「CLOSE クロース」A24も信頼を寄せるヒグチユウコ&大島依提亜のコラボポスター完成
2023年7月7日 18:00
第75回カンヌ国際映画祭で「観客が最も泣いた映画」(BBC.com)と称されグランプリを受賞した「CLOSE クロース」から、画家・絵本作家のヒグチユウコ氏と、グラフィックデザイナーの大島依提亜氏がコラボレーションした、日本オリジナルのオルタナティブポスターがお披露目された。
カンヌ受賞のほか、第95回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされるなど、各国の映画賞で47受賞、104ノミネートを果たした本作は、前作「Girl ガール」で第71回カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を獲得し、鮮烈なデビューを飾ったルーカス・ドン監督の長編第2作となる。学校という社会の縮図に直面した10代前半に自身が抱いた葛藤や不安な思いを綴り、思春期への旅の始まりをみずみずしく繊細に描く。
色鮮やかな花畑や田園を舞台に、無垢な少年に起こる残酷な悲劇と再生を描いた物語は、世界各国で上映され、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では92%フレッシュ(7月7日時点)という高い満足度を記録。さらに、映画ファンから絶大な支持を得る気鋭の映画製作・配給スタジオ「A24」が北米配給権を獲得したことも話題になった。主人公・レオと幼なじみ・レミを演じるのは、本作で俳優デビューを果たすエデン・ダンブリンとグスタフ・ドゥ・ワエル。10代特有の揺れ動く心情を表現したふたりに、世界中から賛辞が贈られている。
オルタナティブポスターは、ヒグチ氏が描き下ろしたイラストを、大島氏がデザインしたもの。ふたりは以前にも、さまざまな作品の日本オリジナルのオルタナティブポスターを発表してきた。特に「ミッドサマー」のポスターは、アリ・アスター監督の絶賛を浴び、A24により商品化・発売されたほどの大反響を得た。
そんなA24も信頼を寄せるふたりは本作のポスターで、レオとレミが寄り添って眠る劇中のシーンをピックアップ。安心しきった様子で眠るレミを静かに見つめるレオの、どこか不安に満ちた眼差しが印象的だ。思春期に差しかかったレオの言葉では言い表せない複雑な感情や心の葛藤が表現されている。
ヒグチ氏は、「愛情について名前をつけたりカテゴリーにわけたりすることは無粋なのかもしれない」と語る。大島氏は、「幼少期に友だちのことが好きすぎて友情以上の“近さ“で接してしまったことを思い出した。しかしその距離感を定義するのは常に社会だ。この映画は、そうした社会のやるせなさを提示すると共に、かつて誰もが持っていた距離から解き放たれた自由を描いた作品でもある」と、コメントを寄せた。
なおオルタナティブポスター(B2、税込2500円)は、公開初日の7月14日午前9時から、「THE KLOCKWORX STORE」(https://www.klock-store.com/)で、300枚限定で発売される。さらに、オリジナルグッズが発売されることも決定。花畑のなかで真っ直ぐな瞳を向けるレオが印象的なTシャツ(M・L・XL/税込3800円)をはじめ、劇中に登場するダリアの花をモチーフにしたロンT(税込5500円)、巾着バッグ(税込2500円)、ロゴステッカー(税込800円)などがラインナップされている。一部の劇場で販売後、「THE KLOCKWORX STORE」でも販売される。販売劇場は、公式サイト(https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=close)で確認できる。
花き農家の息子のレオと幼なじみのレミは、24時間、365日ともに時間を過ごす、親友以上で兄弟のような関係だった。13歳になるふたりは同じ中学校に入学。その初日、ぴったりとくっついて座るふたりを見たクラスメイトは、「付き合ってるの?」と質問を投げかける。レオは「親友だから当然だ」とむきになるが、その出来事をきっかけに、周囲の目が気になりだし、徐々にレミから距離を置くようになる。
ある朝、レミを避けるようにひとりで登校するレオ。毎日一緒に登下校をしていたにも関わらず、自分を置いて先に行ってしまったことに傷付くレミ。ふたりはその場で大喧嘩してしまう。その後、レオはレミを気にかけるが、仲直りすることができず時間だけが過ぎていったある日、課外授業にレミは現れなかった。心ここにあらずのレオは、授業の終わりに衝撃的な事実を告げられる。それは、レミとの突然の別れだった。移ろいゆく季節のなか、自責の念にかられるレオは、誰にも打ち明けられない思いを抱えていた。
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