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柴咲コウは「獰猛」!黒沢清監督が動きを絶賛「『バトル・ロワイアル』を超えた」

2024年5月20日 21:00

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黒沢清監督も絶賛
黒沢清監督も絶賛

黒沢清監督が98年に劇場公開した自作「蛇の道」を、フランスを舞台にセリフリメイクした同名作の完成披露試写会が5月20日、グランドシネマサンシャイン池袋で行われ、柴咲コウ西島秀俊青木崇高、黒沢監督が出席した。

本作は、何者かによって愛娘を殺された父、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)が、偶然出会った精神科医の新島小夜子(柴咲)の協力を得て、犯人を突き止め復讐することを生きがいに殺意を燃やしていくリベンジサスペンス。オールフランスロケが行われた。アルベールの復讐に協力する小夜子に扮した柴咲は「先ほどちょうど1年前の今日が、この映画のクランクアップだったと聞きまして。撮影が終わって充足感でいっぱいだったのが、1年前の今日。1年後の本日、皆様に映画をご覧いただけることをうれしく思っています」と喜びを噛み締めた。

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セルフリメイクに挑んだ黒沢監督は「すべてフランスロケをしました」と本作を紹介しながら、「ひょんなことで、自分の作品をもう一度作ることになった」とにっこり。「25年以上前に撮ったものは、Vシネマで哀川翔さん主演のものだった。脚本を書いたのが、僕の友人の高橋洋という男で、彼が書いた脚本が非常に面白くて。そのVシネマは自分でもよくやったなと思いますが、僕の作品というよりは、高橋色が強い、高橋洋の映画になった。それはひとつの傑作だと思っていますが、もう一度自分の色に染め直したいなと思ったんですかね。高橋色を抜いて、同じ物語を僕がイチから構築したらどうなるかなと思ったのが、リメイクしたきっかけです」と経緯を明かした。

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柴咲は「現場は黒沢監督の人柄もあって、それぞれがお互いをリスペクトする感じ。言葉の壁もあるはずですが、そういったものを感じさせないような、すごくいい雰囲気で終始撮影ができた」と黒沢監督との仕事に感激しきり。黒沢監督とは5度目のタッグとなる西島は、心を病んだ小夜子の患者・吉村役を演じた。西島は「黒沢監督は、フランスでも尊敬されている。黒沢監督の組、独特の空気がある。スタッフのみんなが、監督がどんな演出をするんだろうとワクワクしている。監督が何を言い出すんだろうという空気に満ち満ちている。どこで撮っても、黒沢監督の組はこうなんだなと思いました」と印象を吐露。また小夜子の夫、宗一郎に扮した青木は「僕の撮影自体は、日本でも撮れるかもしれないというシーンだった。それでも撮影現場に呼んでくださって、温かい組の中で、皮膚感や温度を感じながら撮影に参加させていただけた。自分のとっても大きな財産です」と目を細めていた。

「今回の主人公は女性がいい」と考え、柴咲を主演に抜てきした黒沢監督。「動きがすごいですね。獰猛というか」と楽しそうに柴咲の俳優力を絶賛しつつ、「『バトル・ロワイアル』を超えたんじゃないかと思う。柴咲コウってこんなに動けるのという。もちろんそれだけではないんですが、肉体のものすごさは必見に値すると思います」とアピール。柴咲は「蛇のようなしなやかさ。サササー、パクッ!みたいな感じですかね」と続き、会場を笑わせていた。

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柴咲はフランス語の厳しいレッスンに臨み、現地で実際に生活をしてパリで暮らす謎多きヒロインを自分のものにした。「クランクインの半年くらい前から練習できるようにとお願いをしたんですが、なかなか日取りが合わなかったり、ちょっとずつ練習を開始して。クランクインの3カ月くらい前になって『このペースでは間に合わなくない?』と焦り始めて、ものすごく集中して取り組んでいった」と述懐。さらにクランクイン約1カ月に渡仏し、「アパートを借りて自炊をしながら、マルシェで野菜を買って、とぼとぼと歩き、玄関の扉を開け、キッチンで料理を作るという毎日を重ねて、1カ月かけて馴染んでいきました」と特別な役作りについて振り返った。西島は「フランス語を話せる方なんだなと思った」と率直に打ち明け、「そうしたらこの作品のために勉強をされたと聞いて、本当に驚いた。相当な努力をされる方なのかなと思っています。セリフも、僕から聞くと本当にナチュラルに話されていた。現場にも馴染んでいた」と柴咲を称え、青木も「佇まいが、ずっとパリで生活をしている女性像になっていてすごく驚きました。立ち姿が美しかった」と惚れ惚れ。

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黒沢監督は「ダミアン・ボナール、マチュー・アマルリックグレゴワール・コランスリマヌ・ダジなどフランスで有名な、癖のある強烈な俳優たちが次から次へと出てきます。一癖も二癖もある強烈な彼らのなかで、柴咲コウがどのように立ち回り、彼らをどのように手懐け、彼らをどこに連れて行くのか。いまここでしゃべっていらっしゃる柴咲さんとは全然違う、もうひとつの恐ろしい柴咲コウが見られると思います」と自信をにじませながら、会場に呼びかけていた。

蛇の道」は6月14日から公開。

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