ビクトル・エリセ最新作「瞳をとじて」本編映像 過去と現在、二人の記憶の物語
2024年1月29日 17:00

名作「ミツバチのささやき」、「エル・スール」で知られるエリセ監督の最新作は元・映画監督と謎の失踪を遂げたかつての人気俳優、ふたりの記憶をめぐる人生と映画の物語。
エリセ監督のデビュー作「ミツバチのささやき」撮影当時5歳で主演に抜擢されたアナ・トレントが50年ぶりに同じく“アナ”の名前を持つ女性を演じ、失踪した元人気俳優の娘役という重要な役どころを演じる。
本作は、ある俳優が失踪事件を起こす直前に撮影された映画「別れのまなざし」の物語、そして、その俳優の親友が22年ぶりに失踪事件と向き合っていくという現実世界という二つの物語が描かれる。このほど公開された映像では、その二つの物語の繋がりが確認できる。
22年前に撮影された劇中映画「別れのまなざし」のあるシーンから始まる。失踪した俳優・フリオが演じるフランクはある男から14歳になる娘ジュディスを連れて帰ってきてほしいという依頼を受ける。そして、時は現代に切り替わり、フリオの親友であり、未完に終わってしまった映画「別れのまなざし」の監督も務めていたミゲルが未解決事件を扱う番組の司会者と打ち合わせをする場面が写し出される。ミゲルはこの番組を通して22年ぶりにフリオを探すことになる……。

映画のアイデアについて、エリセ監督は「『瞳をとじて』は、数年前に書いた物語から生まれた。主演俳優の失踪によって撮影が中断され、二度と再開されなかった映画の話だ。その未完成の映画に、当初、余り重要性はなかった。後に、登場人物を映画監督にしようと思いついたことで、重要な意味を持つようになった。この登場人物が、映画の中のもう一本の映画というアイデアを持ち込んだからだ」とストーリーの成り立ちを明かす。
また主人公を映画監督にしたことについては「私は映画の脚本を、自分で書いている。その半分は経験したこと、半分は想像から生まれた。だから、私が人生において最も関心を抱いていることが、作品のテーマだと考えるのは自然なことだ」と言葉にしており、自身がモデルとなった可能性をほのめかしている。時を超えて明かされる、二つの物語と二人の友情の結末をスクリーンで見届けてほしい。
2月9日から、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。
(C)2023 La Mirada del Adios A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.
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