エリザベス・モスが“魔女”と呼ばれた作家を怪演 「Shirley シャーリイ」7月5日公開決定&場面写真披露
2024年4月17日 14:00
エリザベス・モスが主演を務め、2020年のサンダンス映画祭でUSドラマ部門審査員特別賞を受賞した「Shirley シャーリイ」が7月5日よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開されることが決定した。あわせて、場面写真7点が一挙披露された。
本作は、スティーブン・キングも影響も受けたと言われるゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記に現代的な解釈を加えた心理サスペンス。メガホンをとったのは、「Madeline’s Madeline(原題)」(18)や、A24とApple TV+が共同制作した「空はどこにでも」(22)などで知られる奇才ジョゼフィン・デッカー。初長編「Butter on the Latch」(13)に惚れ込んだ巨匠マーティン・スコセッシが製作総指揮に名乗りをあげた。
映画はシャーリイの小説に加えて、配偶者で文芸評論家でもあったスタンリーとの数百通の手紙をもとに製作。作家自身を描きながら、シャーリイの小説世界に迷い込んだかのような幻惑的な映像となっている。
デッカー監督はシャーリイについて、「ある批評家か伝記作家が<シャーリイは政治的な作家ではない>と指摘していたが、しかしシャーリイは私的なレベルにとどまりつつ政治を意識していたと思っている」と話す。そして「だからこそ彼女の作品は今でも響き続けるのだ。彼女の作品は非常に人間的だから時代を超えて読まれている。シャーリイは非日常的な設定、心理描写、あるいは潜在意識に訴える巧みなリズムを使って人種差別、階級差別、性差別と闘っていたのだ」とその魅力について語っている。
脚本を手がけたサラ・ガビンズは、シャーリイが長年、文学とかけ離れたホラー作家として扱われてきたことについて異議を唱える。「彼女は数多くの短編や長編を残したが、ホラー作品によくある吸血鬼やゾンビや幽霊や神話上の怪物は登場しない。その代わり日常のありふれた風景の中に恐怖を見出すのがシャーリイの小説の特徴でもある。<人間こそ恐ろしい怪物であり、私たち自身の精神が血に飢えた悪魔的な妖怪であり、私たちの社会はのどかなパーティーを楽しみつつ石打ちの刑にも加われる気まぐれな人々の集まりである>」と解説している。
1948年、「ニューヨーカー」誌上に発表した短編「くじ」が一大センセーションを巻き起こした後、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイ(エリザベス・モス)は、スランプから抜け出せずにいた。小説の題材は、未解決となっているベニントン大学に通う18歳の少女・ポーラの失踪事件。ベニントン大学教授で夫のスタンリー・ハイマン(マイケル・スタールバーグ)は、シャーリイの機嫌をとって執筆へ向かわせようとするが、うまくはいかなかった。
一方、ハイマンの補佐として職を得たフレッド(ローガン・ラーマン)と彼の妻ローズ(オデッサ・ヤング)は、新居が見つかるまでの間、シャーリイとスタンリーと共同生活を送ることに。シャーリイは他人が家に上がり込むことを毛嫌いしていたが、ひどい扱いを受けても自分の世話を焼くローズを通じて、執筆のインスピレーションを得るようになる。ローズもシャーリイのカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていく。
場面写真には、森の中に机を置いて新作を執筆するシャーリイや、彼女がローズをたしなめる様子などがとらえられ、不穏、困惑、希望を感じさせるカットとなっている。
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