「悪鬼」主演のキム・テリ、悪鬼にとりつかれた演技は「恨(ハン)に集中しました」
2023年7月10日 15:00
ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で独占配信中の「悪鬼」(読み:あっき)の製作発表会見が、韓国・ソウルで行われ、主演のキム・テリをはじめ、共演するオ・ジョンセ、ホン・ギョン、イ・ジョンリム監督が登壇し、記者たちの質問に応じた。
本作は、この世のものではない悪鬼にとりつかれた女と、その悪鬼を見ることのできる男が疑惑の死を暴くオカルトミステリー。数々のヒット作を手がけ、日本では「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」のオリジナルである「シグナル」で知られるキム・ウニが、脚本を担当している。
悪鬼にとりつかれる主人公・サニョン役を演じたのは、日本映画をリメイクした「リトル・フォレスト 春夏秋冬」で主演を務め、2022年に韓国で放送された青春ドラマ「二十五、二十一」での演技も光ったキム・テリ。「全12話にストーリーがぎっしり詰まっているという印象で、構造的にも完璧で、とても面白い。民俗学という題材も新鮮でしたし、韓国に存在するさまざまな事情を持った“霊”たちのエピソードがたくさん盛り込まれているところにも、興味が湧きました。キム・ウニさんが、“青春”を物語のなかに溶け込ませるとおっしゃっていた点も、気になりました」と、脚本の魅力を語った。
悪鬼にとりつかれた姿と、本来のサニョンというふたつの顔を演じ分けるキム・テリの演技が、大きな見せ場だ。「とても難しかったです」と苦労を明かし、「悪鬼にとりつかれた姿を演じる際には、“恨(ハン)”に集中しました。悪鬼が何に怒っていて、何が悔しいのか。悪鬼の感情をどの程度の強さで演じるべきか。そんなことに集中して演じました」と、役づくりを振り返った。
サニョンの人物像については、「自分のことよりも、生活力のない母親を守ることを優先して生きてきた若者。未来に対して、具体的な見通しはなくとも、たくましく歩んでいくところは私と似ていると思います。サニョンは、悪鬼にとりつかれなければ、私がこれまで演じてきたキャラクター同様、強い子です。そこは私とは違うかな。私は人に流されるタイプなので(笑)、そこは似ていないかもしれません」と語った。
「ヒット作にこの人あり!」と言われる名バイプレイヤーのオ・ジョンセが、悪鬼の姿を見ることができる民俗学者ヨム・へサンを演じている。「ヘサンはウィットもなく、社会性も乏しいキャラクター(笑)。それでも、ドラマが終わる頃には、彼の魅力が見えてくるといいな、という思いを持っています」と、報道陣の笑いを誘った。
当初は「幽霊が見える演技を、どうやってやればいいのかと悩んでいた」というが、キム・テリの熱演に触れ、「ただ、彼女の演技にリアクションをすればいいだけなんだと気づき、心が穏やかになった」と感謝の意。ヘサンが悪鬼と対峙したり、祭祀を行ったりするシーンにも強い影響を受けていると語った。
23年、“最も期待されるライジングスター”と名高いホン・ギョンが担うのは、ソウル庁協力犯罪捜査隊で働くホンセ役。会見では、実力派スターに囲まれ、緊張した面持ちだったが、「すばらしい先輩方が参加しており、さらにキム・ウニさんの作品に出られるというワクワクする気持ちで台本を読みました」と、初々しいコメントを寄せた。
役どころについては、「社会に出たばかりの若者は、既存のマニュアルや方式とぶつかったり、そのせいで、自分の信念や自分のやり方が間違っているかもしれないと思ったりするときがありますよね。それでもホンセは、くじけずに堂々と自分の考えを貫くんです。その点は僕と似ているのではないかと思います」と、説明していた。
イ・ジョンリム監督(「VIP 迷路の始まり」)は、「悪鬼は、人間の内面にある欲望に応じて、どんどん育っていくんです。ここにいる3人のキャラクターが、悪鬼に誘惑されずに、正しい選択ができるのか。ときには選択を誤ることもありますが、視聴者の皆さんには応援しながら、ご覧いただければ」と語り、「刺激的なシーンもありますが、そこにゴマ粒くらいのユーモアを盛り込むことも忘れなかった」と話していた。
「悪鬼」は、ディズニープラスで独占配信中(毎週金・土に2話ずつ配信)。
貧しい家庭に生まれたク・サニョン(キム・テリ)の不運続きの人生は、父親が不可解な死を遂げたことで、さらに最悪なものとなった。彼女は、不幸な出来事ばかりが次々と起こる理由がわからずにいた。しかし、ある時、悪鬼の姿を見ることができる民俗学者ヨム・へサン(オ・ジョンセ)と出会い、自分を呪っている存在の真相を知り始める。やがて、悪鬼の出入り口を発見した彼らは、人知を超えた別世界と向き合い、両家を滅ぼした呪いを解くために協力することになる。
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