大黒友也監督「ゴミ屑と花」公開決定! 中田秀夫監督が応援コメント
2024年6月7日 17:00
第36回東京国際映画祭、第17回田辺・弁慶映画祭ほか国内外の映画祭で注目を浴びた大黒友也監督の初監督作品「ゴミ屑と花」の劇場公開が決定した。第17回受賞作品や受賞監督の新作などを特集上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2024」にて、9月1日から5日にテアトル新宿、9月21日にテアトル梅田にて公開される 。あわせてポスタービジュアルと予告編、場面写真が公開された。
綿密な取材と実際のゴミ収集会社の協力により制作された「ゴミ屑と花」は、ゴミ収集員の仕事を通して描かれる“再生の物語”。後悔や喜び、感情を循環させながら生きていく毎日の中で、転職した主人公、自営業の店主、サラリーマン、外国人の主婦らが行き交う一夜を30分の短編映画として撮り上げた。大黒監督は、中田秀夫、黒沢清、三池崇史といった日本映画界を牽引する監督たちの現場に参加してきた新鋭。
大黒監督は「この物語を書く時に、様々なゴミ収集員の方に取材をした。その中でゴミ収集の仕事を『ゴミ屋なんて誰でもできる、大したことない仕事』だと寂しそうに言う人がいた。そんなことはない、と私は強く伝えられなかった。軽く、『そんなことないですよ』としか伝えられなかった。コロナ禍ではエッセンシャルワーカーの存在が脚光を浴びた。制限がかけられ、これからどうなるのか正解が分からない不安を感じた日々。その日々を支える人々に改めて感心する中で、その人はそう言った。だから私はゴミ収集の世界を描いた一夜の物語を、ゴミ収集員の方たちに向けて届けたいと思った。『そんなことはない』と、その人に強く伝えるために。この映画がたくさんの人の心に届くことを願っています」と述べている。
夜の街をゴミ収集車で駆ける主演のふたりを演じたのは、「唄う六人の女」(2023) 出演のほか、映画、ドラマ、舞台など、メジャー、インディペンデントを問わず数々の作品に活躍する植木祥平と、「ボクたちはみんな大人になれなかった」(2021) 出演のほか、モデルやパーソナリティなど幅広く活躍する花柳のぞみ。
植木は「ゴミ収集員の方の背中は、広く大きく、とてもカッコよかった。輝いて見えた。私たちが毎日気持ちよく朝を迎えることができるのは、こういう方々のおかげだと。どこまでも清く美しく、誇り高き仕事。まさに、ヒーローだ。私たちの日常の暮らしの背景には、こうしたヒーローたちの存在がある。そんな事を思いながら、私は今朝もゴミを出す。以前より少し優しい気持ちになれた特別な朝」などとコメント。
花柳は「どんな風に続いてゆくのだろう、自分の役者の道は、人生は。と思い悩み鬱々としていた時に出会った作品でした。撮影が終わって思ったことは、淡々と日々やるべきことをやるしかないのだ、と。それが明日に繋がっていくと信じて。これは『ゴミ屑と花』に出会ったおかげで気づいたことです。皆さんがこの映画に出会ってどんなことを感じるのかとても楽しみです」とコメントしている。
そして、「未明の道をひたすらに往くゴミ収集車の後ろ姿に見惚れた。機能的なはずのその姿は、主人公たちの人生の伴走者のようで、大きな包容力と無上の優しさを感じさせる」と中田秀夫監督が応援コメントを寄せている。
「田辺・弁慶映画祭セレクション2024」は、8月23日から9月12日までテアトル新宿、9月20日から26日までテアトル梅田で開催される。なお、第18回田辺・弁慶映画祭は11月8日から10日までの3日間、和歌山県田辺市の紀南文化会館(予定)で開催。コンペティション部門の作品7月12日まで募集している。
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