている。「メイ・ディセンバー ゆれる真実」は、7月12日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。
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