今週末公開映画で“意外な結果”!個人的最推し作品は「パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー」だった【コラム/細野真宏の試写室日記】
2023年12月15日 07:00

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)
そろそろ各映画会社が年末年始を含む「冬休み映画」として勝負作をリリースしていきます。今週末12月15日(金)は、まさに超大作が複数リリースされるタイミングです。
そんな中、私が今週末で一番推したいと思った作品は“意外な結果”。
「パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー」でした。
正直なところ、本作にはほぼ期待せずに「とりあえず見ておいた」という感じでした。
一方、その他の超大作群は、期待値を上げて見ていました。
この時点で「超大作群=ハードルが上がっていて不利」「本作=ハードルが下がっていて有利」になっています。
とは言え、実際に「パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー」が面白かったのは事実なので、今回は、決してメジャーではない本作を紹介します。
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まず、本作は、2021年8月20日に公開された「パウ・パトロール ザ・ムービー」に続く、劇場版第2弾です。
(日本では途中にイオンエンターテインメント配給で他の作品が上映されていますが、それはテレビシリーズのスピンオフのような作品で、東和ピクチャーズ配給作品が正式な映画となっています)
私と「パウ・パトロール」シリーズの最初の出会いは、第1弾の時でした。
宣伝担当者と話してみると、「コア層」には、かなりの支持を得ているシリーズということでした。
では、その「コア層」はどんな内訳なのかというと、圧倒的に女児に人気ということです。
もう少し具体的に言うと、“「プリキュア」シリーズに入る前の女児”といったイメージなので、「かなり狭いコア層」のように思えます。
ただ、その「コア層」が強く、コロナ禍での公開だった第1弾「パウ・パトロール ザ・ムービー」は興行収入2億9800万円と、ほぼ3億円を稼ぎ出しているのです。
日本では、2019年4月6日からテレビ東京系列で放送されていて、徐々に「コア層」が増えてきているような気がします。
というのも、基本的に人気コンテンツしか登場しない日本マクドナルドの「ハッピーセット」のおもちゃとして、2023年3月3日に初登場しています。
そして、満を持して2023年12月15日から再び「ハッピーセット」に登場するのです!
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第1弾の「パウ・パトロール ザ・ムービー」は日米同時公開でしたが、第2弾の「パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー」は、アメリカでは一足早く2023年9月29日から公開されています。
そして、並み居る強豪作品を押さえて「全米興行収入ランキング1位」(9月29日~10月1日)を記録しているのです!
2週目以降も好調で、2週目は2位、3週目は3位、4週目は4位、5週目は6位、6週目は7位、7週目は10位と、7週にわたって全米興行収入ランキングベスト10にランクインしています。
また、レビューサイトRotten Tomatoesでは、批評家は72%となっていますが、一般層は94%と圧倒的な支持を得ているのです!(2023年12月14日時点)
このような状況も納得できるほど、本作は面白く仕上がっていると思います。
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「パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー」というタイトルからも連想可能ですが、「スーパーパワー」がモチーフとなっています。
その結果、マーベル作品やDCコミックス作品のオマージュが溢れています。
ただ、このような仕組みの作品はこれまでにもいくつかあり、正直なところ、それほど上手く機能せずに失敗していると感じていました。
ところが、本作の場合は、「マーベル」と「DCコミックス」を掛け合わせたような作品でも、「パウ・パトロール」の軸がしっかりとしているため、「ヒーロー映画のお手本」のような出来に仕上がっているのです。
本作を見ながら思っていたのは、まさに「ヒーロー映画のお手本」ということ。
かつて絶好調だった「マーベル」と「DCコミックス」映画が、やや迷走しているように感じていますが、実は本作のようにシンプルな骨格で良いのではと感じました。
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さて、本作の興行収入は、アメリカのような大ヒットを期待したいところですが、まだ日本だとそこまでは強くないと思われます。
ただ、着実に「パウ・パト」のファン層は、コア層の女児に加え、両親などにも広がってきているように感じています。
そこで本作では興行収入5億円は稼いでほしいところですが、果たして「パウ・パト」のファン層はどのくらいのマーケットになりつつあるのか注目したいです。
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ちなみに、私は何の資料も見ずに吹替版を見ましたが、「トラブルメーカーの科学者」役の声については「あ、絶対に知っている人の声だ」と確信しました。
そこで、作品を見ながら、知っている声優、芸人などを頭の中で検索し続けましたが、なぜかヒットせず、エンドロール後のクレジットで「仲間由紀恵」だと判明しました。
その意味で、作品に全集中するためにも事前に、出番の多い初登場キャラクターの声が誰なのかは知っておいたほうがいいと感じたので参考までに。
(C)2023 Paramount Pictures. All rights reserved.
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