命をかけてナチスに抗議した作家のベストセラーを映画化 「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」7月公開
2023年5月2日 11:00

オーストリアの作家、シュテファン・ツバイクの世界的ベストセラーを映画化した「Schachnovelle(原題)」(英題:The Royal Game)が、「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」の邦題で、7月21日から公開されることが決定した。
原作は、ツバイクの小説「チェスの話」。1933年、ヒトラーがドイツの首相に就任し、オーストリアにも反ユダヤ主義が広まったことから、ユダヤ人のツバイクは、34年にイギリスへ亡命する。その後、場所を転々とし42年に「チェスの話」を書きあげた。ところが、完成した直後、ツバイクは自殺を選んだため、同作が“最期の小説”となってしまった。その内容とは、ツバイク自身と重なる主人公が、極限状況のなか、心身を病みながらも、何とか生き延びようとする姿。命をかけてナチスに抗議した書として、世界的ベストセラーとなった。
ロッテルダム港を出発し、アメリカへと向かう豪華客船。ヨーゼフは久しぶりに再会した妻と船に乗り込む。かつてウィーンで公証人を務めていたヨーゼフは、ヒトラー率いるドイツがオーストリアを併合した時にナチスに連行され、彼が管理する貴族の莫大な資産の預金番号を教えろと迫られた。それを拒絶したヨーゼフは、ホテルに監禁されるという過去を抱えていた。一方、船内ではチェスの大会が開かれ、世界王者が船の乗客全員と戦っていた。船のオーナーにアドバイスを与え、引き分けまで持ち込んだヨーゼフは、彼から王者との一騎打ちを依頼される。ヨーゼフのチェスの強さには、ある悲しい理由があった。王者との白熱の試合の行方とともに、衝撃の真実が明かされる。
主人公のヨーゼフを演じるのは、「帰ってきたヒトラー」でヒトラー役を演じたオリバー・マスッチ。第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選ばれた「異端児ファスビンダー」や、人気シリーズ「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」に出演するなど、ドイツで敬愛される名優のひとりだ。
監督は「ゲーテの恋 君に捧ぐ『若きウェルテルの悩み』」のフィリップ・シュテルツェル。少年時代に原作と出会って深い感銘を受けたシュテルツェル監督。変わるはずはないと信じられていた自由な世界が、驚くほど短い間に簡単にひっくり返されるという物語に、現代の社会状況との共通点を見出し、警告の想いを込めて本作を作り上げている。
「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」は、7月21日からシネマート新宿ほか全国公開。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
BS12 年またぎ映画祭2025
【全部無料の神企画】筋肉・秒殺・脱獄・名作でストレス即・爆・散!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!
提供:BS12
“愛と性”を語ることは“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
アバター ファイヤー・アンド・アッシュ
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「こんなに面白かったのか!!」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
知らないとめっっっっっっっちゃ損!
【“500円”で観られる!】絶対に読んでから観に行って!!!!!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー