石原さとみ“覚悟の演技”が圧倒的迫力 6年越しの想いが叶った「ミッシング」予告&ポスター公開
2024年3月20日 10:00
ある日突然いなくなった愛する娘。その帰りを懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒されながらも、いつか必ず会える、その日を信じて――。“人間描写の鬼”吉田監督が「自分のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る本作。2022年の出産後、1年9カ月ぶりの芝居に臨んだ石原は、出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じ、これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んでいる。
予告編は、「なんかまたひどいこと書かれてるんだけど」と低い声で吐き捨てるように呟く沙織里の姿からスタート。険しい表情で見つめるパソコンの画面には、沙織里へのバッシングが並んでいる。娘が行方不明になってから3カ月が経ち、地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)は誠意ある取材を続けるが、放送される番組は局の方針で煽情的な内容にせざるを得ない。世間の関心はいつの間にか沙織里の行動を非難する悪意ある書き込みとなって沙織里や夫の豊(青木崇高)を苦しめていた。
沙織里の弟・圭吾(森優作)も誘拐犯の疑いをかけられ、世間の好奇の目に晒される。家族であるはずの圭吾にも掴みかかっていくほど、心を失っていく沙織里たちの姿は見る者の心を揺さぶっていく。そして、様々な思いを胸に必死にもがき翻弄される場面から一転、暗い画面に響く着信音は、沙織里たちに何を知らせようとしているのか……。
わずか1分27秒の予告編からは、ギリギリまで追いつめられる主人公・沙織里の“とてつもない感情のうねり”が伝わってくるだろう。6年前に自ら伝手を頼り「吉田さんの映画に出たいです」と直談判したという石原は、「こういう作品がやりたかったんだ、それが完成したんだ! 本当に嬉しい。夢が叶ったなと思いました」と熱く語る。
中村は、撮影で一番印象的だったことは「(石原さんが)心身をすり減らしながら芝居をする姿。それが一番ですね」と明かし、青木は「この役と向き合うこと自体が(第一子出産後の石原さんにとって)とても怖いことだと思うんです。“パン”と(現場とプライベートで)器用に切り替えてできたとしても、そういう向き合い方はしたくない、そんな役だと思います。母親というものの深さ、大きさ、偉大さ、というものを改めて感じました」と語り、石原の“覚悟の演技”を称賛している。
ポスターは「わたしたちは、心を失くしてしまったのか?」というキャッチコピーのもと、茫然自失の沙織里が配されている。しかし、中段の涙がこぼれる瞬間の沙織里にはかすかな生気も感じられ、その表情を虹色の光が優しく照らし、出口の見えない日々の先にある、かすかな希望を感じさせるデザインとなっている。
「ミッシング」は、5月17日から全国公開。
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