主演・監督・脚本:松重豊!「劇映画 孤独のグルメ」2025年1月10日全国公開 ストーリーは“大盛り”な内容に
2024年7月10日 17:09
テレビ東京開局60周年特別企画として、人気ドラマ「孤独のグルメ」の劇映画化が決定。俳優の松重豊が主演に加えて、監督・脚本も務めることが7月10日、都内で行われた製作発表会見で明らかになった。タイトルは「劇映画 孤独のグルメ」で、2025年1月10日に全国公開。放送開始から12年、主人公の井之頭五郎を演じ、「孤独のグルメ」を知り尽くした松重が、監督・脚本(田口佳宏氏との共同脚本)に初挑戦し、スクリーン越しにファンの腹を減らせる。
会見にたったひとり“孤独”に登壇した松重は、「(ドラマ放送が)シーズン10という転換期を迎えて、これからどうするのかというタイミングだった。スタッフの人材も立て直さないといけなくなり、この際、映画化という大風呂敷を広げることになった」と説明。“劇場版”という言葉には「抵抗があった」といい、「ドラマの延長線ではないという覚悟で、物語を成立させたかった」と“劇映画”に対する熱き思いを語った。
当初は、出演作「TOKYO!/シェイキング東京」で縁があるポン・ジュノに監督オファーを出したそうで、「手紙を書いたが、残念ながら、スケジュールの関係で無理だと言われた。完成を心から楽しみにしていると言われたんですけど(笑)」。国内での監督探しも視野に入れたが「日本映画のシステムに、テレ東深夜のスタッフが飲みこまれてしまうのではないかと不安もあって。いっそ、僕が統括として、全体を束ねるのはどうかなと思った」と監督に挑むことになった経緯を説明した。
撮影現場では、井之頭五郎の衣装のまま、演出やモニターでの確認といった“監督業”に勤しみ、「俳優になる前は、映画監督になりたかった。そんなことを40年ぶりに思い出しました。演者を支えることで、僕のメンタルも本当に安定しましたし、楽しかったです」と述懐。「プロデューサーと予算のことで、激しいやりとりもありました(笑)」と明かし、「ものづくりのすべてに関わることができたのは、僕にとって大きな財産」としみじみ語った。
具体的なストーリーについては、「喉元まで出ているが、言えないこともあって」と多くは語らなかったが、「ラブストーリーに大冒険、それに社会を映す鏡のように、いまの日本を照らし出す内容を、劇映画として反映させたかった。一生に一度ですから、やれることは全部盛り込もうと思った」と“大盛り”な内容になっていることを示唆した。
昨年9月にクランクインし、翌10月いっぱいまで撮影。今年1月に追加撮影が行われた。なんと、フランス・パリのエッフェル塔をバックにした撮影も敢行されたといい「最初はプロデューサーから『無理無理無理』って言われたんですけど、何とかしてくれて。それがクランクインだったので、幸先いいスタートが切れた。ユーロ、高かったですね~(笑)」と振り返っていた。なお、映画の公開に先がけ、10月4日からは多彩なキャストを主人公に迎えた、オムニバス形式ドラマ「それぞれの孤独のグルメ」が放送されることも決定した。
「劇映画 孤独のグルメ」は、25年1月10日に全国公開。過去12年間の歴史を振り返り、ドラマの映像と音楽で構成された「『孤独のグルメ』集大成プロジェクトムービー」(https://youtu.be/xne7s_-hizo)が公開されている。
原作:久住昌之、作画:谷口ジローによるハードボイルド・グルメ漫画。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(いのがしらごろう)が、営業先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを自由に食す至福の時間を描く。五郎がひとりで食事を楽しむ様子が、自身のモノローグと共に描かれるスタイルが、「いままでのグルメ漫画には見られない!」と人気を博し、単行本はシリーズ累計150万部を超えるベストセラーとなっている。
2012年1月からは、松重主演でテレビ東京系連続ドラマとしてシリーズ化。深夜にひっそりと放送がスタートするや、食欲をそそる料理と、松重演じる五郎の大胆な「食べっぷり」や「心の声」に多くの共感が生まれ、その魅力にハマる視聴者が続出した。国内のみならず、海外でも絶大な支持を得て、現在シーズン10まで放送。近年は、大晦日スペシャルが風物詩となり、“グルメドキュメンタリードラマの金字塔”として愛されている。
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