イングマール・ベルイマン「仮面 ペルソナ」、人工知能で主演女優の顔を“交換”
2023年10月3日 09:00

北欧最大の国際映画祭であるヨーテボリ国際映画祭が、巨匠イングマール・ベルイマンの名作「仮面 ペルソナ」を、人工知能(AI)を活用して新たなバージョンを制作したことを発表した。
米Deadlineによれば、ヨーテボリ国際映画祭は、SFスタジオ、ヨーテボリ・フィルム・スタジオ、イングマール・ベルイマン財団と提携し、リブ・ウルマンをアルマ・ポウスティ(「TOVE トーベ」「Kuolleet lehdet」)に置き換えたAI生成版を制作した。
ウルマンが演じたエリーザベト・フォーグラーの顔は、新しいAI技術によりポウスティの顔に置き換えられた。ヨーテボリはこのプロジェクトを「映画的実験」と表現し、AI生成版を「Another Persona」と命名。2024年のヨーテボリ国際映画祭で関係者向けに上映され、リブ・ウルマンとアルマ・ペイスティが出席し、上映後に演技とテクノロジーに関するディスカッションが行われる予定だという。
ヨーテボリ映画祭アーティスティック・ディレクター、ヨナス・ホルムベルグは、「少なくとも、ハリウッドでのストライキは、AIに関連した制作の可能性と労働市場の脅威に関する重要な議論を呼び起こした」とコメント。「私たちは、この議論に芸術的で実存的な次元を加えたいと考えており、イングマール・ベルイマンの比類なき映画と関わることでそれを実現したいのです。『Another Persona』は、他に類を見ないほど示唆に富み、非常に不穏な映画体験となることでしょう」。
イングマール・ベルイマン財団のCEOであるヤン・ホルンベルクは、「ベルイマンの芸術性の管理者として、私たちイングマール・ベルイマン財団とSFスタジオは、『Another Persona』素晴らしいプロジェクトだと考えています」と追随。「ベルイマンの1966年の映画の中で『すべてのイントネーションは嘘であり、すべてのジェスチャーは偽造である』というセリフがあります。この言葉は、自分自身を機械にアウトソーシングすると同時に本当の自分を探し求めている現代において、さらに真実味を増しています」と述べた。
「Another Persona」で“主演”を務めるポウスティは、今年の第76回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したアキ・カウリスマキ監督の「Kuolleet lehdet」の主演女優。「ムーミン」の原作者として知られる、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生をつづった「TOVE トーベ」(上映中)でも、トーベ・ヤンソンを演じている。
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