綾野剛&柄本佑「花腐し」の“お尻の描写”に感嘆「たくましく、美しかった」
2023年11月11日 13:25
松浦寿輝氏の芥川賞受賞作を「火口のふたり」の荒井監督が自らの脚本で実写化。斜陽の一途にあるピンク映画の世界で監督をする男と脚本家志望の男、2人がかつて愛したひとりの女が織りなす愛の物語がつづられる。
“雨”が本作の大きなモチーフのひとつとなっているが、前日の公開初日に雨が降ったことに登壇陣一同は感慨深げ。綾野は「この映画を迎え入れてくれているような恵みの雨だと感じました」と語り、柄本も「良い映画ってそういうものが味方してくれる。映画の神様がついてくれていると思う」と笑顔を見せる。
綾野は、荒井監督が本作を「レクイエム映画」と評していたと明かしたが、荒井監督は本作をどんな思いで撮ったのか? という問いに「取り戻せない過去――『取り戻せない』ということで、ハッキリしているのは人の死ですけど、この年になると青山真治とか斎藤久志とか年下の連中も死んでいっちゃうんだよね……。いつ自分の番が来るか? と思いつつ、人が死んでいなくなっていくことに対する気持ちをやってみたいと思った」と語る。
綾野は本作への出演を決めた理由について「もう素直に荒井監督の現場に行きたいと思いました。とにかく脚本から映画の匂いがわき立っていて、そんな脚本に出合えたことは、ご褒美のような気持ちで、畏怖よりも飛び込んで一緒に作っていきたいという思いでした」と語る。
柄本は「火口のふたり」に続く荒井組となったが、「やっぱり本が面白い! 荒井さんのファンっていうのが、シンプルな理由」と頷く。さとうはオーディションでの出演となったが「おふたりがおっしゃった通り、荒井監督の作品に携わりたかった。映画好きの3人(綾野、柄本、荒井監督)と一緒に作らせていただきたいと挑みました」と振り返った。
劇中の大胆な性描写に話が及ぶと、柄本は「『火口のふたり』で、だいたいのお尻は出し尽くしたかと思ったら、こういうお尻が残っていたか! 『あぁ、なるほどな』と思いました。お尻って掘れば掘るほどあるんだなぁって…」と“迷言”を放ち、綾野も「果てしない! 本当に勉強になりました。たくましく、美しかったですね」としみじみと感嘆し、会場は爆笑に包まれていた。