【細部のこだわりがすごい】「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」セット写真&美術設定画&VFXメイキング入手
2023年12月22日 07:00
福原遥と水上恒司が主演する「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(公開中)から、1945年の戦時下を完全再現した大規模セットの写真、美術設定画、VFXのメイキング映像(https://youtu.be/jmo1g8vr-IY)などを、映画.comが独占入手した。映像や小道具など、こだわり抜かれたディテールが垣間見える。
本作は、SNSを中心に話題となり、シリーズ累計発行部数90万部を突破した汐見夏衛氏のベストセラー小説(スターツ出版文庫刊)を映画化するもの。現代の女子高生・百合(福原)が1945年の日本にタイムスリップし、特攻隊員・彰(水上)と出会い恋に落ちるさまを描く。「光を追いかけて」の成田洋一がメガホンをとり、主題歌は福山雅治による書き下ろし曲「想望」に決定している。
撮影は4月~5月、関東近郊を中心にオールロケで敢行された。百合が彰と出会い、日々を過ごした街並みは、約1カ月かけて建設されたオープンセットで再現。披露されたセット写真には、戦時下の再現とあって、質素な住宅の壁や電柱にある「ぜいたくは敵だ!」と強く殴り書きされた看板や、戦闘機に使うための銀の供出を促すポスターが確認できる。戦争に疲れ切った庶民の戦意を高めようとするものばかりで、当時の世間を支配していた空気が伝わってくる。そんななかで、布団や洗濯物が干されている家屋、使いこまれた野球の道具、貴重な癒しだったであろう甘味処の暖簾なども切り取られ、殺伐とした時代にも存在していた人々の日常を想像させられる。
なかでも注目ポイントは、百合が身を寄せる「鶴屋食堂」のセット。ツル(松坂慶子)が営む食堂は、彰ら特攻隊員なじみの軍指定食堂で、さまざまなドラマが繰り広げられる物語の中心ともいえる場所。美術の丸尾知行は、「意外と大変だったのは窓。竹の枠を格子状にして全て作っていますが、今どきこういうタイプの窓はほとんどないので手間はかかっています」と話す。そんなセットのベースとなっている美術設定画にも注目だ。
さらにVFXで作り上げられた本編のビフォーアフター映像では、一面に咲く百合の丘が再現され、食堂周辺の街並み・背景などが細かく調整されている過程が分かる。インドネシアのVFXチームと連携しており、VFXスーパーバイザーの山口幸治によると、日本家屋独特の構造を説明するのは一苦労だったそう。「窓の比率などを調整するのが大変でしたね。光の表現も難しかったですが、360度全方向撮れるカメラを活用し、光を何段階にも分けて撮影できたのは大きかったです」と、振り返る。
特攻隊員が飛び立つ戦闘機・隼の映像は、VFX作業で最も時間と苦労を要した部分。ポストプロダクションを担う朝海清史は、「コックピット部分を実際に制作してもらったのは、非常に助けになりました。よく見ると翼の部分に片方は爆弾、片方は燃料を積んでいるのがわかると思います。片道切符である特攻隊の現実を表現するため、密かにこだわった部分ですね」と解説した。
物語の主人公は、親や学校、全てにイライラして不満ばかりの女子高生・百合。ある日、母・幸恵(中嶋朋子)と進路をめぐって喧嘩をする。家出した百合は近所の防空壕跡に逃げ込むが、目が覚めるとそこは1945年6月、戦時中の日本だった。彼女は偶然通りかかった彰に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる。そこで、女将のツル、勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋崎斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)らと出会う。日々を過ごすなかで、彰の誠実さや優しさに惹かれていく百合。しかし、彰は特攻隊員で、程なくして戦地に飛び立つ運命だった。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
十一人の賊軍
【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。
提供:東映
知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”
【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーンに急いで!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛
提供:東和ピクチャーズ
ヴェノム ザ・ラストダンス
【エグいくらい泣いた】「ハリポタ死の秘宝」「アベンジャーズ エンドゲーム」ばりの“最高の最終章”
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
予告編だけでめちゃくちゃ面白そう
見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?
提供:ワーナー・ブラザース映画
八犬伝
【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作
提供:キノフィルムズ
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。