“最強の男”リーアム・ニーソンが、“超人気キャラ”フィリップ・マーロウを演じた意味は? 「探偵マーロウ」名匠が語る
2023年6月17日 13:00

日本を含む世界中で絶大な人気を誇る俳優リーアム・ニーソンの100本目の出演映画「探偵マーロウ」(6月16日から公開中)。監督を務めたニール・ジョーダンが、ニーソンとの仕事について語るインタビューを映画.comが入手した。
「96時間」シリーズなどで知られる“最強の男”ニーソンが、今作では「ずっと演じてみたかった」という探偵フィリップ・マーロウ役(小説家レイモンド・チャンドラーが1930年代に生み出した人気キャラ)。そしてメガホンをとったジョーダン監督は、「クライング・ゲーム」(1992)でアカデミー賞脚本賞を受賞した名匠だ。ニーソンとジョーダン監督はともにアイルランド出身という共通点があり、今作で4度目のタッグ。たしかな信頼関係のもと作品を紡いだ。
ジョーダン監督は、ニーソンとの仕事を「彼の演技はいつも見事」と称賛し、「常に『いつかリ
ーアムと特別な作品を作りたい』と考えていた」と明かす。今作「探偵マーロウ」はまさにそんな“特別な作品”となったようで、インタビューでは大ベテランの同監督が、まるで少年のように無邪気に喜びつつ、ニーソンがマーロウを演じたことの“意味”を語った。

過去に「プランケット城への招待状」「マイケル・コリンズ」「プルートで朝食を」の3作品でリーアム・ニーソンを出演者として迎えていたジョーダン監督。「探偵マーロウ」での再会については、「リーアムの演技はいつも見事で、常に『いつかリーアムと特別な作品を作りたい』と考えていたんです」と前置きしたうえで、彼に熱烈なオファーを送ったことを明かしている。
ジョーダン監督「今作の話をもらった時に、彼(ニーソン)に象徴的存在のマーロウを演じてもらいたいとすぐに思いました。マーロウと聞くとハンフリー・ボガードやロバート・ミッチャムを思い浮かべるでしょう。それくらいハマり役の役者がいると他の役者は想像できないと思います。しかし私はマーロウこそ、リーアムの素晴らしい冒険となるキャラクターになり得ると思いました。『再びリーアムと仕事をするのであればこれだ!』と思いオファーしましたが、本当にその通りになりました」

リーアム・ニーソンの映画におけるキャリアは実に45年。その間、数多くの作品に出演し、彼のイメージは演技派からアクションスターへ大きく変化を遂げた。では今作のようなハードボイルド・ミステリーでは、どのようなニーソンが観られるのだろうか? ジョーダン監督はニーソンの“人生”を、フィリップ・マーロウという人気キャラと融合させたと語る。

ジョーダン監督「最後にリーアムと一緒に仕事をした『プルートで朝食を』の後も彼は積極的に様々な役に挑み、多くの経験を積みました。そして今や大御所アクションスターです。そんな彼がゼロから冒険できるキャラクターを一緒に作り上げることができて最高でした。私たちは玉ねぎの皮を一枚ずつ剥くように一緒にマーロウの新たな一面を探しました。チャンドラーが描いたマーロウはおそらくカナダ人かイギリス人だったと思っています。そこで私は最初からリーアムにマーロウは見た目的にアイルランド人だと思うと話し、せっかくならそれを設定に盛り込むことにしました。こうやってマーロウに新たな一面を加えていったんです。リーアムとの作業はいつも楽しいですが、本作はさらに刺激的な経験となりました」

“アイルランド系移民のフィリップ・マーロウ”という新機軸を打ち出したジョーダン監督。過去のマーロウ映画とは一線を画すキャラ造形となったが、その“挑戦”の精神は、ロバート・アルトマン監督が大胆なアレンジを施した「ロング・グッドバイ」(1973)から受け継いだという。
「『探偵マーロウ』に取り組むにあたって、チャンドラーの小説が元になっている映画はすべて見ましたが、中でも一番手本になったのは、ロバート・アルトマン監督の『ロング・グッドバイ』です。この映画は映画史においてもっとも軽妙で皮肉めいた作品だと思います。エリオット・グールド演じるマーロウは、常に猫のエサを入手することに頭を悩ませているようなタイプで、70年代のロサンゼルスの街中を、ヨガをやっているような裸の女性と歩き回ったり、ドラッグや妙なことをしている人々にいちいち首を突っ込んだり変な行動ばかりとっていました。でもそのようなユニークな設定は、ロバート・アルトマン監督が“他の監督たちがやってこなかったことへ挑戦するため”に創作した斬新なコンセプトでした。そこで私も軸となる素材は大事にしつつも、思い切って好きなように表現してみることにしました」
さて、「探偵マーロウ」の新たなフィリップ・マーロウ像、その仕上がりはいかに? ぜひ劇場で目撃してほしい。

監督・脚本を務めた「クライング・ゲーム」(1992)の巧みな構成が高く評価され、アカデミー賞脚本賞を獲得。リーアム・ニーソンを主演に迎え、アイルランドの伝説的な政治家の活躍を描いた「マイケル・コリンズ」(96)ではベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、やがて殺人鬼になる少年の成長をコメディタッチで切り取った「ブッチャー・ボーイ」(97)ではベルリン国際映画祭銀熊賞に輝くなど、世界的な名監督として多くの俳優や製作陣から熱い支持を集めている(「探偵マーロウ」に出演しているダイアン・クルーガーやアラン・カミングも「長年大ファンだったニール・ジョーダン監督の作品に出演できて本当に光栄」と興奮気味にインタビューで答えている)。
「探偵マーロウ」では、プロデューサーのアラン・モロニー(約6年の歳月をかけて完成させた情熱家だ)の熱烈オファーにより参加が決定。脚本家ウィリアム・モナハン(「ディパーテッド」でアカデミー賞脚色賞を受賞)がすでに執筆していたシナリオに、ジョーダン監督流のアイデアを加え、共同脚本として名を連ねている。
「探偵マーロウ」は6月16日から公開中。
(C)2022 Parallel Films (Marlowe) Ltd. / Hills Productions A.I.E. / Davis Films
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