「オーストラリア先住民映画祭2024」2月3日開催　日本初上映の5作品、オンライン鑑賞は無料

オーストラリアの先住民（アボリジナルの人々とトレス海峡島嶼民）は6万年以上前からオーストラリアに住み、世界でも最古に属する文化の伝統を守ってきた。18世紀に始まったヨーロッパ人の入植が、彼らの生活に大きな衝撃を与えたが、それでも先住民文化は生きながらえ、今もその精神性、土地との繋がりは様々な芸術を通じて表現されている。

1960～1970年代にかけてテレビが家庭に普及する中、先住民の権利回復運動の高まりと相まって、この口承に基づく文化から、新たな表現手段としての映画が先住民自身により製作されるようになった。1990年代には、オーストラリアの映画機関の振興策により、新しい先住民の映画製作者たちが相次いで登場、ウォリック・ソーントン、レイチェル・パーキンズ、リア・パーセルら、先住民の監督は世界で活躍している。

このほど初開催となる「オーストラリア先住民映画祭2024」では、珠玉の5作品を紹介する。“砂漠の王者”の称号獲得に人生をかけるライダーたちを追ったドキュメンタリー映画「フィンク 悠久の大地を駆ける」、オーストラリアの女優リア・パーセルが1893年のオーストラリア奥地を舞台に人種差別と女性蔑視を取り上げたスリリングな「家畜追いの妻　モリー・ジョンソンの伝説」。短編作品では、ベネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭でも評価の高いウォリック・ソーントン監督が先住民コミュニティ向けラジオ局のある一夜を描いた「グリーン・ブッシュ」、古いしきたりによって許嫁となった見ず知らずのふたりをみずみずしいタッチで描いたラブコメディ「マイベッド、ユアベッド」、ヌラヌラ（こん棒）を振り回す老婆たちに立ち向かう白人の若手警官を描いた「ヌラヌラ」は、西部劇の雰囲気を感じさせる軽妙なコメディだ。

「家畜追いの妻　モリー・ジョンソンの伝説」の監督・主演リア・パーセル、プロデューサーのベイン・スチュワートが来日し、トークイベントも行われる。

オーストラリア先住民映画祭 2024は、2月3日ユーロスペースにて開催。チケット、スケジュールは公式HP（https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/filmfes2024.html）で告知している。ユーロスペースでは各プログラム各500円（均一）、オンライン配信は無料。