スコセッシ最新作、なぜカンヌ映画祭コンペティション部門を辞退した?
2023年5月17日 11:00
世界最高峰の映画祭として知られる第76回カンヌ国際映画祭が開幕した。コンペティション部門にはウェス・アンダーソン監督の「アステロイド・シティ(原題)」やビム・べンダース監督の「PERFECT DAYS」、ケン・ローチ監督の「The Old Oak(原題)」、是枝裕和監督の「怪物」など、21作品がラインナップされている。
だが、マーティン・スコセッシ監督の最新作「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題)」はコンペ外でのプレミア上映となっている。スコセッシ監督といえば、「タクシードライバー」(1976)で最高賞のパルムドールに輝き、「アフター・アワーズ」(85)で監督賞を受賞するなど、カンヌ映画祭とは縁の深い監督だ。
今回の「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題)」は、配信サービスのApple TV+向け映画であるものの、北米やフランスではパラマウントが劇場公開を行うことから、コンペティション部門への招待を受けていた。だが、スコセッシ監督はこれを辞退した。
その理由について、米ハリウッド・レポーターが独自に分析。映画作品をランク付けすることへの抵抗感や、パルムドール受賞への過度な期待というプレッシャーを原因に挙げている。さらに、昨年のカンヌ映画祭でプレミア上映された「トップガン マーヴェリック」と「エルヴィス」がその後、興行で大ヒットした事例があることから、あえてコンペティション部門を避けたのではと推測されている。
カンヌ国際映画祭は5月16日から27日まで開催される。